第4話 計画の立案(干ばつの原因を探る)

カイラとエリナは、村の長老のもとへと向かった。長老はこの地域の歴史と伝統を熟知しており、干ばつの原因についても何か手がかりを持っていると期待されていた。彼の家は、村の中心にあり、古い木材と石でできた壁が、長い間の風雨に耐えてきたことを物語っていた。


長老は、彼らを温かく迎え入れた。彼の深いしわが刻まれた顔には、過去の苦難を乗り越えた強さと、未来への懸念が同居しているように見えた。部屋に入ると、カイラとエリナは床に座り、長老の話に耳を傾けた。


長老は、かつてこの地域も豊かな土地であったと語り始めた。しかし、約30年前から、雨が降らなくなり、それ以来、人々は水不足に苦しめられてきた。彼は天候の変動が自然の摂理によるものか、それとも他の力が働いているのか、確信が持てないでいる。


「私たちの先祖は、干ばつを終わらせるために、ある儀式を行っていました。」長老は深く息を吸い、話を続けた。「それは、火属性の魔法を持つ若い娘を生贄として、山に捧げる儀式です。この儀式が行われた数日後には、まるで神の恵みのように雨が降り始めたとされています。」


カイラはその話を聞き、心が重くなった。科学的な観点から見れば、単なる偶然かもしれないが、この伝統が長年にわたって受け継がれてきた理由があるのかもしれない。しかし、彼女はこの儀式がもたらす悲しみと犠牲に心を痛めた。


エリナもまた、この話に動揺を隠せなかった。彼女自身が火属性の魔法を持っており、もしかしたら次に選ばれるかもしれないという恐れがあったからだ。


カイラは長老に問いかけた。「長老、その儀式以外に、干ばつの原因を探る方法はないのでしょうか? 私たちには魔法の力があります。何か他の方法で、この問題を解決できないかと思っています。」


長老はしばらくの間、沈黙した後、ゆっくりと頷いた。「確かに、あなたたちの力を使えば、新しい道が開けるかもしれません。しかし、それには多くの困難が伴うでしょう。そして、最も大きな困難は、山に隠された秘密を解き明かすことです。」


この言葉を聞いて、カイラとエリナは互いに視線を交わし、新たな挑戦に立ち向かう決意を固めた。山に隠された秘密を解き明かし、この干ばつに苦しむ村を救うための第一歩を踏み出す時が来たのだと感じた。


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