心の距離
すぱとーどすぱどぅ
第1話 春の訪れ
高校2年生の春が始まり、俺、高橋陽斗は新しい学期への期待とドキドキでいっぱいだ。
朝の空気はまだ少し冷たいけど、道端に咲く桜の花はもう満開。
学校への道を歩きながら、今年こそは何か新しいことを始めたいと心に誓う。
「陽斗!おはよう!」
声の方を向くと、幼なじみの佐々木優里が明るい笑顔で手を振っている。
彼女も同じ高校2年生、俺たちは幼稚園からの付き合いだ。
「おはよう、優里。今日も元気だね。」
俺は笑って答える。
優里の周りはいつも明るい。彼女のそんなところが好きだ。
「当たり前でしょ!新学期、楽しみじゃない?」
彼女は俺の隣に並び、一緒に歩き始める。俺たちの周りは、新しい学期の話題で持ちきりだ。
「あれ?お前、クラスどうだった?」
俺は彼女に尋ねる。
新しいクラスの発表があったばかりで、誰と同じクラスになったのか、まだ聞いていなかった。
「実はね、陽斗と同じクラスなの!今年も一緒だよ!」
優里の声には、隠しきれない喜びが溢れている。
「マジか!それは嬉しいな。」
俺も思わず笑顔がこぼれる。
優里とはいつも一緒にいるから、別のクラスになると少し寂しくなるし。
学校に近づくにつれ、生徒たちのざわめきが大きくなっていく。
新しい出会い、新しいスタートに、みんなワクワクしているんだろう。
「今年もやるぞ!」
優里がポンと俺の背中を叩く。
その力強い言葉と行動に、俺も力が湧いてくる。
「ああ、やるぞ。」
俺たちは高校の門をくぐり、新しい学期の第一歩を踏み出す。
この瞬間が、俺たちにとってどんな意味を持つのか、まだ知る由もない。
この春は、ただの春ではない。何かが始まる予感がする。
クラス発表の日、俺、高橋陽斗はすでに自分のクラスを知っていた。
B組だ。
優里も一緒だと分かった時、俺たちは喜びを隠せなかった。
「ねえ、陽斗。B組ってどんな感じだろうね?」
優里が俺の腕を引っ張りながら教室へ向かう。
彼女の目は期待で輝いていた。
「分からないけど、面白そうだよな。」
俺は答えつつ、新しいクラスメイトたちに会えることにワクワクしていた。
新しいクラスの教室に入ると、すでにいくつかの顔なじみのグループができていた。
優里と俺は席を探しながら、新しい友達を作るチャンスをうかがっていた。
「あ、陽斗!こっちの席、空いてるよ!」
優里が手を振って俺を呼ぶ。
窓際のいい位置だ。
俺たちは隣同士で席を確保した。
まだ朝早く、教室にはゆったりとした時間が流れている。
俺はカバンからノートを取り出し、新しいページを開く。
新学期、新しいクラスでのスタート。
何か新しいことを始めたい、そんな俺の思いがこのページには詰まっていた。
「今年は何かクラブ活動にも挑戦してみようかな。」
俺は半分独り言のように呟く。
優里は
「いいね!私も何か新しいこと、始めたいな。陽斗と一緒にできたら最高だね!」
と目を輝かせる。
そんな優里の言葉に俺は勇気づけられる。
俺たちの友情は、新しい環境でも変わらない。
それどころか、もっと強くなる気さえした。
教室には徐々に生徒たちが集まってきて、ざわめきが大きくなっていく。
新しいクラスメイトたちとの初めての会話、新しい先生との出会い。
これから始まる新しい学期のことを考えると、ドキドキしてくる。
「よし、今年も頑張るぞ!」
俺は心の中で誓う。
優里と一緒なら、何でも乗り越えられる気がする。この春、新しい風が俺たちの学校生活をもっと楽しいものにしてくれるだろう。
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