いつかの空
@kt1510
第1話 真っ青な解放
窓からの光が指している
身体も心なしか重い
夢の中でも追い立てるような
鳥が鳴いていた
苛立っているのだろうか
モヤモヤする
何度目の朝だろう
「早く起きなさい」
一気に目が覚めるような
けたたましい声
身体を更に鉛のようにしてしまう
無理やり起こしながら
心の中はザラザラ
「おはよう」
「やっと起きたの」
不機嫌を隠そうともしないようだ
「…」
答える気持ちが失せてしまう
返事をするのが時間と心身の浪費に思えて
視線だけ向けた
朝食を食べて、着替えに向かう
洗面所を利用していたので
先にバックの整理をする
時計の針は進んでいく
用意を済ませ髪を撫でつけて、玄関に向かう
「………」
向こうで声がしたが、聞こえないふりして
ドアを開けた
「おはようございます」
途端慌ただしい世界が一転したので
少し戸惑ってしまった
「おはようございます」
すぐに返事はでた
空気感が変わったみたいに
声音も変わった
「お仕事ですか」
「はい」
「お気をつけて」
「ありがとうございます」
数分話をしただけでも気持ちが軽くなった
ただの挨拶だけど、平穏な日常を気づかせてくれる
ふと空を見あげる
雲のほどんどない真っ青な空だった
いつかの空 @kt1510
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