第56話~得る者と失う者~

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テーブルには大量の皿とジョッキ

どの皿にも美味しそうな料理が大盛で盛られているけど凄い勢いでテーブルを囲むメンバーの胃袋に消えて行く

第一師団の訓練場からギルド酒場に移動して飲み会だけど開始早々メネシス式の「まずは腹を満たす」の刻

ミカエルもルシファーが外出時に愛用するロングケープマントを重ね着しフードで顔を隠して食事をしている

私はすでに満腹なのでビールを楽しみながら皆んなの暴食タイムが終わるのを待っているよ

まあメネシスでは暴食でなくこれが普通なんだけど


「うん!彩美ちゃんの言ってた現地の味って意味はわかったけど美味しいよ!」

美香は辛すぎて七海と私が無理なメネシスでは普通の味付けを楽しんでるよ

今日は「辛さ駄目」が七海と私だけの少数派なので普通味付け料理も注文してるので七海は慎重に味見をしながら辛さが大丈夫な料理を選んでるね

「なんか凄いお腹が今日はすいてるよ」

とメイレーンも凄い勢いで食べているよ

火葬を使って大量の魔力を消費してエネルギー補給だね

皿が空くと誰かが追加注文でテーブルの上は常に賑やかだね


予想はしてたけど毎度の気配を感じるよ

まだ内密な話をしてなかったので遮音結界を張るよ

「失礼相席いいかな」

クリスタルを溶かしたような声が心地よく耳に響く

”待ちきれなかったの?”

「祝いをしたく我慢出来ずにな」

と席に着いたルシファーに私のジョッキを渡す

「王宮から歩いて来て喉が渇いていたのでありがたく頂く」

お代わりで届いたばかりのほぼ満タンなジョッキを一息で飲み干す

「「ルシファー様!?」」

と皆んなの食事の手が止まる


食事は一時休戦だね

「失礼」

とルシファーがメイレーンの額に手の平をあてる

「完全に芽吹いたな」

「え!?」

「最高位魔法師への道は開かれた」

「えっえっ!!」

突然の話で言葉が出てこないメイレーンだよ

「おめでとう」

優しくルシファーが祝いの言葉を掛ける

祝いをしたかった・・・ルシファーは本当に優しいよ本人には言わないけど照れ隠しで噛みつかれるから絶対に


「全てのドラゴンを亡ぼす力が手に入る・・・」

「ここから先はメイレーンの努力次第だ」

メイレーンの頬に涙が伝い始めうれし泣きでグチャグチャの顔になる

うん?背後に別の気配を感じるけど何でこの人が?

「私も参加させて頂いていいかな」

「「ギルマス!?」」

そうリナの気配だよ

リナが席に座ると

「御連絡頂きありがとうございますミカエル様」


そうかミカエルがルシファーとリナに託鳥を飛ばして二人を招いたんだね

流石ミカエルだよ

二人を呼んだミカエルの意図はわかったけど

どう進むかは見守るしかない私だよ

追加とお代わりで注文したジョッキ代わりのピッチャーが届いたので

「「乾杯」」

「とりあえず腹が減ってるので」

とルシファーの一言で食事モード再開


皆んなの食事風景を見ながら考える

リナが呼ばれたという事はメイレーンの昇級に関してギルドに何かしら動きがある

でもケンプファーのパーティーと整合性をどうするのか

メイレーンが居なければケンプファーのパーティーはバランスを崩して今の活躍は無理だし

十年以上の信頼関係を超えてメイレーンの代わりに新しいメンバーを加えるのも無理がある

多くのパーティーを見て来たリナであれば答えを持っているのかな

ボーっと食事光景を見ながら考えていたら横に座った七海にわき腹を肘で小突かれ小声で

「なんか難しい顔になってるよ」

”ちょっと考え事してた”

「考えてる事は何となくわかるけど全て彩美が背負う必要ないよ今回は流れに任せようね」

”うん!そうだね”


そこからしばらくテーブルの上は戦場だった

しばらくすると皆んなの食欲も一段落で飲みモードになったよ

「さて彩美に聞きたいがメイレーンの力をどう見る?」

リナに問われる

「火葬は紛れでは無い実力です先程の模擬戦全体を見ても急速な魔力の成長と使い熟しは驚きですルシファーが数日で何をしたのか」

「彩美の面倒を見る必要が無く暇なので公務が無い時間は朝日が昇ってから夕陽が沈むまで修練に付き合っただけだ」

うわ鬼教官だしさらっと毒も混ぜて来るしだけど面倒見の良いルシファーだよ

”それにしても二人の成長は凄いよ”

「私のした事は成長に必要な水を与えただけで芽吹かしたのは彩美の力だ」

”私の力!?”

何も普通の模擬戦しかしてないけど

「極限までの恐怖を感じ乗り越えた時に人は強くなる」

何それ?ルシファーてば


「初手の火嵐を木刀で切り捨てられ向かって来る彩美さんの殺気を火炎壁越しに感じた瞬間に死が寄り添うのを感じました」

メイレーンが語り出す

今すぐ逃げ出したい恐怖に負けそうになる

私がチートを封じ魔法剣士として挑んでるとわかっていても怖い

恐怖から反射的に私の前進を止めようと火嵐を放つと自分でも信じられない威力で私の足を止めることに成功したことに驚く

そこがらは無我夢中だった

ルシファーとの特訓で何回も血反吐を吐いて何回も千切れ飛ぶ手足の痛みに耐え強くなり一瞬でも私の動きを封じる事が出来た自分を信じた

氷嵐で私の次手は上方向への回避しか無いチャンスは一回限りと何が起きるかわからなくても全ての魔力を叩き込んだ

その結果が火葬の発動


「チートを封じた魔法剣士としてであればと希望を持って挑んだはずの彩美に一瞬で希望は打ち砕かれ死を覚悟する恐怖」

”うん”

「恐怖を乗り越え一撃与えた自信は種を芽吹かせ最高位魔法の発動をさせた」

ルシファーが語り終える

”私はただチートを使うと模擬戦の意味がないから封じただけなのに話が大きくなってない!?”

チートを想定した戦い方なんか練習しても意味がないからチートを封じた事は皆わかってくれている

「それでも規格外過ぎなんですよ!」

メイレーンの一声に皆が笑う


「少しの間だが今のパーティーを離れる事は出来ないか」

メイレーンとセレンにリナが問う

「どれくらいですか」

セレンが問う

「そうだな・・・」

リナが考えを話し出す

ケンプファーとサイの力では金級への昇級は当面は厳しい

階級揃いのパティ―では昇級試験となると公平性を保つため全員の判定が同時にされるので二人の実力不足が問題となる


異階級パーティーの場合は依頼指定階級をメンバーの最高階級者が満たしていれば受けれる

そこで七海と私とパーティーを組み私達水晶級が推薦する事で飛び級になるが白金級の昇級試験依頼を受ける

昇級依頼でパーティーに対象階級より上位者がいた場合は除外して選考される

二人が見守るだけの存在であれば昇級は出来ない

逆に私達が何もしないで二人だけで依頼を終えれば二人の昇級は確実となる

まあ冒険者昇級システムの穴を突いたような方法で二人を昇級させる方法だね

これで二人はセレンの実力相当の白金級までは昇級できる

本当は今後のダブネス対策を考えるとメイレーンには水晶級まで昇級してもらえると計画進行が少し楽になるけど次の段階はここまで物事が進んでから考る


「いきなりパーティー結成で推薦は難しいので数回は彩美達と依頼を終え推薦に充分と判断する実績作ってからなので数ヶ月程度かな」

「私は是非お願いをしたいよ」

メイレーンは嬉しくて仕方ないオーラがバンバンに出てるね

「私はケンプファー達と相談してから」

セレンの反応も当然だよね

「これは少し彼らの時間を無駄にするが彼らの役にも立つ話だ」

「「えっ」」

「彼らが待つ間に実力を付ければ同じ方法で将来に金級の昇級試験を優先的に受けれるチャンスを作れる」

「本当ですか!」

セレンが喰いついたよ

「二階級以上差があるパーティーメンバーからの推薦は上位階級者が欲しいギルドとしては野良受験者より達成見込みが強いので優先されるからな」

しかし本当に冒険者システムに精通したリナだから思いつくアクロバットな方法だよ

内部の選考方式とか推薦条件に昇級試験を受けるのに必要な非公開の依頼を達成すると個人に付くポイント条件を知り尽くしてないと実行できない計画だよ


作戦会議は一段落で空気感も緩み新参の美香へ質問とか談笑をしながら飲みモードだよ

談笑が一段落するとミカエルが

「明日は美香のデビュー戦ですか」

”うん今回は滞在日数が少ないので日帰りか一泊くらいで考えてるよ”

「あっ!今回はパティ―合同で依頼を受けるのもありだな美香は銀級だし」

とっくに思いついていたがタイミングを読んでいた七海が切り出す

「良い依頼と出会えることを私も祈りますね」

何か含みがあるミカエルだね


「さて私達はそろそろ大人の話をしに行くかな」

ルシファーがミカエルとリナに声を掛け河岸を変えに席を立つ

立ち去るルシファーの背中に

”ありがとうルシファー”

声を掛けると軽く手を上げ去って行くルシファー

”子供扱いされてしまったよ”

メイレーンがツッコミを入れてくれたよ

「しょうがないですよ最年長の私でも五十数歳でルシファー様もミカエル様も三千歳超えてるしギルマスも正確には知りませんが千歳超えとの話ですし」

”まあ私は最年少で十八歳です”

小さな声で少し良くわからない負けた感の私が呟くと

七海が私を抱きしめて

「歳なんて関係ないって言ったのは彩美だろ」

「そうそう三千歳の前ではここにいる皆んな誤差の範囲だよ」

そうだね美香


さて河岸を変えようとなったけど何処に行こうかの相談中

セレンが思い付いたみたいだね

「あっクラブに行けばケンプファー達が居るかも」

前にケンプファー達の昇級試験後に行った店だね

全員一致でクラブへ行くことに

「わあクラブとかガイアでも行ったこと無いよ楽しみ」

とかウキウキの美香だね


クラブに入ると予想通りでケンプファー達が居たね

ケンプファーは一人でサイはジルとペアで踊ってるね

テーブルを見回すとミナイが一人で飲んでるテーブルを見つけたので合流する

「わあ皆さん一緒で」

ミナイが声を掛けてくれたよ

”二人と訓練をして少し食事をね”

セレンはミナイに挨拶をするとケンプファーの元へ行き踊り始めたね

ビキニアーマーの女性が注文を取りに来たよ

ミナイはビールで他四人は麦火酒だね

何かミナイの様子がいつもと違う何もないテーブルの盤面をボーっと見て少し切なそうな表情を浮かべてる

いつもなら何でケンプファーと一緒になったとか会話の口火を切るのに

”ミナイ何かあったの?”

「あっえっ」

”ゴメン聞き流して”


なんか空気感が暗い

やちゃったなあ

誰が夜の蝶だよ初歩的な悪手で会話の口火を切ってしまったよ

七海が私の腕に胸を押し当て私の目を見て視線で「これは仕方ない」って慰めてくれてるけど

そんな中に酒を満たしたジョッキが届く

「喉乾いたので乾杯だよ!」

美香が暗くなった空気を換気をしてくれる

「うわ!これ美味しいけど絶対やばいスピリタスまでは行かないけどヤバイのはわかるけど美味しい!」

ってガイアの大ジョッキサイズを半分一息で飲んでるよ


フロアに響く曲が終わり次の曲が始まる

曲の変わるタイミングでケンプファー達がテーブルに戻って来たよ

挨拶を済ますとケンプファーが

「セレンから聞きました明日の件ですがよろしくお願いをいたします」

”うん!では何時にギルドで合流すればいいかな”

「日帰りか一泊なら九時の受付開始に来て頂くのがよいかと」

ミナイがフォローをしてくれたよ

”じゃあ九時にギルド集合でね!”

「よろです!」

とダンスフロアに戻って行くケンプファーとセレン


腕の無い左側にもたれ掛かり腕をジルの腰に回し抱き着くサイと一緒に私の横に来て耳元で囁くジル

「すまないがミナイを頼む私では無理だ」

あーあ初手でフラグ立てたから回収役も回って来るオヤクソクってね

マジでこのルートの王道なオヤクソクが巡って来るなら無敵チート以外の御都合主義も何か発動しないかな

なんて現実逃避の思考をしていたら

「少し落ち着いて話せる場所に移動するか」

現実的な七海の提案だね


前にメイレーンに連れていってもらった黒泉館近くのガイアでのオーセンティックバーに移動するよ

ケンプファーやジル達は踊りに没してるので挨拶はしないでね

店に着くとボックスシートに案内され各々好きな酒を頼むってなったけど

結局はミナイがビールでメイレーンと私達は麦火酒だけどね

乾杯もなくジョッキが届くと各々で飲み始める

どうしよう空気感が痛いけど起死回生の入口が見つからない

「でミナイ!何があった?」

有無を言わずに答えるしかない迫力とミナイを思いやる気持ちを感じる優しく強い呼びかけ

はは七海はやっぱし伝説級だよ逸材とか言われても無理だよ私には


「これが今日届いたの」

一枚の葉書をテーブルの上に出すミナイだけど・・・ガイア組はメネシスの文字が読めません

察したメイレーンが葉書を受け取り読んでくれる

まあ内容はガイアでも都会で働き居場所を見つけてる女子と田舎で畑仕事をしてる男子の逢い慣れない価値観のままだね

冒険者の相手なんかしてないで俺の元に来て結婚して子を成し地に足を付けた生活をするのが君の幸せだ

冒険者なんか腕頼みの社会不適合者だ相手をしていればいずれ君も汚れる

君の幸せは俺の元に来ることだ

もう待てない春までに俺の元へ来なければ君とは終わりにする


「俺の元に来いは嬉しいです・・・でも冒険者の皆様を汚すのは許せない」

確かに腕頼みの冒険者の中には素行が悪いのも一定数居る

階級が上がり得られる名誉欲や普通に生活していては得られない高額な報酬が目当てとかあっても多くの冒険者の心にあるのは「困ってる人を助けたい」だ

自分の力では冒険者として人助けは出来ないが冒険者を支えるギルドで誇りを持って働いてる

何回も手紙をやり取りをしたけど冒険者に対しては理解でなく自分の元に来るのを邪魔する悪の源と憎しみを増していくのがわかった

ギルドでの仕事を諦めきれず彼の元に行くのを先延ばしにしていた自分が悪いのもわかる

冒険者を理解出来ない彼の元に行っても価値観が合わずに苦しい日々が待ってる事もわかって逃げていた

だから彼が冒険者を理解してくれたらすぐにでも行こうと思いを込めた手紙を送り続けた


「わかってくれなかったんです彼の畑が平穏なのは領主様が領地周辺にモンスターが見つかると冒険者に依頼をして討伐する事で保たれていることを」

やり取りを重ねる毎に冒険者への理解でなく私との仲を裂く邪魔者として憎悪が増していくのに耐えられなくなりミナイも冷めて行く心に気が付いていた

もう耐えられないと別れを考えていた所へ届いた手紙

「今回の手紙で別れを決めたのですが返信をしてしまえば引き返せないと思うと怖くて」

”昼に美香の登録で行った時は全然気が付かなかったよ”

「仕事中は完全に忘れる努力をしてました依頼の選定一つ間違うだけで冒険者の方を命の危機に晒すことになるかもしれませんし」

”プロフェッショナルだなあ”


メイレーンが語り出す

「尊厳を理解出来ない相手とは無理をしても良い事はないよ」

七海も語る

「尊厳に関わる価値観の差がある相手との刻は苦痛でしかない」

実際に鍛冶屋として高みを目指す御主人と心を重ね過ごして来た日々があるメイレーンだから紡げる言葉

「そう何十年と一緒に暮らし時には喧嘩もするけどお互いの尊厳を慈しみ合うから寄り添う心地よさが二人一つになる意味だよ」

ミナイが何か気持ちを切り替えたね

「何となく感じていましたがハッキリしました今のまま何をしても私達は平行線で若さを無駄に消費だったらスパっと別れて新しい恋を探します!」

よかったミナイの表情が晴れたよ


それからは明日の依頼は何があるかなとか私達が不在だった数日に起きた街中の事件の話をしてもらったりで酒を楽しむ

一時間位談笑してたらミナイも完全に立ち直ったね

「よし!帰って手紙書いてスッキリしちゃうよ!」

と先にミナイが帰って行ったよ

”温泉入ってくメイレーン”

「いいんですか」


久々のメネシスでのお風呂だよ

「うわ~月が七色で大きいよ!」

”最初は驚くよね”

「ガイアの月は違うんですか」

「もっと小さく見えて白一色だよ」

ナターシャがお酒を届けに来てくれたよ

「麦火酒のお話をお聞きしましたので御用意いたしました」

気配りが本当に細かいナターシャだよ


七海がグラスに注ぎ皆に渡す

乾杯をして一口飲むと

ナターシャの用意してくれた麦火酒は街中で飲むのより香りが豊潤で研ぎ澄まされた味だね

「これ凄い高級なのですよ!」

メイレーンが驚いてるよ

そうだよねガイアでもそうだけど研ぎ澄まされた系は高いもんね

”うん美味しい”

「美味しいけどバーのよりさらに度数が恐ろしいね」

最初はどの酒も度数の高さに驚くよね

多分だけどバーのより熟成期間が長いから味も研ぎ澄まされているんだろうけど長期熟成で濃縮されアルコール度数も上がってるね


「えっガイアの人は寿命が平均八十年とか短いんですか」

メネシスの人々は三百~四百年位は寿命があるからね

”うん”

なんてメイレーンにガイアの話をしたりして酒も楽しみ長湯も楽しんだよ

「そうだメイレーン今晩は泊まって行きなよ明日の朝にメイクして皆んなを驚かそう」

「いいんですか!」

「じゃあ私と一緒のベッドで一緒に寝ようね」

なんか美香の目がキラキラってHな事はしないだろうけどロリとかショタも大好きだからメイレーンはストライクなんだよね

添い寝してナデナデを楽しむ気が満々なのが漏れ出てるよ


お酒も無くなり今日は結構飲んだので酔いも廻りお風呂からは各々部屋にで解散だよ

七海と私は体を拭いたら部屋に戻る前に紫煙を巡らし長湯で火照った体を少し冷ます

”戻って初日から色々あったね”

「そうだね明日も美香のデビュー戦で色々と起きそうだね」

”多分ミカエルが何か仕掛けそうな感じだし”

「それは私も感じてるよ」

七海の言葉遣いが二人モードになるとなんか体の芯が熱くなるのは何でだろう

私の顔を覗き込む七海

見惚れる顔が近づいて来て唇が重なる

舌が触れ合うと軽く白い波が脳を襲う

このまま・・・

ゆっくり七海が唇を離していく

もっと・・・

「可愛すぎて我慢できなかったが今後は気を付けないとだね」

と耳元で囁く

”あっ!”

美香の部屋から丸見えで二人が興味津々な顔で見てる!

一気に微睡が飛んだよ

”そうだね”

視線が合った二人はバツが悪そうに視線をずらすけど「えへ!」って舌をぺろりと出す美香とメイレーンが可愛すぎたので許す


部屋に入るとベッドに座り七海と唇を重ねる

もう言葉はいらない

身を七海に任せ何回も脳が白く染まる快感に溺れる

そろそろ仕上げと七海の指が私の中に入って来る

少し奥にある敏感な部分を刺激されると快楽の余韻が溜まっていた体は限界を迎えた

自分ではどうにも出来ない大声を発し意思と関係なく限界まで背骨が反る

体が弾ける感覚で絶頂が訪れ脳が真っ白に染まる

ああ・・・七海・・・私最高に幸せだよ・・・意識が闇に落ちて行く


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