第66話~素人達~

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「今回の件について三人の昇級推薦状がルシファー様から届いた」

机上の親書をリナは二人に見せる

「「昇級推薦状!?」」

メイレーンとセレンが驚きの声を上げる


冒険者ギルドに呼び出されギルマス室へ通された理由はわかっていた

昨晩に王都で大捕物があったことは多くの王都民は気が付いている

下手に隠して真偽不明の噂で人心が動揺するより王室としては「隠密に王都へ潜入し年越し祭りに乗じて王都で略奪行為を案じていた盗賊団を阻止した」と発表する事で捕物を認める形にした

盗賊団が潜入でも十分に脅威であるが邪教団に比べれば王都人心に与える影響は少ない

参加した冒険者や団員へ邪教団に関しては厳重な緘口令が敷かれたが以外に関しては逆に情報封鎖はしなかった

あまりの秘密主義は人々の好奇心を誘うので適度な情報公開や漏洩はガス抜きとして必要な処置

これにより今回の犠牲なし結果の中心にメイレーンとセレンがいた事も人々が知る事となった


「信賞必罰」は王の気分次第で法すら意味が無くなる王国ではこれが守られねば人心を掌握する事は難しい

冒険者ギルドは国とは独立した中立機関なので命を出すことは出来ないので親書にて今回の功績に昇級を与えて欲しいと願う形式になる

当然だが願いに答えれば国の危機を救った報酬として多額の寄付が冒険者ギルドに支払われる

「今回も異例な事態であるので本部に確認の託鳥を飛ばし意見を聞いたが昇級に賛同との回答だった」

”美香の理由付けは?”

二人の昇級は予想していたが三人となると美香だけど昇級の理由が無いよ

「公表は出来ないが邪教徒の捕縛と尋問で多少なり有益な情報が入手出来た」

”かなり無理やりな気が”

「前には彩美と七海で後ろにはメイレーンとセレンで無理やりでも理由を作らないと美香の昇級は難しいからな」

そうだね実力は七海と一緒だけどメイレーンやセレンを前に出す為に裏方になり支える美香へリナなりの感謝だね


ギルマス室を後にして受付に行くとミナイが待っていた

「ギルマスから聞いておりますので昇級手続きをしましょう」

美香とセレンは白金から黒曜石級へ

メイレーンは黒曜石から水晶級への手続きを行う

「凄いですよ彩美さんと七海さんは特別として鉄級から一月で水晶級なんて前代未聞です!」

「う~ん彩美さん達と同じ階級になるなんて信じられないよ」

「白金でも信じられなかったのに黒曜石級とか」

「階級は気にしてないけど上がるのは嬉しいねえ」

三者三様で昇級の感想だね


本当はこのまま祝賀会と行きたいけどジルと交代時間なので王宮に戻る二人

私達はお茶と言いつつビールを冒険者酒場で飲んでるよ

”メイレーンの水晶級で私達の出番は減るかな”

「なに隠居しようとしてるの」

と七海に突っ込まれ

「え~もう少し色々斬りたいよ」

って美香は物騒な方向に行ってるし

”隠居したいけど裏でやる事はいっぱい残ってるよ”

「やっぱし帰って来てるのか?」

勘がいいね七海は

”うん間違いなく手下が一人は”

色々な可能性を模索したがダブネスでもガイアから神託を出すのは無理だ

結果論だけどガイアの七海と指輪を介して念通が出来たのは七海がチート覚醒していたから

常人の魔力や邪力では空間を超えて言葉を交わすには絶対的に不足過ぎる

不意打ちでガイアに落ちたダブネスが指輪と同じような触媒を残してる可能性も限りなく低いしね

まあ触媒があっても発動するにはチート級魔力が必要で無意味だけど


「そうなるとメネシスから邪教団に神託を送った者がいる」

”邪教団に神託と信じさせられるだけの材料を持った者となると手下のネクロマンサーが戻ってる可能性が高い”

「もしかして王宮の扉を確保は私達を誤誘導するブラフなの?」

美香も勘がいいね

”まったく甘く見られてるがガイアのオタクが持つ「なろう」系想像力を舐めた罰だね”

「本当にね」

「いや!違うだろ!そこは”私が先史代と知らなかったとは”じゃないのかぁ~」

うっ七海が特大のツッコミを入れて来た

「ねーさん!異世界ファンタジーに関してオタクは先史代より偉大なのだ!」

ああ楽しいね美香も完全にぶっ飛んで

この全てわかった上での寸劇をいつの日までも三人で続けられる日々を願うよ


”美香がガイアに帰った後になるけど今回の件で手に入れた証拠でわかる場所にいってみるしかないかな”

「それが罠とわかっていても」

あえて一ヶ所だけ示す証拠が揃うってことは来て欲しいアピールとしか見えないよね

”まあ暇だしね”

「正鵠は得てるが回答としてはつまらないので失格」

って七海も完全に遊びモード

「恥ずかしいから少し謎掛けを含めたデートの御誘いに応じる!」

美香もノリノリだし

「正解!」

って!それでいいのかあ!!


「私も一緒に行きたいけど学校優先は守るよ!」

大学に行くことが将来のメネシス生活で何になるかわからないけど無駄には絶対にならないからね

もう私は大学への未練は無いよ!だけど美香には卒業という区切りはちゃんと付けて欲しい

”まだまだ色々あるから焦らなくてもだけど年明けの光の国遠征で何かありそうなんだよね”

「何かあるのか?」

”完全な勘というか欲求!そろそろ裏方でもいいから見せ場のある出番が欲しい!”

「まあ彩美は激しいのが好きだしな」

”ちょっと~!なんか勘違いを招く言葉使い!”

「彩美ちゃんってそうだったんだ」

いや!美香!ネタを信じるな!私はって何この状態は~

なんかネタ祭りだったけど気分的にはスッキリしたよ

私が先史代だったから重い話が多かったから空気の入れ替えみたいでね

でも予感でも願望でも無く光の国遠征は絶対に何かある

国内移動と絶対的な信頼を置く同盟国の移動なのでまどかを中心に少数の旅団になるので手出しするには絶好のチャンスだしね


今日は「相席よろしいかな」は無いよ

明日の年越し祭りに参加する為に多くの国から王族や重役者が闇の国を訪れ謁見が続くからね

もうすぐ夕方だけどこの後は何をするかな

「よかった!間に合いました」

”あれミナイどうしたの?”

「年の瀬に申し訳ないのですが緊急依頼をお願い出来ないかと」

”何があったの?”

「南街道でワーウルフの群れが目撃されました」

王都へ向かう使者団がワーウルフの群れが街道にいるのを発見したが気付かれる前に西街道へ迂回して王都へ無事到着出来た

現在は西街道分岐点に案内人を置き迂回を促しているが大晦日の明日は多くの使者団と商団も王都へ向かうので現状の西門迂回では西街道がパンクしてしまうので南街道の安全を至急確保して欲しいと王宮からの依頼

南街道に続く南門は王宮専用の門で国賓用の出入り口になるので年始年末に使え無いのは闇の国としては致命的な不名誉でもある本来ではあれば国軍での排除となるが第一師団は王都内の巡回警備で多くの隊員を割いており即対応は難しい

辺境巡回を担う第二師団も年末で王都に戻っているが多数国賓を迎えている王宮の警護をしており即対応は出来ない

そこで冒険者ギルドに緊急の依頼が来た


今更ミナイの前で本音を隠してもだしね

”なんかルシファーが暇を持て余して少し暴れたい私達の為にな気がして仕方無いよ”

だって王宮警護に第二師団全員を必要としないしね

「私もそんな気がします”彩美さん達がギルド酒場で暇を持て余してるから”と付箋が付いてましたから」

まったくルシファーの目は何処まで届くのか

”依頼を受けるのはいいけどワーウルフの生息地はもっと南の森が王都近くまで来てる謎も解かないとだね”

「また何か企んでいるのが居るかもか?」

”ガーゴイルの件もあるしね”

「では受諾の署名をお願いします」

差し出された依頼書に受諾のサインをする

「息抜き楽しんで来てください!」

っとミナイも言うようになってきたね


冒険者服に着替えに戻るのも面倒なので街着のまま王宮を抜け南門へ向かう

王宮裏の大河に設置されている何十何百って水車は何回見ても壮観だね

「うわ~物語の光景が本当にそのままで迫力満点だよ」

初めて王宮裏に来た美香が光景に感動してるよ

顔パスで門番が通用口を開けてくれて南門を抜け街道へ

目撃情報のあった西街道への脇道まで二リーグ

ここまでワーウルフの群れが王都に近づくまで気が付かれないのは少し怪しいよね

”門があるから王都にワーウルフは入れないけど”

「けど出現場所が近すぎるかな」

七海も怪しさ満点の事態には気が付いてるね

”獲物になる大型草食動物も居ない場所へ何しにやってきたのかな”

話ながら街道を歩いてるとすぐに草原から森に光景が変わる


コチラの様子を伺い気配を消してるけど森の奥に十数匹の気配を感じる

気配に気が付かない振りをして歩き続けると私達を取り囲むようにミニバンサイズで狼に似た風貌のワーウルフ達が現れた

あれ?赤く光る狂暴な目が少し黒く濁ってる感じがする

「なんか様子がおかしくない?」

ダラダラと盛大に涎を垂らす口元を見て美香が疑問を感じたみたいだね

このまま斬り捨てれば一瞬で依頼完了だけど

”少し攻撃は待って”

何かワーウルフ達に異常があり原因を調べる時間を稼ぐ必要をわかってる二人が頷く

他の個体より一回り大きく一歩下がった位置にいる群れのリーダーと思われるワーウルフに向かい走り出す

二人は剣を抜くが私が走り出した事で襲って来るワーウルフ達をまだ斬らずに牽制をしている

リーダーワーウルフに近づくと大きな唸り声を上げ右前肢を薙ぎ払い鋭い爪で私を引き裂こうとする

軽く集中するとワーウルフの動きがコマ送りの様に遅く感じる

爪をくぐり抜けリーダーワーウルフの額に手を当て方程式を読み取り異常の原因を探そうとした瞬間

”うがぁまたもかーい”

リーダーワーウルフの額を蹴り付け跳ね飛ばすと少し森の奥へ駆け込み盛大に嘔吐する

くううコレは予想外だったよワーウルフが邪力を持ってるなんて


「だいじょーぶかー」

全然心配を感じない七海の声が聞こえる

”全滅させていいよ”

何回も繰り返すキラキラ処理が必要な合間に答える

少し落ち着いて来てゼーハーゼーハーと手ごろな木にもたれ掛かりしていると二人がやって来た

「ほい」

と七海がワインの瓶をポーチから取り出し渡してくれる

口を濯ぎ少し飲んで喉の焼けた感覚を追い払い落ち着きを取り戻したよ

「また邪力だったの?」

ケロケロな反応を見て美香はわかったみたいだね

”どうしてワーウルフが邪力を持ってるのか謎だよ”

「彩美の反応から斬る前に確認したら全てのワーウルフが邪力を帯びていた」

流石の七海!斬る前に鷹目で確認をしてくれたんだね


黒く濁った目と溢れる涎は邪力でワーウルフが狂暴化してた証なんだね

吸収した邪力も出し切ってすっきりしたので遭遇現場に戻ると見事に一刀で首を落とされたワーウルフ達の死体が転がってる

「合計十六匹だけど少し斬り足りないなあ」

美香の言動が物騒だよ

”うう暴れそびれたしケロケロだし最悪だ~!”

「私達は少しスッキリだな」

「うん」

からの大爆笑な二人

まあ二人がスッキリしたなら良しとするけど何でワーウルフが邪力を持っていたのかは解決しないと

”原因を探す前に死体を処理しないと邪力を帯びた状態は危険すぎるからね”

万が一にも放置して他の動物が食べたり皮を剥がそうと血に触れる人が出ると邪力が移って面倒な事になるから

手分けして鬼火と輝玉でワーウルフの死体を消滅させ終えると木々の影に気配を感じる

まあこの気配は安心だね

「森の少し奥で変な物を見付けました」

アークの幻体が帰ってきてたんだね


案内され数分歩いた森の奥へ行くと

「これはなかなか凄惨な光景だね」

思わず目を背ける美香

何人かの曽ては人だった物の一部が散乱している

「これは獣に食い荒らされた状態かな」

その推測は合ってるよ

”歯形の大きさと内臓を好んで食べてるからワーウルフにやられたね”

残っている品を見て行くとズタズタになっているがテイマーの好んで使う小さいポーチが連なったベストがある

”これ邪教団の別動隊だったのか!”

「死体に邪力も少し残ってるから間違いなさそうだな」

パズルのピースが揃ったね

別動隊は国賓用の南門前に忍び訪れる国賓達を襲う予定だったのだろう

テイムしたワーウルフの群れを南門近くまで連れてきたはいいが何らかの理由でテイムが弱まり移動で飢えた群れに襲われてしまった

信者の血肉を経由してワーウルフは邪力を手に入れ狂暴化してしまった

「でもワーウルフは門少し手前の街道で律儀に襲う人を待ってたよ」

”それは狼は犬族だからテイムで群れのボスと認識したテイマーの命令をテイムが切れても守っていたんじゃないかな”

「飢えに狂って食べた人がボスとは思いもしなかったのか」

”多分だけど幻覚で大きく強そうな個体を見せて騙していたからボスが人とは考えていなかったとか”

「それはありえそうだな」


信者の死体も邪力を帯び危険なので消し去り西街道抜け道の分岐へ

迂回を案内してた兵達を見付け近づく

”水晶級の彩美だが王宮から依頼を受け街道のワーウルフ達を殲滅したので通行が可能だ”

「では街道の閉鎖を解き南門へ訪れる皆様を御案内いたします」

”よろしく頼む”

さて私は暴れそびれてしまったけど街道の安全は確保出来たので良しだね

”七海と美香は申し訳ないけど交代が到着するまで街道の警護をお願い出来るかな”

「そうだな万が一だが後続部隊が来た場合の備えは必要だな」

”うん予想以上に色々と仕込んで来てるんでね”

この場は二人に任せアークと供に少し王都方向に歩き兵達から見えない場所まで移動する

”ルシファーとリナに臨時指揮所に来て欲しいと伝言をお願いアーク”

「はい」

アークの姿が霞み転移をした


「すぐに南街道にも警備班を送ります追加編成した中から四部隊をローテション配置でセレン手配をお願い」

「はい!」

私の報告を聞き対応指示を出すメイレーン

指示を受け警備部隊が待機している第一師団訓練所に向かうセレン

指揮官の貫禄が出始めたメイレーンが頼もしいよ

王宮の臨時指揮所になっている応接室に戻るとアークから連絡を受けたルシファーとリナも待っていた

「状況は把握した対応をメイレーンに任す私の対応が必要な時は最優先で応じるので連絡をくれ」

状況確認と指示を終えるとルシファーは列を成す謁見に戻っていった

「ルシファー様のお遊びが最良の対応になるとは」

邪教団が南街道で王都に向かう要人を襲う計画までしていた事にリナも驚きを隠せない

”ダブネスの手下が一人は帰って来てる”

「まさか」

驚くリナに対して

「やはりですか」

想定していたメイレーンだよ

神託がガイアからでは難しく崇拝者を信じさせれる何かを示せる存在となると手下のネクロマンサーが戻ってる話を二人にする


”メイレーンは手下の帰還を予想してたみたいだけど”

「二つ気になるポイントがありましたので」

”聞かせてもらえるかな”

「まずは邪教団の動きが全て陽動にしか見えないからです」

かなり綿密に見えて全ての詰めが甘く計画の成功が目的でない

王都地下の扉を狙う事をアピールするのが目的と考えると計画が杜撰な理由もわかる

しかし崇拝者達は計画の成功を信じているので計画考えた者以外は真の目的を知らない

「神託で計画の概要だけ伝え詳細は崇拝者達が考えたとすれば辻褄が合います」

”その理由は?”

「崇拝者達は戦いのプロではありませんから計画全体が自分達の願望結果を優先して相手の反撃とか想定外の事態に対する対応がされていません」

立場は人を作るとは言うけどメイレーンの成長には驚くばかりだよ


「扉を狙う事をアピールする必要性は何かな」

リナも全体が見えたみたいだけどメイレーンに敢えて質問をして成長を確認してるね

「まだダブネスも手下もメネシスに帰還出来ていない事を印象付けるためです」

”何の為に印象付ける必要があるのかな”

「手に入れた出身地とか示す証拠を分析すると不自然過ぎるのです」

証拠は特定の地方に偏っており証拠を追って邪教団の足跡を追いに行くと必ず特定の場所に行き着く

「多くの辺境地から集まった崇拝者達なのに特定地方の証拠だけなんです」

これは神託で特定地方に導く証拠を残すように指示があったとしか考えられない

謀略に慣れている者なら偽の証拠も入れつつ導きたい場所への証拠を目立たす等をするが

「辺境の名ばかり貴族や普段は農家や狩人と謀略とは無縁な世界で過ごす者達が考えた計画ですから」

いやまってよ!本当に数日前までは中堅と言えども普通の冒険者だったんだよメイレーンは

何がメイレーンを変えたのかだけど小国なら十分に参謀級の働きをしてるよ


「では特定の場所に導く理由は?」

「ダブネスが彩美さん達のチートを知らない前提で考えると理由は一つに行き着きます」

”私達が戦力外だとすると?”

「その場合は今この場に居るのは彩美さんでなくまどか様になります」

まどかであれば自ら先陣を切り導かれる場所に行くだろう

ダブネスも手下もメネシスへ戻っていないのであればまどかの性格から身軽に真矢と二人で調査に向かう

そこで手下のネクロマンサーが満を持して待ち構えていたら

「伝説を信じるなら十分な準備時間があればネクロマンサーは数百の死鬼やアンデッドを召喚して迎え打てますのでまどか様達でも二人では立ち向かうのは難しいかと」

”それを踏まえてメイレーンは何か考えがありそうだね”


「まだ”私達の手で”ネクロマンサーに立ち向かうには残念ながら力不足です」

だからと言ってネクロマンサーを放置すれば多くの被害が出る事は間違いない

「表向き誘いの調査はまどか様にお願いをしたいと考えています」

先の説明に悩んでるね理由はわかるので助け船を出すよ

”私と七海は随行して二人がネクロマンサーを倒せる状況を作ればいいのかな”

「彩美さん達は表向き何の功績も残せない事になってしまい心苦しいのですが」

やっぱしソコを悩んでいた優しい子だよ

”私達はもう功績はいらないよ”

冒険者として上位階級を目指したのも対ダブネスの準備での箔付けの為

その襷はメイレーン達に引き継がれたから箔付けの功績は不要

裏方でも何でもいい今後はメイレーン達を中心に始まる戦いの支えが出来れば

「そう言って頂けると本当に助かります」

深々と礼をするメイレーン


次計画の細かい事は後日にして今は祭りの警護にメイレーンは集中する

私は部屋に戻って来たのだけど七海達はまだ戻らず一人

テラスに出て紫煙を巡らしているのだけど不思議な気分だよ

覚醒して七海の元に戻ってからメネシスで一人だけになった事はなかったね

人知を超えた先史代の能力を取り戻してもコノ感覚だけは変わらないよ

寂しい・・・別れてから一時間位しか経ってないけど

一服を終え部屋のソファーに座るけど何をするでも無く帰りを待つ

そろそろ寂しさが限界になり始め泣き出しそうになりそうになった時

「ガチャ」

七海と美香が部屋に入って来る


何も考えられない

美香の前で恥ずかしいとかも関係無い

部屋に入って来た七海の胸に全力で飛び込む

受け止め七海が抱きしめてくれた

七海の胸に埋めた顔を見上げ目が合うと

「ただいま」

身を委ねる私を優しく立たせ同じ目線になると唇を重ねてきた

唇から全身に広がる優しい感覚に身を任せるよ


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