第33話~冒険者登録~

冒険者ギルドに向か途中で少し考えていたよ

ミカエルはガイアに戻ってる間にルシファーから話を聞いていたのかなってね

ルシファーの洞察力なら七海が光属性を見抜いていたか可能性で先手を打っていてくれた可能性は大きいね

今日の外出をなんらかで知り蔦を付けて接触のタイミングを探していたらな感じかな

”やっぱルシファーの手の平の上か・・・”


左腕に腕を絡め寄り添う七海が私の呟きに反応する

「どうしたの?」

ミカエルの件を説明すると七海も同意してくれたよ

まあ今晩にディナーを一緒するので詳しくはそこで聞けるねって話でね

イベント発生現場から数分で冒険者ギルドに到着したよ

文字は読めなくても剣と盾の紋章が入った看板はどの国でも共通なので間違いないよ

とういか見るからに革鎧やプレートメールとか魔法師装束を着た冒険者ってのがうじゃうじゃたむろしてるから分かりやすいね


なんか視線が集まるのがわかるよ

「闇と光のカップルだって・・・」

「なんか魔剣のバングルが二本なくね・・・」

「属性違うのに双子じゃねえ・・・」

ドアに向かうと勝手に入口までに居た冒険者達が脇に避け道が開くよ

気も魔力も極限まで抑えてるけど冒険者として生き抜きてきた人達に「何か」を感じさせてしまったみたいだよ

七海が寄り添ったまま建物中へ


”やばい受付がいくつかあるけど看板が読めない”

「ちと困ったね」

「お嬢さん達お困りかな」

赤髪でプレートアーマーを着て左手首に鉄乃剣バングルをした三十歳位の女性が話しかけてくれたよ

プレートアーマーの胸の中央にギルドの剣と盾の紋章が入った金色で直径五センチ位のコインが埋め込まれている

これはわかるよ金級冒険者の証だね

冒険者になると階級に応じた素材で出来たコインが渡される

片面はギルドの紋章と私には読めないけど所属支部名が刻印されているよ

もう片面には名前と属性が記されているよ

このコインは身分を証明するもので入国審査がある国とかで必要になったり階級に応じてアイテムショップで割引を受けれたりの特権もあるよ

階級の高い冒険者は無用なトラブルに巻き込まれないようにすぐ見えるようにしてたりするよ


「すいません新規登録をしたいのですが私達異国から来たばかりで言葉は勉強してきたのですが闇の国文字が読めなくて」

「そうかでは一番左のカウンターだよ」

”ありがとうございます”

「私は金級のジル何か困ったら気軽に声を掛けてね」

”ありがとうございます彩美です”

「七海です」

「まあちょうど誰もいないから登録を済ましちゃいな」


一番左のカウンターに行くと上半身が白でスカートは深い紫色の長袖ロングワンピースにボルドー色コルセットの女性がいたよ

この服装は闇の国冒険者ギルドの女子制服だね

女性は二十歳くらいの少しキツメ色白美人で腰まである緑の髪をスカートと同じ色の布で縛ってポニーテールにしてるよ

まあメネシスでは見た目と歳は関連がないので歳の推測は意味がないけどね


「新規登録ですか?」

”はいお願いします”

「他国で登録したことは無いですね支部が違っても二重登録はできませんので」

「はい初めてです」

机の上に一枚の紙を出されるが当然ですが読めません

「先ほどのジルさんとの話が聞こえておりましたので口頭で御説明を致しますね」


受けた冒険者の説明は私の設定したままで安心だね

・冒険者ギルドで依頼を請けるには冒険者登録が必要

・冒険者には階級がある

・階級は特定の条件が揃ったクエストを達成するか昇級試験を合格することで昇級できる

・クエストによっては階級指定があり低階級では受けれないものも多い

・上位階級指定の依頼ほど難易度は高いが報酬が良い場合が多い

・冒険者である証明と階級を示すコインは他者に渡したり売っては駄目(罰則有)

・階級は「大理石→鉛→銅→鉄→銀→金→白金→黒曜石→水晶→サファイヤ→ダイヤ→称号」

・称号は最上位で伝説的な偉業を達成した場合のみ特別に付与され現在は全世界で十数名程度


まあよくある異世界物の冒険者システムと同じだね少し階級が多い感じがするけど

「御二人は闇と光属性なので基礎能力ボーナスで階級は銅からですが・・・魔剣バングルが二本が問題で」

”えっ”

「銀と金と水晶の魔剣をお持ちですとさらに能力ボーナスで一階級上がるのですが二本の規定がなく申し訳ありませんが本物かの確認をさせて頂いてよろしいですか」

「確認?」

「本来はギルド建物内は抜剣禁止ですが今回は特例で実際に剣を抜いて確認をさせて頂ければと」

そういうことね

七海と私は

交互に二本の剣を抜いて本物である事を確認してもらう

「間違いなく二本持ちなんですね支部のギルマスに確認をしてきますので少々お待ちください」


待ってる間に声が聞こえてくる

「マジで二本持ちだって」

「実際に今見たけど信じられない」

「二本持ちって聞いた事あるか?」

「なんなんだあの二人は!?」

十分位待つと受付女が戻って来たよ

「ギルマスより規定は一本一階級と書いてあるので規定の解釈を検討した結果二階級になりました過去に事例がないと仰天されておりましたが」

”じゃあ銀からスタートなの?”

「はい過去に事例のない事ですが」

かなり手間が省けてたすかったね


「では申込書を代筆しますので質問にお答えをお願いします」

「はい」

「御二人のお名前をお願いします」

”私は彩美”

「七海です」

「彩美さんに七海さんで属性は彩美さんが闇で七海さんが光で間違いないですか」

”はい”

「御出身の国は」

「北の果てにあるユリネス王国となります鎖国をしておりますので知ってる方はほとんどおりませんが」

おお!さっきからの時間で設定をきちんとしてた凄いよ七海

「確かに聞いた事無い国ですが北には小国も多く雪深いので交易とかも困難で鎖国されている国も多いですもんね」

おっけ!勝手に解釈すすめてくれたよ

「御身分は」

少し声を小さくしてリアリティー演出ね

”私がユリネス第一王位継承皇女で・・・隠れて隣国の第二王位継承皇女の七海と付き合っていたのがバレて・・・大騒ぎになって”

「勝手に私達で私が彩美に嫁入儀をして無理やり認めさせようとしたら強制的に別れさすために両国で戦争になりそうになったので」

”王位継承権を捨てる宣言を二人でして出奔してきたんだよ”

小声で進む話に受付女は目がキラキラだよ

「ロマンスな世界ですね」

”今回は身分を詐称したくないのでお伝えしましたが内密でお願いをいたします”

「この状況ですと身分の詳細はギルマスには伝える必要がありますが書類上は流れ者である定職なしにしておきますね」

「ありがとう」


「この書類は魔法力パターン記録術が施されておりますので各々の申込所に魔力を込めて魔法力パターンの登録をお願いします必要時本人確認に御利用をさせて頂きます」

二人は各々の書類に手を置き魔力を込めると・・・申込書が燃えたあああ!

「うわ!送られた魔力に書類の術が耐えられなくて燃えるとかあ!!」

”すいません”

「う~ん魔剣二本持ちは伊達ではない証拠ですね」

再度書類を書き直してくれたので特に魔力を込めずに平常時発散される微量で登録を試みるよ

申込書が一瞬光ったので登録完了かな?

「登録完了です」

受付女が銀コインを取り出すと申込書の上に置く

コインが一瞬光る

「コインが完成しましたのでお渡しいたします」

コインを受け取ると裏面に多分名前と思われる刻印がされている

「紛失に関して再発行をいたしますが再発行で紛失したコインは消滅しますので絶対に虚偽の紛失届はしないでくださいね」

「はい」

七海と私は帯のお臍あたりにベルトのバックルな位置にコインを押し付ける

コインは生地と一体化して私達が銀級であることが見た目でわかるようになる

あっこれ固定術で一体化してるだけなので必要な時は簡単に取り外せるよ


「私はギルドの受付と新人指導なんかもしてますミナイです御二人の担当になりますので何かあったらいつでもお声掛けくださいね」

”ありがとう”

「さっそく依頼を何かやりますか?」

「今日は夕方から野暮用が入ってるので明日に改めて来るね」

「はい!お待ちしておりますね」

”今後よろしくです!”


カウンターを離れギルドを出るとジルが待っていたよ

「おお!銀級スタートとは凄い!」

”なんか魔剣二本持ちボーナスとかで”

「魔剣二本持ちとか聞いた事ないからね」

立ち話も何なんで近所のカフェに行くことになったよ


ギルド近くのオープンカフェって冒険者ばっかで皆んな酒飲んでるね

「ビールは飲めるかい?」

”二人とも大好きです!”

ジルが注文をしてくれて大ジョッキサイズの木樽風なジョッキがすぐに持ってこられたよ

ジルが支払いをしている

あっキャッシュオン方式なんだね

「一杯目は無事冒険者登録完了の祝杯で驕りだ飲んでくれ」

「「乾杯」」

やばい七海も私も一息で飲んでしまったあ!と思ったらジルも一息で飲んでたよ

”じゃ二杯目はお手伝い頂いた感謝で私が”

多重空間から巾着を取り出すのを見てジルが

「おいおい空間魔法まで使えるとか実力は魔力だけでも最低でも水晶級かい」

「そうなんですか何せ辺境育ちで何もわからず」

「こりゃすぐに私は抜かされそうだな」


何杯か交互に驕り合いながら杯が進む

ってぇ

”ジルさん時計持ってます?”

懐中時計を取り出し時間を確認するジル

「あるよ今は十六時半だね」

”よかったあ”

「なんかあるのか?」

”十八時から人と会う約束があったけど携帯できる魔時計は私達の国になかったので持ってなくて”

「じゃあ時間の余裕はあるのでもう少し話をしたらショップも案内するよ」

”ありがとうジルさん”


「”さん”は無しで行こうよ何か距離感感じて寂しいからさ」

”うんジル”

「よろしくな彩美そして七海」

「こちらこそ」


「ジルは私達になんでここまで?」

「なんか娘の影を見たから」

”ジルってお母さんだったんだ!”

「私が出産後に覚醒してさ生活を楽にしたくて冒険者になったまではいいんだ」

なんか重そうだけど聞くしかないね

「運よくソコソコ稼げて溜め込んでいたら依頼のために家を空けてる時だよ溜め込んだ金目当ての盗賊に家を襲われ死んじゃった・・・冒険者を夢見る八歳だったのに十年以上前だけどね」

「ゴメンつらい事を聞いて」

「いや気にしないで困ってる二人を見つけた時にもし娘が生きてたら二人ぐらいで冒険者になって一緒になんて思ってさ」

「そうだったんですね」

母娘で一緒に冒険者生活を楽しみにしていたんだね


「まあさぁそんなの関係なく一緒に杯を傾けたら楽しくて・・・よかったら友達になってくれないかな」

”あったりまえじゃん!楽しく一緒に杯を傾けたら友だよ!”

「そうだよ!」

「本当に皇女を捨ててでも愛の為に駆け落ちして生きて行く覚悟が出来るほど仲も愛も凄いんだな二人は」

”あっ”

「すまない私の覚醒ベーススキルに地獄耳があって聞く気が無くてもなんだよ」

わかってたよ気にしてなかったからさ

「あっ気にしないで・・・こっちもネタばらしね彩美は鑑定スキルMAXだからジルに聞こえてもで話していたってことだしね」

七海!流石に夜の王女!会話の流れを作るのに浮世も現生も女王だよ上手すぎて惚れ直すよお

「はは最初からお互いにポンの馬鹿し合いだったか!」

ポン?あっタヌキに似た動物かな


何杯か杯を重ねながらジルが闇の国の城下町の説明をしてくれたよ

ほとんどは知っている事だったけど心意気が嬉しいのと街に到着したばかり演ずるのに楽しく聞かせてもらったよ

ジルが懐中時計を取り出し時間を確認する

「十七時か人と会う場所はボルケーノだったよね」

”はい”

「じゃあ雑貨屋の近くだから時間はあるから案内するよ」

「ありがとうございます」


雑貨屋はメインストリートを冒険者ギルドから黒泉館と逆に二ブロック先だね

ボルケーノはさらに一ブロック先なので買い物時間を考えても余裕だね

雑貨屋は設定通りで店に入ると左右と中央に腰高ガラスのショーケースがあって色々なアイテムが展示されてるね

ショーケースの商品には価格と説明が書いてあるけど当然読めません

店の一番奥にはカウンターがあって初老の女性が居るね

「持ち運べる魔時計だとこのコーナーかな」

ジルが示してくれたショーケースを見る

腕時計タイプと懐中時計タイプが何種類ずつかあるね

腕時計タイプは魔剣バングルと干渉するので懐中時計タイプだね

装飾のないシンプルな黄銅製から宝石とか彫刻で装飾された銀と金製があるよ

「もっと高級なのは言えば見せてくれるよ」

”この一番シンプルなのでいいかな時間が分かればいいだけだしね”

「えっと値段が読めなくて」

「ああすまん気が回らなくて一万Gだね銀級だと十%オフにこの店はなるよ」

十万円かあ魔時計は部品に特別な鉱石を使うから最低でもこの金額はしょうがないね

”これでいいかな七海”

「彩美とお揃なら何でも」

「まったく仲が本当にいいんだね」


懐中魔時計と手の平サイズのポーチを二個買ったよ

手の平サイズだけど空間拡張術が施されているので内容量は大き目の背嚢(リュックサック)と同じ位の収納量があるよ

魔時計を手の平に乗せると一秒くらいで一瞬光る

「ほへ~充魔が一瞬とか恐ろしいレベルの魔力だね二人とも」

あえてチートは隠さないよ私達は特別な存在と世間に認知させるための冒険者活動だからね


ボルケーノの前までジルは送ってくれたよ

「もし明日の初クエストよかったら一緒出来ないかな」

「本当ですか助かります!よろしくお願いいたします」

「二人なら金級依頼でも余裕だと思うから早く階級を上げるには手早くなるかなって」

パーティーで依頼を受ける場合はメンバーの中で一番高い階級依頼まで受けれるんだよね

「二人は金とか名誉でなく何か理由があって上位を目指してる感じがしたんでね」

”正解!理由はまだ話せないけど”

ジルは私の物語には出てこないキャラだけど今まで一緒にいて信頼できると感じたからね

「私達は黒泉館に身を寄せていますので」

「私の家は城下町から少し離れた農業地帯だから今度案内するね」

明日は十時に黒泉館にジルが迎えに来てくれる約束をしてジルは去っていったよ


左手を閉じ開くと懐中時計が現れる

多重空間なんで層を変えていくつか収納できる便利魔法だね

十七時五十五分

いい時間だね


ボルケーノは火山をイメージしているので店外装も炎が壁一面に描かれているのですぐにわかるよ

ジルから完全に見えなくなったので建物の裏に周るよ

裏口の扉をノックするとすぐに扉が開き招き入れられる

真赤な長袖ロングワンピースに赤色に染色された革コルセットをした赤髪ショートボブで幼さ残る女性から確認される

「彩美様と七海様ですね」

うなずくと扉横にある階段で二階に案内される


二階は店内からも来れるけど密会時等は裏口から案内されるよ

個室が何部屋かあり個室は防音処理がしっかりされ地獄耳スキルとかの魔法に対する対魔処理もされてるよ

王族が王宮の内密な相談をする会食に使う事も多いからね

案内の女性は名前は決めてないけどVIP専用のウエイトレスね口が堅くて決して来た客や見たり聞こえた内容を絶対誰にも話さないよ

裏口の階段から一番近い扉を案内してくれた女性がノックし開ける


「お待ちしておりました」

四人掛けのテーブル奥には既にミカエルが待っていた

”お招きありがとうございます”

二人で一礼をすると促されてミカエルの向かいに着席する

テーブルには既に乾杯用の赤ワインボトルとグラスが準備されており専用ウエイトレスがグラスにワインを注いで部屋を出る

「まずは乾杯で」

軽くグラスを傾け乾杯をして一口飲む

状況が分かるまでは大酒飲みの本性は控えとかないとね


「お会い出来まして嬉しいです創造主様」

”うーんと創造主とか堅いのなしでお願いねミカエル”

「彩美に七海でね!様もいらないよ」

「御指示とあれば」

”ミカエルね物語は私の手を離れ独自の道を歩いてるの”

「はい」

”だから今は貴方の上に立つ者でなく同じ世界に生きる仲間だから友達として見て欲しい・・・お願い”

「わかりました」

”よろしくね”


「状況は御二人が想像してる状況でおおよそ合ってると思います」

「それは」

「彩美がメネシスに来ていることは感覚で把握しておりましたが表に出てこないという事は何かしらの理由があると考え特に行動はとらずにおりました」

”やはり王族レベルになると感じちゃうか”

「一時的に彩美がガイアに戻られてる間にルシファーとお茶をする機会がありルシファーよりお話がありました」

”七海の魔法指導のお願いとか?”

「はい彩美が闇であれば七海は光の可能性が強い無敵チートを完璧にするために世界はそうすると」

”やっぱしルシファーは勘がいいなあ”

「それ以外にも当面はダブネス対策として将来はメネシスの安寧のため御二人が何を目指しているかの話と協力依頼でした」

”それを聞いてどう思った?”

「本国の姉達も絶対に賛同すると考え光の国としても現時点では私の一存となりますが全面バックアップを決めました」

”ありがとう”


コンコン

「失礼します」

押し車を押して専用スタッフが入って来る

料理が運ばれてくる

三十センチ位の平皿に野菜の種類は分からないけど白い粘度のあるドレッシングとクルトンそうシーザーサラダだね

ミカエルの皿を見るとドレッシングは真赤だよ

「前菜のサラダになります」

「御二人のは超辛さ控えめコースでお願いしてますのでご安心ください」

流石ルシファーちゃんと伝えてくれていたんだね

「あと酒も遠慮なく飲んでくださいね私も大好きですので」

「ありがとうございます」

さっそくグラスのワインを飲み干す

ミカエルも合わせて飲んでくれたよ

七海が全員のグラスにワインを注いでくれたよ


サラダは普通にシーザーサラダだね

ただ野菜は苦ぐみ強いのが多いねガイアでも品種改良で苦ぐみを無くして今の野菜だから中世ならしかたないというかアクセントでと考えるといい感じだよ

”今日はマナの台所でランチしたけどサンドイッチのグリーンチェリーで苦労したレベルでガイアと辛さに関しては味覚が違うみたいでね”

「これは本当に偶然なのですが副大使がランチに行ってたんですよマナの所へ」

”それは気が付かなかった”

「物語ではモブ扱いで何も外観を書かれておりませんでしたので普通かと」

「ウリエルの横に控える副大使だけだったもんね」

「で人間スピーカーのシチリアを上手く使ってるのとグリーンチェリーに悶え苦しむ二人をお見掛けしたと私に報告がありました」

”それで裏通りに”

「はい盗賊団が居たのは予想外でしたが今晩のディナーに御誘い出来ればと思いましてね」


次の料理が運ばれてきたよ

見た目はササミにトマトが微塵切りで入ってるソースう~んサルサソースかな

七海と私のサルサらしいソースは薄いピンクだけどミカエルのは真赤だね

「鶏ササミのサルサソース掛けです」

言葉に関しては意味が近いのは固有名詞でも置き換えされるので便利で助かってるよ

さっそく食べると丁度いいピリ辛で美味しいよ

「この辛さは丁度いい感じです」

「メネシスでは離乳食レベルの辛さですが僅かですが辛いのが苦手な人はいますので多くの店では辛いの苦手を伝えれば調整してくれるので大丈夫ですよ」

”う~ん前にここのLv1辛さのバーガー食べたら悶絶に汗まみれで美味しかったけど大事になったよ”

「ここのですとLv5位が平均ですからLv1でそれですと本当に気を付けてくださいね」

これマジで気を付けないとヤバいね


料理は続き

ピリ辛オリーブオイルを掛けたサンマに似た焼き魚

これは見た目は同じだったけど興味からミカエルのオイルをほんの少し舐めさせてもらったらワイン三杯を口内の鎮火に必要としたよ

七海も興味あったけど私の反応を見て敵前逃亡を決めたとか

「魚の風味を立てる為にかなり抑えめな辛さですよ」

には本当に身の危険を感じたよ


献立の組み立てはガイアに似てるね

まあ私がガイアのフランス料理コースを真似て描写をした事が何回かあるからかな

スープは何種類かの大豆サイズ豆が入ったトマトスープだね

メインは炭焼きハンバーグだよ焼いたポテトと人参に似た野菜が添えられているね

乗せられたチーズがいい具合に溶けてるけどソースが真赤で大丈夫か不安だよ

食べてみると赤はトマトをかなり煮詰めた色だったので安心

炭焼きの香ばしさと溶けたチーズにトマトソースの最高なマリアージュはボルケーノが闇の国城下でNO1飯屋とも言われてるのを物語ってるね


会話の方は近日に黒泉館の部屋にミカエルが来て七海の魔法講習と本国に送った私に関する密書の回答で今後方針を決める事になったよ

少しずつ打ち解けてきたミカエルからは七海との話を聞かれたりと皇女から普通の見た目通りの女子になっていたよ


デザートは苺に似た色と味をしたシャーベットとコーヒーだね

アイスとか氷は水属性魔法の凍結を使って作る事が出来るんだよ

少し上級な水属性魔法師になると数日は効果継続のある凍結を使えるのでガイアでも昔に使われていた氷冷蔵庫が一般的に使われているよ

砂糖とか使わないでフルーツの甘みだけのシャーベットはサッパリでおいしかったね

ミカエルから部屋に来る日が決まったら連絡すると話があり散会したよ

先に私達が裏口から出て間を置いてミカエルが出る事で密会がバレないようにね


夜のメインストリートも賑やかだね

人気の飲食店では店前に椅子とテーブルが置かれて店内に入りきらない客が盛り上がってるよ

冒険者ギルドの前を通り過ぎようとしたら

「あっ彩美さんに七海さん!こんばんは」

ちょうど帰宅するミナイと出会ったよギルド職員制服でなく白の膝丈半袖ワンピースに黒コルセットと私服だね

「こんばんは」

”こんばんは”

「近日にギルマスが少しお話を直接したいとのことでお時間頂けますか」

明日の依頼に出発する前にお会いすることになったね


部屋に戻ると呼鈴でナターシャが来たのでお風呂に入るので米酒と着替えをお願いしたよ

風呂を上がったらルシーファーと女子会の準備もお願いしてね

着替えとタオルに関してはガイアに戻ってる間にクローゼットが部屋に据え付けられており収納してあると説明があったよ

酒の準備に一旦部屋を出るナターシャ

クローゼットの中を見るとタオルと膝丈半袖ゆったりワンピース形状の寝着に下着類だね

メネシスのブラはチューブタイプでパンツは貴族階級を除いてはカボチャパンツだけど収納されてるの一般的と違うね

ブラは特別に作ってくれたのかな?1/2カップのガイアではオーソドックスなノンワイヤーだよ

パンツは貴族階級のだねドレスを着る時にガーターベルトを使うのでガイアと同じ形状でシルク製だよ

おっ普段着兼の部屋着で白の膝丈ワンピースが長袖と半袖で準備されてるね簡単なお出かけ時に合わせるコルセットもあるね

「ブラは特注なのかな物語だとチューブトップだったけど」

”ブラの話はルシファーが興味深々だったので色々話たから特注で作ってくれたみたいだね”


酒と蔦で編まれたバスケットサイズの籠を持ってナターシャが戻って来たよ

籠をクローゼットの横に置き上に布を掛けて

「洗濯物はコチラに入れて置いて頂ければと」

”うん”

米酒の入ったデキャンタとグラスを新たに置かれていた湯舟横のローテーブルに置いて

「では呼鈴を頂きましたら女子会の準備を致しますね」

と部屋を出て行く


どうせ外から見えないからとクローゼット前で裸になる二人

タオルを持ってテラスの東屋に向かう途中で一服だよ

月明りで見る一糸纏わない七海に見惚れちゃうよ

美香の裸を見ても何も感じない今の私

でも七海の裸を見てると・・・

視線を感じた七海が

「どうした女の顔になってるよ」

思わず両手で顔を覆う私だよ

”だって七海が・・・”

優しく抱きしめてくれる七海

触れる肌が柔らかくてスベスベで気持ちいいよ

七海の温もりでアレな気分も落ち着いてきたね

「お楽しみはあとでね」

”うん”


体を洗い湯舟に並んで座ったら米酒で乾杯

「これは雑味が多いけど雑味も味になっていていいね」

米酒も気に入ってくれたみたいでよかった

この後もあるのであまりゆっくりは出来ないけど少しだけ月見酒を楽しんだよ

ふと何方からともなく唇を重ねお互いを楽しむ

充分堪能して自然に唇が離れる

「さてルシファーを待たせ過ぎてもだから」

体を拭いて部屋に戻り普段着をコルセット無しで着たよ


呼鈴を鳴らし少し待つとルシファーと押し車を押したナターシャが部屋に入って来る

ソファーのテーブルに新たな米酒のデキャンタとグラスに漬物の小皿をセッティングしてナターシャは部屋を出る

ソファーに掛け女子会が始まるよ

ルシファーが全員のグラスに酒を注ぎ

「「かんぱーい」」

「おっさっきのより辛口でいいね」

「やはり七海も辛口の方が好きですか?」

「覚醒前の出会った頃からほとんど味の趣味が彩美と一緒なんだよね」

「色々とお聞きしてる限り本当に運命の出会いですね」

”うん”


「私もそういう人と出会わないかな」

”えっサタンは!?”

「政略結婚だから愛は特にないし謁見とか娘の前では愛しき人に寄り添ってるを演じてるだけ」

”はい!?”

またも私の書いてない裏舞台でそんなことになってるんですか!!

「まあ私の邪魔をする訳でないし勝手に政治を動かすこともないし不祥事もなく国王というお飾りを演じてくれてるだけの存在だね」

「何て言うかナタリー旦那の件は聞いていたけど彩美の書いてない場所って結構凄いことになってるの多すぎだね」

「世界は彩美ほど優しくないってことだな」


その後はミカエルとの話とか冒険者ギルドで出会ったジルの話なんかをしたね

今日の話が終わったあたりで酒も尽きたので今晩は女子会を終えルシファーが戻る

「ナターシャにお酒をお持ちさせますが御希望ありますか?」

”じゃあ白酒で”

しばらくすると白酒をナターシャが届けてくれたよ


ソファーで並んで七海と乾杯

「うお!これは強い!でも美味しいね」

”私も最初は驚いたけど最近は虜だよ”

しばらく杯を重ねながら時々テラスで一服したり二人のメネシス初夜は過ぎて行く

そろそろデキャンタが空になるね

もう我慢しなくていいよね・・・


ソファーで七海にもたれかかり七海の顔を見上げていたら我慢できないよ

気が付いた七海が

「そろそろベッドに行こうか」

と私を御姫様抱っこでベッドへ

服を脱ぎ七海の手がアソコへ

軽く撫でられた瞬間に我慢できない伝えるよ

”今日は私をちゃんと傷物にして欲しいの”

「でも今更どうして」

お願いしたいことは伝わったよ正直な言葉を使って話すのは恥ずかし過ぎて

”きっちり七海を私の体に刻みたいから”

「わかった痛かったら絶対に無理はしないでね」

”うん”


行為の途中で何時もより私の中で激しく指を動かす七海

何かを見つけた瞬間に指を掛け引き裂かれた

”うっ・・・大丈夫続けてお願い”

痛みは伴うけど嬉しい気持ちが上回り快楽の沼が深くなっていくよ

その後も微睡の時は続き今晩最高の昇天を味わい余韻を体に残したまま意識が闇に落ちて行く・・・

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