12
リンネイは強くなかった。
部室で三人の時、リンネイは静かに泣き始めた。
その直前に先生に叱られたのだろうか、とわたしはトンチンカンなことを考えていた。
なんて言ったらいいか分からなくて、ただリンネイの手を握っていた。
「私、」
とリンネイは言う。
「おかしいのかな」
リンネイはゆっくりと話した。
Kが好きな男の子と言ったから、やっぱり自分の気持ちはおかしいんじゃないか。
勿論、自分が男の子と付き合っていたこともあることから、Kはリンネイは男の子を好きになると思っていることは分かっている。
けれど、おかしいんじゃないかということがぐるぐる頭から離れない。
なんなら、セレネだってそんな自分を気持ち悪いと思っているのではないか。
話を聞きながら泣くのはおかしいかと思って、涙を我慢しながらわたしは聞いた。
ジャルが泣いているのに気づいたら、わたしは涙を止められなかった。
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