第48話 今じゃない
施設に帰ってきた。
朝出発したのと変わらず2機でヘリポートに降り立った。
機内から側面に付いているタラップから、降りたら、別の機体に乗っていた、セレスさんが近づいてきて、その後ろを追いかける様にマールスさんも近づいてきた。
『ユウイチ〜♪今日はありがとう。』
「『セレス』さん、お疲れさまでした。疲れてないですか?」
『大丈夫!あの行列は面倒くさかったけどね。』
「あ〜、あれは凄かったですね。」
『労う気持ちがあるのなら、また頭を撫でてもらってもいいんだよ♪』
(おぉい!!!!!)
セレスさんが、今日俺がマールスさんに、O・HA・NA・SHIされた爆弾をぶっこんできた。その瞬間、俺は両肩を掴まれた。
振り向くと右肩は結が…左肩は沙月がいつぞやに見たイイ笑顔をしており、それを見たマールスさんは、恐怖を顔に貼り付け、3メートル位離れた所で止まった。
「「悠一(さ〜ん)ちょっと(お)部屋に戻ってお話ししましょう。」」
「は、い………」
それに周囲が気づきだし、沙月や結の顔を見たものは、ビビリ上がり俺の周囲に俺達以外がいなくなった。
ただ、セレスさんは俺の後ろが見えていないらしく、俺に再度話しかけてくる。
『さぁユウイチ♪頭ナデナデして〜♪』と頭を近づけてきた。しかしそれで更に後ろの2人が俺の身体で死角に入り、見えなくなっていた。
それの声に反応して、沙月さんの指が肩にめり込みそうな力で握り締めてきた。結も力を込めているが、指がプルプルしている。
マールスさんは両手で顔を覆い、何かをつぶやいているようだ。
「セレスひめさま〜?」と沙月さんが抑揚のない声でセレスさんを呼びかけている。
「ふぁっ……ふぁい?」と少しトロんとし出している顔で、誰かに呼ばれたのに気がついたがどこ?と首を左右に振っている。ただ、見つからないようで、再度俺の顔を見ると、俺の顔は後ろを気にしているのに、気がつき、俺の両肩に手をついた。
2人が肩を掴んでいる手の上にセレスさんが手をついて、俺に抱き付くように肩越しに後ろを見て…………………
固まった。
(あ〜セレスさん、空気読め………ないかな?ヤバい左肩が熱いのか冷たいのか痛いのか分からない…右肩はマッサージかな?どうなってるの?なんでマッサージ?
セレスさん?気がついたら抱き着いてきてるんですが…………
柔らかいですね〜ってかこう近づくと身体小さくて可愛いですね……。
俺(166センチ)よりも少し低いけど160センチくらいかな?
抱きついて後ろを見るとかあざとすぎません?普通の男性にこれやるとイチコロですよ!!
それしなくても、肩越しに見えますよね?
俺へのご褒美ですか?
………今じゃないです。)
固まっているセレスさんが目の前でイイ笑顔をしている、沙月さんから
「セレスひめさま〜?」ともう一度呼ばれ、
『ぴゃぃ…』と返事をしたが身体がガクブルしている。(電動マッサージ機かな?すごい振動だ。)
「お話ししましょうか?」
と伝え、「マールス様〜セレス姫様とOHANASHIしたいのですが〜私達の部屋で話してもいいですか〜?イイですよね?」とマールスさんに声をかけ、マールスさんはデカイ身体(180センチ位)を肩をすぼめゴマをする部下の如く首を縦に振っていた。
それを確認した、沙月さんが俺の肩を掴んでいる手の上にあるセレスさんの手をもう片方の手で掴み、セレスさんの手を引きを施設の中に連れて行く。俺は結に右肩を掴まれながら右手首を掴まれ同じく施設の中へ歩いていく。その後ろ5メートル離れた所をマールスさんがついてきている。
(沙月さんがセレスさんの手を引いてると、姉妹みたいだな?沙月さん背が俺もほぼ一緒だし、セレスさんは160センチ位だから余計に姉が妹の手を引いているように見えるな。これが結だとセレスさんと背は一緒位だから友達か、やっぱり姉妹かな?)
俺がぼんやりと考えていると、俺の部屋に着いたみたいだ。
(どんなオハナシになるのでしょうか?2時間位で終わりますかね?日を跨ぎたくないので6時間は超えない程度でお願いしたいです。)
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