2023/12/25
──敵を知り己を知れば百戦
ということわざをご存知だろうか?
このことわざの意味は、敵と己の両者を知ることで百戦練磨となり、幾たびの戦場を越えて不敗。
ただ一度の敗走もなく、ただ一度の勝利もなし。
つまりこの体は無限の剣で出来ていたという意味である。
……はい。正直意味全然知らない。”敵を”と打ったら予測変換にそれっぽいのが出てきたので使ってみた。
きっと意味は読んで字の如く、敵と自分自身を知ることが大事、みたいな感じなんだろう。
適当にルビを振ったけど、あやうからずっていう読みであってることを願う。
──今回の敵は過去の俺。
つまり、この戦いは自分自身を知ることが大事なんだと言っているわけだ。
なるほど、たしかに言い得て妙だ。
──俺はかつて、あのなろうでコメディ月間ランキングの頂点に到達した男。
そんな己を深く知ることで、今回のカクヨムでの戦いにて勝利を収めることができる──
──ところがどっこい。
そう簡単に上手くは行かない事はわかっている。
そんな肩書をぶら下げたところでカクヨムでは何のプラスにはならない。
むしろ先程の鼻につく発言で好感度を下げたからマイナスまである。
……久々にカクヨムを見ていて俺は気づいたことがある。
それは、俺が活動していた頃に比べて──キャッチコピーでなろうでの実績を誇る作品が全然ないということだ。
昔はよく、
【なろうで月間1位】
【なろうで100万PV】
みたいな文言がキャッチコピーでよく飛び交っていた記憶がある。
当時はカクヨムができて日も浅く、なろうからの輸入作品が多かったからというのももちろんあるだろうけど、それにしても見なくなったなあ……。
なろうで人気でもカクヨムではさっぱり……なんてことはよくあるんだろう。
かつての俺もその口だ。もちろんのその逆もしかりだろう。
かつての俺に打ち勝つためには──此度の戦いの場であるカクヨムを理解するところから始めよう。
なろうとの違いで特筆すべき点は……やはりキャッチコピーだろうか。
カクヨムではタイトルとキャッチコピーが必ずセットで表示される。
キャッチコピーの方が上に表示され、更に色がついているのでタイトルよりも目立っている。
ちなみに検索やランキングなどのページでは、読者からのレビューもキャッチコピーのように表示されている。
とにかく、なろうのようにタイトルだけがフックとなるわけではない。
タイトルだけでなく、いいキャッチコピーがあればその分だけ読者も引っ張ってこれる。
いいタイトルといいキャッチコピー、
この2つが揃って始めてランキング入りのスタートラインに立つというわけだ。
……ん?
いいタイトルってなんか昔、それをネタにした短編を投稿していたような……
えーっと……たしか……お、やっぱなろうで短編投稿してたわ。今は非公開になってるけど。
つーか、なろうは非公開でも検索したら普通に見れるのはどうにかしてほしいよなあ。
エンジニア的にはちゃんと404返してほしいところだよ……!
まあうちのプロダクトもタイムアウトなのに200返してたことあったけども!
……やばい。仕事のことを思い出してしまった。
一旦忘れよ。うん……忘れよ……。
さて、これはちょうどいいかもしれない。
かつての俺が書いた、
『インパクトのあるタイトルってなんだと思う?』
この短編を読んで、敵を知りつつ、タイトルの極意を学ばせていただこうじゃないか。
◇
「……くそぅ、こいつまじかよ……!」
短編の内容は、既存の作品のタイトルの穴埋めをしてみたり、なろうタイトル風に置き換えてみたりするという内容だ。
その中でも度肝を抜かれたのは──
─────────────────────
「とりあえず走れメロスは、なろうに合わせて改題するなら……こうなる」
走れメロス
↓↓↓
羊飼いパーティーを追い出された。でも無能と言われたユニークスキル、”沈みゆく太陽の 10 倍の速度で走る”【逃走】で世界最速に!〜妹の結婚式に帰ってきてほしいなんて言われてももう遅い。邪智暴虐の王を倒しに行くので〜
─────────────────────
こいつ天才すぎだろ……。
自画自賛にも程があるが……敵は思っていたよりもなかなかやりやがる……っ!!
……悔しいが認識を改めなければ。
そして短編の締めには、
─────────────────────
NALUTO〜落ちこぼれだと思ってたけど実は仙人の生まれ変わりだった俺、もふもふを従えて無双します。〜
「うん、やっぱりなんかひどいね。しかもさらっと終盤の重大な事実がネタバレしているよ」
「なろう系にはよくあることだ。読者が期待する展開を先に予告しておくことで、より多くの人が読んでくれるからな」
「そうなると、似たりよったりのタイトルになってしまう未来が目に見えるね」
「たしかにそれは否定できない。しかしよりキャッチーなタイトルの作品は次々と出てくる。読者も新しい作品を求めていく」
「なるほど。読者を最初に掴むことができても、それを継続できるかは別問題というわけだね」
「だがそんな無数の作品が生まれ出るなろうの中でも、継続して読者を集めている作品もある」
「つまり、なろうにはなろうなりの苦楽があるというわけだね。よく知らない僕みたいな外野からとやかく言うのは違うみたいだ」
「そうかもしれないな」
「じゃあ最後に今までの議論を踏まえて、なろうに投稿する小説のタイトルに関するアドバイスを君に送るよ……」
「ああ、聞かせてくれ……!」
「小説のタイトルをあれこれ考える前に、中身考えたほうが良いね」
「……」
「あれこれ考えるよりも、1文字でも書いたほうが建設的じゃないか」
────────────────
うん……確かにこいつの言う通り、タイトルやキャッチコピーを考えるのもいいけど、肝心の中身を考えないといけなかったわ。
──敵に塩を送ってもらった俺であった。
─────────────────────
お読みいただきありがとうございます。
こんな感じでうだうだ進んでいって、最終的にバカ話ができあがるお話です。
タグにある通り不定期更新ですが、よろしければフォローでも★でも感想でもなんでも募集中です!
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ちなみに作中で出てくる物語は、まじで過去に投稿されてたやつ。
恐れ知らずって恐ろしい……。
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