薄明の帳に
@takaryan060530
死神について
俺が死神と出会ったのはちょうど婆ちゃんが倒れて運ばれたと聞かされた時からだった。
初めの頃は金縛りだけで何も感じなくなっていたが、婆ちゃんが一命をとりとめ、動けなくはなったが家に寝転がらせて置いておくようになるにつれて次第に夢の中で夢を自覚できるようになった。
その夢の中で俺は俺の望むような出来事が起こっていてなぜかどの瞬間か「ああ、これは夢なんだな 」 と我に返り、その泡沫の明るさから逃げて、夜と朝の狭間のような道を歩いているとある一人の女の子がたたずんでいた。
俺はその子には一切、気にも留めずに歩いていく。 その後、起きるとなんとも言えない疲れだけが残っていた。
ある晩の日だった。
医者からもらった薬を飲んで朝が来ないことを祈りながら眠りについた。
また明晰夢だと分かったのは俺が婆ちゃんと会話をしているときだ。
会話の内容は覚えては無いが夢だという自覚はある。
自嘲するように笑いながら「覚めろ」と念じると浮かび上がる感覚から体を強くのしかかられたような感覚が襲ってくる。
その時だった。 部屋の隅に夢の中で出会った女の子がいたのは。
俺は必死に口を開けて聞いてみた。
「君は? 」
彼女は4回口を動かす。
「〇〇〇〇」
なんとなくだが伝わった。
多分神様なんだと。
それは誰にとってもいいものじゃないことを。
これがある神様との出会いだ。
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