第53話

 さて、昨日のガチャから出たスライムはどんなモンスタースライムに進化したかな?

 コアルームの隣のスライム保管庫に置いておいた十匹を呼び出した。


「ほお」


 入ってきたのは、ゴブリンが二匹、オークが三匹、オーガ一匹、ミノタウロス二匹、この八匹は見ただけで種族が分かるけど、残り二匹は小型犬サイズのドラゴンと白いもやのような見た目のやつだ。


 鑑定すると、小さいドラゴンはベビードラゴン、白いもやはレイスだった。

 ベビードラゴンには進化可能、それ以外のモンスターは進化不可能と書かれている。


「コアちゃん、この進化ってのは通常のスライムの進化と違うのか?」


「モンスターの中には進化する種と進化しない種がいます。ベビードラゴンスライムは元となっているベビードラゴンが進化するタイプのモンスターだったのでしょう。経験を積ませていたらいつか成体に進化するはずです」


 ちなみに進化するタイプのモンスターは一番最初の幼体の肉片がガチャに入ってるらしい。

 しかし経験かぁ。何したらいいんだ?下層にモンスター用スポーツジムでも作るか。


「ベビードラゴンは最終的に何になるんだ?」


「いくつか派生しますが、ジャバウォックとか極神龍とかですね。進化するまでに何をしたか、どんな環境にいたかで進化先は大きく異なります。進化する回数も変わるはずです」


 ゲームでも裏ボスに出てきそうな、なかなか強そうな進化先だな。せいぜい気長に待つとしよう。


「ヴァイオレットのところに行く前にとりあえず百回くらい回しとくか」


 百匹のモンスタースライムへ進化前のスライムと十匹のモンスタースライムをトレーニングさせるために三人のヒューマンスライムを付け、第二迷路下層に新設したスポーツジムや運動場併設のモンスター牧場へ移動させた。


 これで進化可能なモンスタースライムになったときは、ヒューマンスライムたちがきっちり育ててくれるはずだ。






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