花いちもんめ

花いちもんめ あの子が欲しい

 

 花いちもんめ あの子じゃ分からん

 

 相談しましょ そうしましょ

 

 ビードロ吹いて おはじき弾いて

 

 夕涼み 恵比寿の笹紅 葉音運ぶ

 

 わたしの足元 リンゴ飴落ち

 ありが集りそれを見下ろす

 

 鮮やかな赤色 

 つい癖で、後足で砂をかける

 

 宴もたけなわ 響く太鼓 柔らかな水笛

 

 初めて来た縁もゆかりも無い祭りだ

 

 赤と黒が混じり合いわたしの楽しみもこの祭りももうじきに終わるだろう

 頭を回らし鳥居をくぐり抜け上手の橋へと向かう

 

 柳の下で待つ熟れる一人の女

 

 嗚呼わたしもあの子が……

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る