第36話 拠点建築

新しくシーサーペントのサルヴァントを仲間にしたことだし、ここに用はもうない。カリヨネッタに帰ろう。

いつもキジクジャクやヴァイに乗ってばっかだったし、たまにはマティスに乗って帰るか。


「グォ!」


マティスにカリヨネッタまで帰るよう頼んだ。てかなんかさっきから湖の方がチピチピチャパチャパうるさいな。何があったのかな?ちょっと見てみよう。


「うわー…」


キラーピラニアが仲間割れしてる…怖すぎるだろ。仲間にしようと思ったけど…これはちょっとやめておくか。



道中でヘルハウンドやワーウルフなどに絡まれたが難なくカリヨネッタに帰ってこれた。


「まあラミアと出くわしたときはちょっとやばかったけどな…」


ラミアは誘惑スキルを持つ魔物である。一度術中にかかれば完全に彼女の虜となってしまうのだ。まあ…


「女性陣でゴリ押したけどな」


「ッ」 「ゴシャー!」


ヒロイン(カメ)とヒロイン(ヘビ)がなんとかしてくれた。擬人化?なんですかね、それ。ははは。


「で、本題に入ろう」


しばらくアガスたちは帰ってこれないだろう。チハイザメ元出現区域の調査はかなり時間かかるだろうし。なんてったって…そこそこ前に討伐したクロツバサの方すらまだ調査は終わっていないのだ。


「まあ…あれはクロツバサの出現区域が広すぎるからってのはあるけど」


どちらにしろ、仲間たちが帰ってくるまで最低1週間はかかるだろう。


「じゃあ1週間春休みっていうのもあれだし…前から考えてたマイホームの制作でもやるか」


そう、拠点を作ろうではないか。一生宿の中で寝泊まりしてたまるかってんだ!



「他にもいい加減装備の新調とかしたいよなぁ。なぁ、オリオン」


「モヒィ」


ミスリル装備もだいぶボロボロになってきたからいい加減変えたいんだよね。アダマンタイト製の装備とか買いたいけどどこで売ってるんだろうか。


「とりあえずまずは拠点作りから始めよう」


最初にやるべきことは…



「この国の敷地に自分の拠点を作りたい?構いませんよ、そのくらいは」


みんなこの人のこと覚えてるだろうか。そう、カリヨネッタの宰相である。


「宰相殿の気遣いに感謝致します」


「いえいえ、そんな頭なんか下げなくても。それに、ミナト様が拠点を作っていただいた方がこちらとしてもいいので」


「?」


「あなたは【剣聖】ファルコ、【頂点賢者】ケイカと並ぶ強者として最近有名なんですよ。立派な拠点を作ってくださればその分近隣諸国に威圧をかけれるので」


もしかしてこの宰相、どっかの国と戦争になったら俺を大将として担ぎ込む気じゃないだろうな?????

てか俺が強者なんじゃなくて仲間が強いだけなんよ。多分俺とファルコさんでタイマンしたら一瞬でひき肉になっちゃうよ?


ま…まあ何はともあれ。拠点を作る許可もあっさり取れた!みんなで協力して自分だけの拠点作っちゃうぞー!!!



「なあ、立地どこがいいと思う?」

「ヒョロロー!」

「ガァ!」

「ニャ!」

「「「シャー」」」


すげぇ、見事に意見が分かれた。どーしよ…



「クェ!クェクェ!」

「キュー!キューーッ!」


「わかったわかった!ほらそこ、喧嘩するな!」



「これでいいかな?」

「ゴシャー?」

「!」

「ツクツ」


アオ、マレム、キジクジャクの3人天使すぎるだろ。他の奴らも見習え。



「ッ!!!」

「ゴァー!!!」

「アァ!」


問題児3人組…………


翌朝。

「うおおおおおやっと決まったああああ!!!」


あかん、場所取りだけで1日使ってしまった。サルヴァントすら余裕で入れそうなくらいデカい汽水湖も近くにあるし、サヴァルト村からもそんな遠くないし、何より景色もいいし。最高だね、ここは。全く関係ないが、サルヴァントとサヴァルト村って名前似すぎじゃないか?あとファルコとファルドも。俺のネーミングセンス?よ………まあそれはともかくだ!


「それでは各自、キビキビ働いてくれ!」


「「「シャー!!」」」

「ゴァー!」

「ファーwww」


おい。誰か今俺のこと煽ったか?



「べヒャァ!」

おお、これがベヒモスの鳴き声か。この三匹のベヒモスたちは俺の魔物ではなく、国から借りたものだ。いわば、派遣社員。


「ベヒモスは土木作業がめっぽう得意らしいからな。存分に働いておくれよ」


ベヒモスはアオの指示を聞き、せっせと働いている。ちなみに、アオの役割は監督だ。最初は俺がやろうとしたんだがアオがどうしてもと言ってたから。


ファルドの5本の首が意外な器用さを見せつけながら丁寧に家を作っている。首同士の連携プレーいいね!…いやまあファルドは前にも説明した通り真ん中の頭にしか自我はないんだけどな。他の頭は目とかがついた手みたいなもんなんだって。


バサやアルタイルたちが資材の輸送を担当してるんだ。へぇ…組み立てはメアリやオリオン、マレムとかがやってるんだな。


「ゴシャー!」


なんかアオが言ってる。なになに…あとは自分たちでやっておく、完成したら呼ぶからそれまではどっかで遊んでて欲しい、だって?


「ハードルめっちゃ上げてきたな!そこまで言うなら期待しちゃうよ!?」



拠点の完成がめちゃくちゃ楽しみになってきた。とりあえず拠点完成まで街の方にでも行ってぶらぶらしようかな。

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