天地無用のProtest song
三日月月洞
生憎あかつき花筏①
前編
――ハレルヤ。
『あゝ、なんて美しい人なのだろう』
或る日、僕は、路地裏にて天女を見つけた。
もちろん、本当に天女という意味ではなく、《僕にとっての美しいひと》という意味だけど。
路地裏の入口に佇み一心不乱にその人を見つめ続けていると、知らず
と、まるで稲妻の如く、遥か昔に友達が教えてくれた話が僕の頭を過っていった。
「羨ましいわ。貴方達には、一生の内にたった1度だけ出逢うべくして出逢う相手が居るのよ」
もしかすると、彼女こそが、僕達種族が生涯で1人だけ出逢うと云う運命の相手かもしれない。否応もなくそう感じざるを得なかった。
『名前を知りたい……彼女の名前を』
その抗い難き引力により、僕の心は一足飛びに不安定となり、今まで誇りであった慎み深き知性や理性すらも底無し沼の底の底へと沈んでゆき、おいそれとは冷静さを取り戻せない状態となる。
『ああ、どうしても、彼女の足を舐めたい』
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