破れたポケット(昭和の恋①)

進藤 進

あの頃の僕は

とても。

貧乏で。


仕送りのお金をおろそうと。

ATMにカードを差し込んでも。


残高。

ゼロ。


そんな時が多かったです。


勿論。

両親が懸命に働いて。


毎月。

送金していてくれました。


でも。

約束の日からは遅れることが多かったです。


だから。

僕はいっぱい、アルバイトをしていました。


でも。

仕送りだけでは。


課題用の模型材料や。

部活していた山登りの費用が高くて。


いつも、いつも。

お金が不足していました。


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