思い出の2年前

 徒に皮膚が水分を吸い取る 

 耳に伝う涙

 

 もう蝉時雨を呼んだか

 

 わたしはまだあの日から立ち直れてはいない

 いつだろうか想い人の彼を見つけて好奇心でバレないように付いて行ったら同じクラスだった女の子と一緒に居て私はすぐ近くの水飲み場に隠れながら見てた

 2人は桜の木の下に居る

 聞こえてくる内容はそう告白だった

 私じゃなくて君はあの子を選ぶのね

 一目惚れした2年前あの季節、あの木の花弁の数、あの匂い、あの時間

 立ち去った後にこれまでの事を思い出してしまって今にも泣きそうだ

 私の特別だった場所が掻き乱される

 そう、桜の木の前で私は不貞腐れてる

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貴方は今日どんな嗜好品を選びますか?是非ともゆっくりしていかれて下さい 柳 一葉 @YanagiKazuha

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