元悪徳貴族がまたしても悪徳貴族になってしまったので今度こそまともに生きているだけなのですから信じて下さい、僕はそんな野心はありませんから
人中の蝮
第1話、まさかここって元の世界!?
僕は何処にでもいる普通の社会人であるけど普通とは違うところがあった。
いきなりこんなことを言ってすまないその理由とどうしてそんなところがあるのか説明をする時間を与えてほしい。
それは前世の記憶がありそこでは貴族であったけど民に対しての圧政に使用人やメイドたちに対する態度に反感を買い続けてついに殺されてしまった。
今思えば当たり前だろと言いたいけど昔の僕は復讐する事しか考えていなかった。本来ならば反省とかするべきなのに思ったことが復讐なんて心が小さい男だった事は認めている。
その怨念が強かったのか生まれ変わっても覚えていたのだ、だから最初はかなり性格が悪かったと思う・・・いや、悪かったではなく悪かった。
けれどもこの世界で生まれた育った親たちはこんな僕に愛情と言うものを与えてくれた。前世では貰えることがなかったものであった、それはお金ではなかったがお金よりもとても嬉しいものであった。
それを受けてから僕自身がだんだん変わっていき穏やかになったと皆から言われていた。
まあ、小さい頃は真面目に荒れていた時もあったので今となっては良い思い出にもなっているが僕が高校生になった時に両親は災害によって命を落としてしまった。
僕は悲しみはしたけどそれよりも幼い妹がいたので泣いている場合ではなかった。必死なって妹を立派に育てようと決意をした。
それがきっとこの世界に生まれた理由・・・僕の罪の償いだと信じたからそれからは高校生でもアルバイトをして何とかして暮らして高校卒業後は社会人として朝早くから夜遅くまで働いて妹に少しでも当たり前に近い生活を送らせてあげた。
そうして僕は何とかして妹を立派な大人になるまで支えた後はボランティアなどの活動などにも参加するようになりこの世界でまともに暮らしていた。
そして妹が結婚すると聞いた時はかなり嬉しかったな、それに相手の男もかなり良い人で僕みたいな男よりも良い奴は連れてくるとは妹も幸せ者だなと思っていた。
それから月日は流れて妹にも子どもたちが生まれて僕は本当の子供のように可愛がっていた。妹もそして義理の弟も本当に僕の事を信用してくれて何度も遊びに来てくれていた。
妹からは兄さんもそろそろ結婚をしたらどうなのと言われてしまった。でも結婚となると前世で婚約をしたけど破棄された記憶があるからあんまり積極的ではなかった。
まあ、明らかにこちらが悪いのだけどと思っている時に子供たちが早く遊びに行きたいのか信号が青になった瞬間に走り出して全くと思っていたら信号が赤になったのに動きを止めない車を見つけてしまった。
しかもこのままでは子供達に激突してしまうと僕は必死に走り出した。
そうして子供たちを助け出せたが僕自身は車に激突してしかも当たりどころが悪かったのだろう死ぬと理解をした。貴族の時に民たちに殺された時と同じ感覚だからすぐに分かった。遠くからは家族たちの声が聞こえているけど死にかけているのかその内容までは理解できなかった。
でも後悔は全くなかった、こんな性格が悪い僕にこんなに素晴らしい人生を与えてくれたのだからここで死んでも後悔はない。
それに前世では周りから恨まれて殺されてしまったけど今回は子どもたちを助けて死ぬのだ。
胸を張って立派に死ねたと思いながらこの様な素晴らしい人生を与えてくれた神様に感謝をして僕は目を眠るように閉じたのだった。
そうしてしばらくすると僕は目を覚ましたのである。
もしかして助かったのかなと思って辺りを見てみるとそこは病室ではなくてかなり豪華だけど中世を感じられる風景でどうなっていると思っていたけどその風景に見覚えがあり鏡の前に向かって走ってみるとそこには前世の僕の姿があったのだ。
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