28

 それからはテスト期間が始まって、リンネイと話すことはなくなった。


 テストが終わったら手紙を渡そうと思っていた。


 けれどなぜかテスト期間が終わっても、リンネイと雑談さえもしなくなった。


 それはきっとわたしが負い目を感じているからだろう。


 もちろん手紙など渡すこともできずに、カバンに入ったままだ。


 わたしはリンネイに手紙を渡すのを諦めると同時に、無理やりLGBTQを理解することを諦めた。


 理解ができなくても受け入れることはできるから。


 それに、ふとした瞬間に理解するほうが心に残るだろうから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

LGBTQすら受け入れられない糞人間ですが 飛花 @shil2o

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ