宇宙人〜地球に宇宙船が舞い降りて宇宙人が出現〜
赤坂英二
第1話 宇宙人、降り立つ
地球を目指す謎の飛行物体――。それは、破滅か?
それは、地球の歴史を一転させてしまうほどの衝撃。
夜空の向こう、巨大な影が現れた。それは地球人が未だかつて見たことのない存在。
「人工衛星が未確認物体を宇宙で感知しました! 地球へ向かって進んでいます!」
「何! それは宇宙船か⁉」
「まだ分かりませんが、ただの小惑星とは思えない……というところです。ただの金属の塊ではないとはおもいます……」
数日後、解析の結果、はっきりと宇宙船であると発表され、地球はかつてないほど大騒ぎとなった。
国際機関では、宇宙船が着陸する前に迎撃してしまおうとする者、宇宙人との友好を信じる者、侵略を確信して絶望する者など様々な反応を見せた。
世間では初の宇宙人に会えるということで盛り上がる人、宇宙人を神として崇拝する人も出てきた。一方で絶望感から自暴自棄になり横暴なことをする人も出てきて、略奪、殺人など荒れる地域も出てきた。
宇宙船がさらに近づいてくると、状況は変わってきた。普段いがみ合う国同士、戦争、紛争に陥っている国、地域同士、お互いの共通した脅威のために、束の間の休息を取り決めた。
しかし、なんとある国は独断で迎撃体制を整えて群を動かし始め、射程距離圏になったらすぐさま撃ち落とすと勝手に言い出し始めた。
他国の大使がすぐさま止めに入った。
「直ちに攻撃態勢を解いてもらいたい。これについては議論で慎重に決めるべきだ」
「なぜだ? あれは危険だ、我が国を脅かす存在に決まっている!」
「もしミサイルの一発でも打ってみろ、我が国があんたの国にミサイルを撃ち込んでやる!」
そう言われると軍を準備した国は口ごもってしまった。
この時、皮肉にも地球上から初めて大きな争いごとが人間の歴史から消えた瞬間だった。
各国首脳同士で世界会議なるものが催され、かつてないほど宇宙船に対する対応が熱く議論された。
円卓に集まった各国代表者たち。
「間違いなく侵略の前兆だ! 今すぐ迎撃だ!」
軍事大国の代表は机を叩く。
「私も迎撃してしまうべきだと思うね」
「いや待て、宇宙を旅できるような技術力を持った相手だぞ? 攻撃すればどんな報復、反撃が来るか分かったもんじゃない。攻撃すべきじゃない!」
「奴らは侵略者かもしれんのだ!」
「交渉すべきだ! 余地はあるはずだ!」
各国の代表は激しく言い争い、会議室は混乱の渦に包まれた。
議論むなしく、答えは出せず、宇宙船が近づいてきてしまった。
空の彼方に、うっすらと見える巨大な影……。それは地球人が見たこともない存在との遭遇を表していた。
「いまこの距離で、攻撃したらこの星に多大なる被害を及ぼす。もはや世界は宇宙船の着陸を見守ることしかできない……」
「だからあの時撃墜してしまえば……」
全世界の人の間に絶望が広がっていった。
そして数日後、その絶望の具合をしっかりと確かめるかの如く、宇宙船はゆっくりと、驚くほどゆっくりと静かに地上に降り立った。
各国の持つ最新鋭の戦闘機などが宇宙船を取り囲んだ。
中からは三体の宇宙人が現れた。
外見はどれも似た様になっているが、大、中、小と大きさが異なっている。
見た人々は目を見開き彼らの姿に言葉を失った。
体は大きく、緑色の体色で少し湿っている。
顔つきは鋭い牙が特徴的であった。
地球人が「恐ろしい」と震えるにふさわしい外見であった。
宇宙人は地上に降り立ち、周囲を見回した。
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作者より
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