第29話~久々の日常~

晩御飯は生魚が食べたい私の要望で大ガードの西口側飲み屋街にある「活きイカ屋」に決定

帰って来た記念日なので大衆居酒屋でなく特別な店との話も出たけど「普通」を久々に感じたかったんだ

産地直送の活きイカが店内にある生け簀から提供される都内に数店しかない珍しい店

生け簀から引き上げられすぐにお造りにされたイカは時間の経過で食感が変わるのが楽しいよ

この食感の変化は生け簀で活きてないと味わえないからね


美香が覚醒したのは間違いないね

微量だけど体から発散する魔力を感じる事が出来るしね

お店も決まったので

「じゃあ部屋戻って準備してくるから後でエントランスでね」

ちょっとまって気になってることを確認

”えっと美香ちゃんって今何処に住んでるの?”

「このマンションの四階だよ」

「ちょうど私の貸してた部屋が三月末で退去したんで美香に貸し出すことにしたんだよ」

そういえばマンションに独身用ワンルーム部屋持っていて家賃収入があるって聞いた事あったね


「パパとママから週末だけねーさんの店で働くオッケーが出たけど毎回ねーさんのお世話になるのもなんで引っ越しを考えていたんだよね」

「その話を聞いて御両親と相談をして貸すことにしたんだ」

「パパもママもねーさんと同じマンションなら安心って即オッケーでね」

”そうなんだって急展開だなあ”

「彩美ちゃんの展開に比べれば常識の範囲だと思うけどね」

”まあ私の展開は常識ではありえないから”

「ただ家賃と学費は出してくれるけど光熱費とか生活費は自分で捻出する約束だけどね」

”美香ちゃんだったら週末だけでも余裕でしょ”


「彩美の着替えとかあるから準備出来たら電話するよ」

「はーい」

美香が部屋を出て施錠して自分の部屋に帰って行く

”鍵もお互いに持ってるんだね”

「用事がある毎にインターホンで鍵を開けに玄関行くのも面倒だしね」

”そうだね美香は家族だもんね”

「今回の強制覚醒で永遠な家族になれたね」

”うん”

「まさか美香の要望を予想して方法を見つけてきてるとは予想もしなかったけどね」


服を準備するのに七海がスリーサイズを測ってくれた

「驚いたよ全て私とほぼ同じだよ」

元々身長も胸以外の体型も近くて足も同じサイズで服と靴は七海と共用出来てたけど

他の肩幅とか袖丈に股下も数ミリ誤差程度

手も合してみるとぴったりと同じサイズ

「元々男女の特徴以外は似てる体型だったけど完全に私の体と同じだなんて」

”七海って自分の体が気に入ってるでしょ”

「まあ気に入っているねナルシストかもしれないけど」

”だから七海の想いで女体化する時に同じ体型になったのかな元も近かいから結果は完全コピー状態にかな”

「なんか済まない」

”えっ大好きな七海と同じなんて凄くうれしいよ大好きな人と同じだなんて最高だよ”

今までと違い下着も共有とか

「便利でいいね」

と七海はなんかノリノリなんですが


七海が用意してくれた服はああああ!

白の長袖のハイネックのニットかと思ったらぁ胸元に横向きのスリットが入り胸の上半分が丸見えで谷間が強調されている

これは通称「童貞を殺す服」ではないですか!?

”七海これは!?”

「私が眺めたいからね」

”はーい”

このモードになった七海は絶対に変更を認めてくれません

合わすのは膝上の黒タイトスカートと黒のジャケット

胸スリットのインパクトと対照的に全体は抑えめに纏めるとか完全に狙ってるとしかね

メイクは二人お揃いで七海の出勤用で大人感だよ

準備が終わると膝丈でヒールが十センチくらいのボルドーロングブーツを用意してくれたよ


七海は同じコーデだけどスカートとジャケットが赤色で少し派手な感じで黒のロングブーツだね

準備が出来たので美香に連絡を入れマンションのエントランスへ

四階で美香が乗り込んできたので合流完了

”なんか少し顔青いけど無理してない?”

「体が怠いのは気合でどうにか何だけどお腹が空き過ぎて」

覚醒で使った体力を回復するのにエネルギーを大量消費中だね


タクシーに乗り大ガードのお店へは少し渋滞してたので十分位で到着

お店の二階は電子タバコならオッケーなので二階席を予約しておいたよ

まずはビールを頼んで乾杯

最初の注文は刺身盛り合わせと旬の活アオリイカ姿造り本日の最大サイズだね

七海と美香は大ライスもですね

旬より少し早いけど生牡蠣もあったので十五個頼んだよ

あとナメロウに塩辛と金目鯛の煮付けかな


本当に生の魚貝類に飢えてんだよね

嫌いな人もいると思うけどやっぱし日本人だなって感じたよ

届く料理を食べながら二杯目から日本酒へ

ここは色々な日本酒があってオリジナル日本酒もあるので特にブランドを絞らずに色々楽しむよ

やっぱし米酒もいいけど純米大吟醸とかの澄んだ味と香りの鮮やかさはないので日本酒には敵わないよね


七海と私が並んで座る向かいの美香が

「うーん似てるを通り越して双子だね」

”もともと男女の体型差を除けば体型も近かったけどサイズがどこも誤差範囲とかだったしね”

「顔も少し脂肪が付いて丸みが出たら見分けが付かないレベルでそっくりだよ」

「でも美香は見分けてる感じがするが」

「何て言うか表情とか動きが微妙に違うから見分けは簡単だよ」

「”ねーさんが二人でねーさんとねーさんが”くらい美香でも初見は見分け出来ないか対策は考えないとお店で混乱出るかな」

「あれは本当に間が悪くて申し訳なかったよ」

”今日は同じメイクにしてみたけど前と同じでメイクを変えれば大丈夫だと思うよ”


活アオリイカ姿造りが届いたよ

開いた姿に綺麗に並べられた透き通る身と切り分けられてもピクピク動いてる足

まずは足を醤油に入れると醤油の刺激でグニグニ動きまわるんだよ

コレを口に入れると吸盤で口の中に張り付いたりするのを噛み締めるとコリって食感と濃い甘みが沁み出て来るだ

〆たばかりのコリコリ身は塩で食べた方が甘みを強く感じて好みだよ

美味しいので一気に食べたいけど半分食べたら十分位待つよ

その間に他の料理を食べるよ

生牡蠣も最高だし煮付けもいいねえ

市場に買い出し行けるようになるから白岩貝を買って生で食べるのもありかな


十分位たったので残り半身を食べるよ

さっきまで透明で下が透けていた身が綺麗な白色に変化してるんだ

味は同じだけど食感がコリコリから柔らかくなって変化が楽しいよ

名物の魚チャーハンとアラ汁で〆たらお腹いっぱいだよ

二人は少し足りないってイカ墨チャーハンを追加で食べたけどね


今日は美香もそろそろ限界だと思うので直行でタクシー帰宅

帰宅したらお風呂の準備

ジャックを飲みながらお風呂が沸くのを待つよ

「美香はメネシスに行くのはいいが当面は長期休暇とかで彩美の高校と同じで大学は卒業しないと駄目だからね」

「うん大学卒業までにパパとママにはきちんと話をするよ実際に魔法が使えるところを見せれば納得してくれると思うしね」

「そこはもう少し考えてからだね」

ーお風呂が沸きましたー

「じゃあ私は帰るね」

”光熱費もったいないから七海と先に一緒に入って行きなよ”

なんか目が光り出す二人

「じゃあ彩美ちゃんも一緒だね」

「うちの風呂なら三人でも余裕で入れるしね」

ちょとちょと地雷踏み抜いて自爆したあ


美香ならこうなること想像出来たはずなのに勘が鈍っていたよ

”駄目だよ嫁入り前の女性と一緒に入るなんて”

「なんでえ」

”だって私はおと・・・あっ女になってました”

「じゃあ問題ないね」

”その体が女でも心がぁ~”

七海と美香に片手ずつ引っ張られて洗面室へ

もう年貢を納めるしかないですね


スルスルと服を脱いで行く二人

あっと言う間に一糸纏わない姿になる

七海の裸は問題ないよ常に欲情してる訳ではないから私だって

覚悟を決めて視線を横にずらして美香を見る

あれ?凄く綺麗でプロポーションも抜群で見てるのが楽しいよ

でもそれ以上の感情が湧かないよ

なんか男の肉体だった時にあった男を象る大きな感情なのか感覚が欠落しているのだけはわかるよ


「美香ちゃんのスーパーボディーを見ても平常心ってことは心もきちんと女の子になったのかな」

そうか肉体もだけど脳も女体化して再構成され基本的な本能が女性化された可能性は大きいよね

でも七海へはきちんと感じる欲望ってことは難しく考えないよ愛の力って凄いねでいいよね

”とっても綺麗だよ見惚れちゃうよ”

「ちゃんと女の子になったんだね少し寂しいけど私の最高な男だった彩美は私の中に今の彩美は七海と一緒にで一つの区切りと永遠の刻を過ごす糧をもらったよ」

「ふふ言ったろ彩美はちゃんと答えてくれるって」

なんか私の知らない所で色々なんかだけど今はいいよ他人から見たら不思議な関係の三人だと思うけど私達はその関係が幸せなんだから

「さあ風邪ひく前に風呂に入ろう」


風呂の中はこれが女子では普通なのか!?経験値がありませんので分かりません

洗いっこしよう!とかで美香に「おっ巨乳だね」とか胸をもまれたり「私の胸も洗ってよ」とか強制的に触る事になるとか

まあ本当に柔らかくて触り心地が気持ちいとか肌がスベスベだねしか感じなくなってる心が寂しく感じるけど「あっ私は本当に女になれた」って喜びも絶大だったけど

三人で浸かっても苦しくない湯舟のサイズはすごいなぁなんて思いながら暖まってるよ

”このガイアにいる二週間で二人には基本的な魔法を使えるようになってもらうよ”

「私が魔法を使うのか今日の昼までは夢でしかなかったよ」

「しかし私と美香は属性も魔力の強さもわからず新宿で練習するのは危なくないか」

”まあそこは色々あるのでマジックの種は少しずつね”

そのやっぱし私はチートなんだよ二人の力は見えてるしね

私に見えるレベルって言っても十分チートな二人だけど


風呂上がりには美香はさらに元気度がアップしていたよ

なんか過去の事例で見たレベルのない驚愕の回復力だよ

多分だけどここもチート発動だけど三人全員が無敵チートって偏りすぎてる気がね

「明日は土曜か明日を乗り切れば彩美で一日中遊べる日曜日だな美香」

「そうだねぇ」

明日は土曜日だったんだメネシスでは週七日の感覚はあっても曜日は無いので失念してたね

世界の玩具は回避したけど二人の玩具は永遠の人生で抜けるのは無理だね


三人でジャック一本を開けて美香は

「じゃあ流石に体力無理で眠いので帰るね」

って自分の部屋に帰っていったよ

ソファーで改めて七海とジャックで乾杯

「その何だな帰って来て色々大変な一日でお疲れ様」

”想定はしてたよ私の心が女になってた以外は”

「女の心になった彩美は私をどう思うのかな?」


”それ聞く!?”

「答えは分かっていても確証は欲しい時がある」

”じゃ言うよ!愛してる!ずーと一緒にいたい!寄り添っていたい!そして・・・七海が欲しい七海に食べてもらいたい・・・七海が言ってくれた通り性別は関係ないの七海と言う人を愛してるのだから”

「じゃあ頂きます!」

少し照れ隠しで私を見つめる七海の顔をみた瞬間に今は分かる七海を欲する気持ちが爆発する

七海に御姫様抱っこをされベッドに運ばれる

ってぇ私そんなに軽かった!?

心の声が聞こえてるよ

「部位強化は便利だね」

まさか独学でそこまで魔導士の逸材だよ七海


その・・・凄かったとしか言えないよ

女の体同士でどうなるか挿入という行為が出来ない状態でどうなるのか

男として普通に七海を抱いた経験しかない私には想像が出来なかったよ

指と舌にお互いのアソコ同士を・・・

お互いの体力の限界まで果てることのない時間

出すと言う区切りがない絶頂から繰り返す絶頂

まだ頭がボーっとして体は快楽の余韻で軽い痙攣が止まらないよ

私のすぐ隣で同じように余韻に体を任せ満たされた笑顔で七海が私を見てるよ


七海が私を抱きしめる

余韻で敏感になってる体がビックとなり触れる七海の肌感覚だけで軽い快感を生み出す

「ふふ美味しく頂きました」

私も七海を強く抱きしめる

七海の温もりと余韻に身を任せ・・・意識が・・・闇に落ちて行く


温かくて気持ちよいな

まだ頭の芯に残る余韻で少しボーっとした頭が時間の経過に伴い少しずつはっきりしてくる

胸に感じる感覚は七海の頭だね

抱きかかえた状態で寝てたみたいだね

私が起きたのに合わせて七海も起きたみたいだね

「おはよう」

”おはよう”

まだ甘さがの残る声で挨拶をする二人だよ


抱いていた腕をほどくと

「さあシャワー浴びようか」

そうだね綺麗な表現じゃないけど体中がベトベトかカピカピだよ

ベッドから立ち上がろうとしたら足に力が入らない

倒れそうになるのを七海が支えてくれる

「ちょっと初回からやり過ぎちゃったかな」


七海に支えられてシャワーを浴びる

シャワーが終わる頃には足にも力が入るようになってきたよ

髪を乾かしてタンクトップに短パンの部屋着を着てテラスへ

一服が異常に体に沁みるよ

七海がもたれ掛かって来たよ

「お昼どうする?」

時間は十三時少し過ぎたくらい

中途半端な時間だね

”お店の行きに何処か寄っていこうか”

「そうだね彩美を食べ過ぎて胃がまだ動いてないしね」

さらっと混ぜてきたよお


美香が恐る恐るリビングに入って来たよ

テラスにいる私達を見付けてテラスに来たね

「また間が悪かったらって」

”気にしないでよお”

美香も紫煙を巡らす

”さて始めようか”


右手を上に伸ばし平を上に向ける

”魔法物理結界”

テラスを囲むように薄い紫色のガラスみたいな幅一メートル位の六角形が組み合わさって覆われていく

「えっなんか囲まれたよ」

「これが結界なのか」

おっ見えてるね

結界の意味と見える意味を説明する

「ってことは彩美にかなり近いレベルで私達は魔力があるということなのか」

”そう感覚的に八十%以上はあるかな御都合主義の無敵チートは二人にも発揮されてよかったよ”


さて的をどうするかな

「練習の的を探してるかな?」

流石だね

「部屋に戻るからちょっと待ってて」

”結界解除”


七海が部屋からダンボールと電動空気入れを持って来る

箱から肌色のビニールの塊を一つ取り出すと空気を入れる

”エアダッチワイフ!?”

「うん収納時はコンパクトで安いから練習に最適かと買っておいたよ」

”まったく読みが凄すぎて驚くばかりだよ”


的をテラス一番奥の明治通り側に持って行く

ダッチワイフに手の平を向けて

”物質変換石化”

色が御影石に近い色になるダッチワイフ

三体全てに石化を行う

”金乃剣よ”

手に現れた剣で石化したダッチワイフの足裏を一撫でして平らにする

接地面が平らにり石化で重量が出たのでなんとか自立出来るね

テラスの入り口に立つ二人の元に戻る


「ほえ~石化とかバングルが剣になるとか本当に剣と魔法の世界だよ」

”二人もすぐに出来るようになるよ”

再度結界を張り準備完了

七海が的を準備していてくれたので助かったね


”まずは見本だね”

右手の平を上に向ける

”手の平に火をイメージするよ火と言っても炎のイメージがいいかな”

手の平に黒と紫に青を混ぜたような色の炎が1m位立ち上がる

”込める魔力は出来るだけ少なく”

炎の柱が十cm位の球形になり手の平の十cm上くらに落ち着く

”発動後に私は自然に発生し放出される微量な魔力だけで意識して魔力を入れないとこの状態になるよ”

球の中では黒と紫に青を混ぜたような色の炎が渦巻いてる

”鬼火って魔法ね属性で呼び名と標的に当たった後の反応は違うけど出し方は同じだから”

石化した的の一体に投げる

命中した的は当たった場所を中心に的が外に向かって消えていく


「消えちゃった!?」

”闇の炎に焼かれて消滅したよ”

「燃えカスも残らないとかなんだ」

”じゃ七海から”


七海が右手を前に伸ばし手の平を上に向けて集中してる

突然だった金色の炎が立ち上がり結界の天井部分でバチバチいってるよ

”もっと魔力を弱めて”

「コントロールが難しいな」

少しずつ炎が短くなり1m位で落ち着く

”じゃあ魔力を込めるのをやめてみて”

炎の柱が十cm位の金色の球形になり手の平の十cm上くらに落ち着く

”じゃ的に投げてみてボールを投げるイメージだよ球筋のコントロールは魔力なので当てたい的を念じれば止まってる的なら外れる事はないよ”

七海が的に投げる

命中した的は全体が金色に輝き砂粒が吹き飛ぶようにバラバラ散り消えて行く


”輝玉・・・七海は光属性だったんだね”

「彩美が闇で私が光とか逆の方が似合ってる感じだけどね」

「ねーさん凄い!」

「美香も一緒にオリジナル物語を繰り返し読んでるから簡単だよ」

「やってみる」


美香が右手を前に伸ばし手の平を上に向けて集中する

金色の炎が二メートルくらい立ち上がる

やっぱし光属性だね双子の核だから属性も双子と思っていたよ

「うう小さくするのが」

”魔力を抜いて・・・集中するのをやめて”

炎の柱が十cm位の金色の球形になり手の平の十cm上くらに落ち着く

美香が残っていた的に投げつけると的は金色に光り無散する


”結界解除”

三人で一服

「マジで私も魔法使いになったんだあ!」

「なるほど結界を使えば新宿のど真ん中でも練習できるね」

”さらに結界に認識阻害を加えておいたから外からは何も見えてないよ”


一服を終えリビングのソファーで一休み

七海がコーヒーを淹れて持って来てくれたよ

落ち着くなあコーヒーの香りも味もガイアの方が格段に上なんだよね

七海が淹れてくれるコヒーはどんな喫茶店よりも美味しいしね

”光属性は闇属性に比べると攻撃のレパートリーは少ないけど加護とか防御系が多彩だね”

「彩美がアタッカーで美香と私はタンクな感じかな」

”そうだね闇属性はほとんどが攻撃系だからね”

「私は彩海ちゃんの核だからねーさんと双子属性なのかあ」


”問題は髪の色だなあ”

「髪の色ってなあに?」

”それは明日の朝に考えよう”

「ふふ思わせ振りとは珍しね」

”まあ少しメネシスで色々と鍛えられたのでね”


”光属性の魔法に関しては私も深くは詳しくないからガイアでは基礎とか共通魔法で魔力の使い方を覚えてメネシスでルシファーに教わるか必要に応じて光の国に行って本格訓練だね”

「さてそろそろ準備しないと御飯の時間がだな」

「じゃ用意してくるね!」

美香が自室に戻って行く


今日のドレスは七海が選んでくれたよ

黒のマキシロングのドレス

片肩はオフショルで胸が大きく開いて谷間強調で足も膝上までスリットの入ったかなりセクシー系だよ

七海は同じデザインで淡い金色に近いサテン生地

完全に属性を意識したなあ


ヌーブラは偽胸のボリュームアップにブラの中で使ったことはあるけどGカップにヌーブラは心元ないよ

って七海ってGカップもあったんだよね

「大丈夫だよ外れたことないから」

それは心強いといかないくらい外れた時の恐怖だね


メイクはドレスがかなりセクシーなので七海に手伝ってもらって少しいつものナチュラルをセクシーにしてもらったよ

アイシャドーとかチークをラメ系にしたりツケマを少しバサバサにとかでね

七海は定番のおねーさんメイク

髪をセットしてもらって完成

七海と並んで姿見で確認すると

「うーん色々とツッコミが入りそうで覚悟が必要だな」

”うん”


美香も準備を済ましてやってきたよ

薄いオレンジのオフショルマキシロングドレス

おやこれはやっぱし薄いオレンジで光沢サテン生地とか光を意識したかな

「二人とも色気凄すぎる!!」


今日は私が復活ってマキが信さんに連絡したら何があっても行く!ってアフター決まってるので食事は軽めでね

何処がいいって七海に聞かれ気分上々で日常感がいいなでお願いしたよ

タクシーで気分上々へ到着

久々のピンヒールで十センチは気を付けないとだね

店内に入ると

「あ彩美ちゃん?」

健坊の目が開ききってるよ

”お久しぶりです”

「いやや留学先で性転換したとは聞いていたけど驚いた」

”私もまだ慣れてなくて”

テーブル席に案内されると

”由香ちゃん!お久さ”

由香ちゃんは少しコスプレ風の服とネイルが大好きな綺麗系の私より少し年上のおねーさん

普段は調理場担当でフロアに居ないことが多いけど篠が休みの日はフロアー担当をやってるんだ

「お久さ!って凄いボリュームに圧倒されるよ」

”それがホルモン始めたら急成長して”

「えっ天然物なの!!」

”うん”

「この短期間で凄い!元々美人だったけど本当に純女と見分けつかないよ」

まあ純女になってしまっているのですが

「これでアソコ以外はメス入れてないとかの逸材だよ」

七海が上手くフォローしてくれたよ


すぐに酸っぱ濃い目のレモンサワーを持って来てくれたよ

「「かんぱーい」」

焼鳥は名物のレバーとハツモトから色々だね

久々の味に大感動だよ

〆は私は焼きおにぎりとスープのセットで七海と美香はこれも名物の親子丼を二人前ずつとか

どこが軽くだよね


十八時半になったのでお店へ

入口までくると懐かしさと帰って来た感が凄いよ

七海がドアをあけ入るのに続く

「皆おはよー」

「「おはよーございます」」

この空気感いいねえ


バッグをバックルームに仕舞ってオープン準備を手伝うよ

やっぱしヒソヒソと聞こえてくる

「誰アノ子?」

「彩美かな?」

「ママと来たからそうじゃない」

「その彩美ってママと来るって何者」

半分くらいキャストが入れ替わってるので知らない子がいっぱいだよ

まあこの業界では定着する子と流れて色々な店に行く子とか生き方も多彩だからね


「彩美ちゃんお久しぶり」

えっイメージがすっかり変わってるけど紗季だよね

”紗季ちゃん!お久さあ!”

白髪ボブから前髪ありの黒髪ロングで顎ピアスは無くなりメイクも清楚系になってるよ

”紗季ちゃんイメチェンしたんだね凄く落ち着いて御嬢様みたいだよ”

「彩美ちゃんが店離れた後に徳さんとか上田さんが彩美ちゃんのお気に入りの子って指名を入れてくれるようになったんだ」

”うれしいなあ”

「そこで色々勉強させてもらったの売れたいって思ってるなら自分の意地だけじゃ駄目なんだって」

”それでイメチェンなんだね”

「うん何が似合うか御客様に聞きながら試してたらコレに落ち着いて自分でも気に入いちゃったんだ」

”凄い似合ってるよ”


「彩美ちゃんも凄い性転換した話は聞いてたけど」

”運よく留学先の長期休暇で手術枠が取れたんだ”

嘘のストーリは何回も破綻しないよう練って復習してるよ

「おっぱい凄い!」

”なんかホルモン始めたら急成長して”

「この期間でホルモンだけなんてうらやましいくて嫉妬しちゃうよ五年でCカップな私」

”大きさじゃないよ紗季ちゃんはスレンダー系で綺麗だしね”

「ありがとう顔とかもノンメス?」

”アソコ以外はノンメスだよ”

「完全に純女にしか見えないね凄いよ」


「さあ朝礼を始めるよ」

マキの声が店内に響く

カウンター前で立つ七海の横にマキが移動する

スタッフとキャストがカウンター前に集まる

「ではママよろしく」

「今日から短期間だけど彩美が復活するので皆んなよろしく頼む」

それから少し近日に発生したトラブルの注意とかがあったよ

七海の店も多くのキチンとした店では指名替えを促す営業は禁止なんだけど移店してきた緩い店からの子とかは癖でやちゃったみたいだね

「では開店」

マキの声が響きドアが開けられる


さあ久々の浮世の夜がはじまるよ

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