第31話 何かスマン PART2

『ユウイチは、どの家にするの?』

(セレスさん、さっきまで泣いてた、

お姫様はどこに行った?なんで

ルンルン気分で、見つめてくるの?)

「見に行って、家の周囲とか

買い物できる場所とか、色々と確認を

してから決めようと思ってますよ。」

『そうなんだ〜いつ行くの?』

「松岡所長に聞いてみないと

分からないですね。」

『そうなんだ〜♪決まったら教えてね。』

(おし、会話止まったから訓練だ、

 訓練をやるぞ。)

「『セレス』さん、そろそろ魔法を

教えてもらえませんか?」

『は〜い、で何するの?』

・・・・・・?


俺とマールスさんがセレスさんを見て

(何?……このアホな子?

あれ……? セレスさんだよな?)

『姫様……、何バカな事を

おっしゃられているですか?』

(うわ〜マールスさん、言ってるし

何だろう?フローティアでは、

セレスさんは、ザンネンな子認定

されているのかな?!)

『マールス!貴方は何を言いやがりますか!?』

(おい、姫様、言葉が乱れてるぞ!)

『姫様、魔法をお教えすると、

意気込んで来ていたのでないですか?

それなのに、隠れるわ、泣くわ、

挙句の果てに、何する?ですか?

何するって、

ま・ほ・う・を・お・し・え・に!

来たんですよね。』

(ヤベェ……、

姫様に刺さる言葉しかないぞ…。)

『ファイ!ゴベンニャシャイ!

ソウデシュ!(泣)』

泣き出したセレスさんは、ペタッと

女の子座りをした。

(あ〜あ、セレスさんまた泣いたよ

これどうすんの?)

『姫様。姫様が教えないのであれば

わたくしが、ユウイチに教えます。

姫様はもう帰ってもいいですよ。』

『イヤァ…ユウイチワタシガオシエニュ!』

イヤイヤと頭を振り乱すセレスさん。

俺もさすがに止めに入る。

「『マールス』さん、もっ、もう

そのくらいで…………。ねっ?

『セレス』さんが教えてくれるんですよね?」

『うん。』

返事をしたセレスさんが、俺の方に

這い寄ってきて、そのまま俺の左腕に

両手で掴み、身体を密着するように

しがみついてきた。

(ちょ〜っと、セレスさん。

美乳様を腕に押し付けてきてるよ〜

二の腕に柔らかい感触が………。

ってか、何この可愛い生き物。

持ってかえ……れないよな?

セレスさん、何かさっきから

幼児化してないか?

今の感じ、とう見てもセレスちゃん

なんだけど……………。)


「『セレス』さん、大丈夫ですか?」

『うん♪だいじょうぶ♪フフフ♪』

(あ〜これはしばらく無理だな、

落ち着くまでそっとしておこう。)


その後、10分くらいマールスさんと

雑談をしていて、いつの間にか

セレスさんが、身動ぎしなくなっていた。

(あれ?セレスさん今度は寝た?

しがみつく力は弱まってないから

起きてるよな?)

「『セレス』さん?」

と声掛けした所、ビクッと反応し

セレスさんが、顔を真っ赤にしながら

腕にしがみついたまま、俺を見上げてきた。

(やっぱり可愛いなこの生き物

持ち帰ってはいけませんかね!?)

「『セレス』さん、魔法を教えて

もらってもいいですか?」

『うん♪わかった〜♪』

セレスさんが返事をしながら、

俺の二の腕に頭をスリスリしている。

(可愛いが大渋滞してるけど、

いつ魔法の話ができるのかな!?)


『あ〜うん、ユウイチ…………

なんかスマン。』

呆れてる感じのマールスさんが謝ってきた。

(マールスさん、これいつ戻りますか?)

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