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何を言えなかった。やがて沈黙になった。
リンネイがそれほど悩んでいたことが衝撃だったのかもしれない。
やがてジャルが沈黙を破った。
わたしもそういうときがあったんだ、と。
それを聞いて、わたしもなんか言わなきゃ、と思った。
けれど、何か言おう言おうとすればするほど言葉が出てこない。
何を言おうとしても、こんなんじゃリンネイは慰められないと、頭の中の声が言う。
わたしが喋れないからすぐに沈黙になる。
それをリンネイが無理矢理破る。
それにジャルが呼応する。
わたしジャルに勝てないじゃん、と思った。
悩み事を聞く上で、共感以上の寄り添いは、他に何があるだろうか?
考えれば考えるほど、涙が乾いていった。
40分ほどしてから、リンネイの気持ちが落ち着いたのか、ようやくわたしは解放された。
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