第42話
俺がダンジョンバトルについて説明すると、ジェノルムは驚きすぎて大きく口が開きっぱなしだった。
「…………そうだったのか!ダンジョンの閉鎖と自然消滅にはそんなカラクリがあったわけだ」
「閉鎖?自然消滅?何それ」
初めて聞く単語だ。一体どういうことなのだろうか?
「生まれてから長いダンジョンほど起こりやすい謎の現象だ。ある日突然ダンジョンへの入り口が消えたと思ったら数日かけて再び入り口が出現する。閉鎖時にダンジョンの中にいた冒険者たちは誰も出てこない」
「多分ダンジョンバトルに巻き込まれて死んでますね。いや、冒険者の戦力も計算に入れてるから巻き込まれるというより利用されているか。自然消滅ってのは、閉鎖後ダンジョンとしての機能が無くなったダンジョンってことでいいですか?」
ダンジョンマスターについて色々わからないことだらけの人間サイドからしたら、ダンジョン同士の戦いだなんて想像もつかないだろうな。
冒険者からしたらダンジョンマスターなんて等しく敵なはずだ。
むしろ俺たちが徒党を組んで人に害をなしていると思われてるだろう。
人間を相手するだけでも大変なのに、同業者にも注意しなければならないなんて本当に大変な仕事だよ。
「ああ。それに閉鎖後、残っていたダンジョンは閉鎖前に比べて格段に強くなる事が多いな。お前の話で合点がいった。負けたダンジョンの力を吸収するか、配下に置いていたって訳だ。それで今日来た用事ってのは、ダンジョンバトルに冒険者が巻き込まれないように攻略の制限をすればいいってことか?」
話が早くて助かった。さすがジェノルム、デキル男だ。
「三日前くらいから壁を作ったりして、中にいる冒険者を外に誘導していくからそれを理由にできませんか?」
「やってみよう。だが、大丈夫なのか?お前の戦力はスライムだけだろう?」
純粋に心配してくれるのは嬉しいが、冒険者ギルドのギルドマスターがダンジョンマスターを心配するのはどうなんだ?
「心配感謝します。でも大丈夫。負ける戦なら最初から諦めてますよ…………そうだ!見学しますか?ダンジョンバトル」
「そうだなぁ……………………え?」
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