20. オリストティアの冬の騎士 (3)






 窮地に立たされていた。

 アルストロメアの南西部。支援部隊の控えるこの場所に、新たな群れが現れるなど誰が予想しただろう。予備軍としての役割を担う自警団が、このタイミングで急襲を受けたのは悪運以外の何物でもなかった。

 こちらの送った使者は騎士団までたどり着いた頃だろうか。無事に伝令が届いたとしても、騎士たちがこちらと合流するまでには時間がかかると覚悟している。

 現在、あの警鐘を聞いて出動した騎士団員たちは皆、本来の目標である南東部の戦場に向かっているはずだ。こちらの状況を確認し、適切な人員を配置するまでに時間を要することは説明がなくとも理解できる。問題は――。



(こっちが騎士団の到着まで耐えられるか、か)



 背後を振り返る。自警団の面々が束になって黒獣の群れに立ち向かっていた。一撃必殺とまではいかないが、その動きは確かに鋭い。

 しかし、この均衡はやがて崩れるだろう。不吉な前兆は先ほどから姿をちらつかせている。その些細な亀裂を見逃すほど、リシアは戦いの素人ではない。

 


「ひっ……!」



「背中を見せるな!! 戦わないならどけ!」



 瞬きの間に膨れ上がった敵の集団を前に、自警団の士気が削がれていく。理性的な指示が飛び交っていたはずの場に、感情的な怒号が混ざり始めていた。統率の乱れを肌で感じ取るリシアだが、一介の旅人である彼女に成す術はない。

 一人、二人、戦場に背を向ける自警団員の姿を目撃する。止めることはしない。彼らにだって逃げる自由はある。騎士団の彼らとは、掲げたものが違う。

 小さくなっていく人々の姿を一瞥し、リシアは控えめに深呼吸をした。意図的に心を落ち着かせながら自らを奮い立てる。



(……ちゃんと守るよ。分かってる)



 射落とせど、射落とせど、宙にできた空白を別の黒が埋めていく。状況は刹那の間に悪化し、前線の壁を抜けて後方の自警団に接触するケモノの姿も増えていた。直前までは余裕を持って黒獣と攻防していたはずが、今ではどの自警団員も複数の黒獣を相手に忙殺されている。

 戦力の差は明らかだった。黒獣を相手に、並みの人間は適わない。いくら剣を研ごうと、鎧に身を固めようと、呪いに見初められればその死は一瞬にして訪れる。

 前方にいた兵の肩を、雨に濡れたケモノのクチバシが貫いた。鮮血が散り、瘴気と混ざる。後方から悲鳴が聞こえた。どさりとが崩れ落ちる重い音。

 焦りに任せ、適当に飛んだ矢が空に乱れる。当然ながら、恐怖に支配された攻撃などでケモノを仕留められるはずもない。意味のない挑発は人間たちの居場所を無暗に知らせるだけだった。

 黒獣の嗤う声。人の泣き喚く声。終焉の斉唱が絶えることなく繰り返される。

 振り払うように、腰を抜かした自警団員の前に飛び出した。紙一重のところまで迫っていた黒獣の手を退け、魔術の刃で腕を落とす。



「あ、ありがとう……」



 顔を蒼白にして震える彼がこの場で再起することはないだろう。後方に下がるように促せば、彼は覚束ない足取りで南門まで走り去っていく。

 リシアは黒獣と相対しながら最前線にまで躍り出ると、毅然たる態度で背後を振り返った。可憐な見目の彼女から、確固とした冷厳な言葉が放たれる。



「私はアルストロメアを守ります。人だけがここに残ってください」



「……!」



 迷えば最後、そこに死がある世界をリシアは知っている。恐怖に呑まれ立ち止まった先で、終焉が待ち構える様を今まで何度も見てきた。

 “必ず守る”と、リシアは約束できない。だから、彼らのために告げる。逃げることのできる人間は、生きる意志のある者だけなのだ。

 背に庇った自警団員たちが戦場を離脱していく姿を見る。それは、過去の自分の姿だった。あの姿を晒す自分は、もうここにはいない。



「休むな! 次々来るぞ!」



 その間にもリシアの頭上をケモノの集団が通り過ぎていく。より多くの命の気配を察知したらしい黒獣は、こちらには脇目も振らず一直線に町へ向かって飛んでいた。

 いち早く反応した自警団の矢が黒鳥を射抜く。残った戦士たちが接近するケモノに応戦するも、敵の数が減る様子はない。瘴気の渦巻く淀んだ戦場は、辛うじて均衡を保っている状態だった。



(……この景色、まるで……)



 刹那、リシアの脳内を駆け巡るのは忌まわしい記憶。アルヴァレスとは異なる、小さな町が燃えている。命を蹂躙する黒い獣。動かなくなった人の山。投げ出された剣と。



「……先生」



 ――それは、彼女を現実へと引き戻す警報だった。最前線から届いた合図に、リシアは一瞬で我に返る。状況を把握できず、硬直する彼らの足場を黒い影が覆った。



「上だ!」



「……!」



 咄嗟の判断で場を飛び退く。同時に、巨大な“何か”が落ちてきた。

 


「これは……!?」



 上空から突如現れた黒獣の巨体がむくりと起き上がった。通常個体の三倍はあるだろうか。山のような巨躯が地面を揺らす。足元の泥を飛び散らせ、大型ケモノが絶叫した。びりびりと鼓膜が破けそうなほどの破壊力だ。



「に、逃げろ! こんなバケモノの相手は無理だ!」



「う、うわあぁぁ! 来るな! あっち行け!」



 背を向けて走り出した自警団の後を大型種が数歩で詰める。腰を抜かした彼らが地面に膝をついた。敵を見上げる目が終わりを悟り、絶望に染まるのをリシアは見る。



「……は……っ」



 じりじりと距離が詰められる。獣の目は地を這うを前に爛々と輝き、窪んだ耳は恍惚と悲鳴を聞いているように思えた。

 柱のような足が大きく持ち上げられた。円い影が地面に落ちる。駆けだしたリシアが目視できたのは、彼らの目から消えた光だけだった。

 


「間に合えっ……!」



 杖を揺らしてを編む。黒獣を的に飛び出すは、氷柱の如く鋭利に研がれた魔力の塊。ケモノを仕留めるためだけに生み出された死のつぶて

 しかし、渾身の攻撃も黒獣の凶行を止めるには一息遅い。ケモノの腕は容赦なく振り下ろされるが、リシアの術の到達はまだ先だった。この狙撃は彼を救う一手にはならず、間に合わないと確信してしまう。後の悲劇を予感し、リシアは思わず叫んでいた。――それは、神にも縋る思いで。



「誰かっ……!」



「任せて」



 ――知った声が聞こえた。

 直後、黒獣の右足が前触れもなく破裂する。敵の上腕を何者かが踏みつけていく残像を捉えた。急襲に振り返ったケモノとリシアの間にひらりと一人の人間が降り立つ。

 彼は振り返り、彼女に向かって微笑んだ。



「お待たせ」



「アユハ……!!」



 彼の姿を捉え損なったらしい大型黒獣は、忙しない様子で自身を傷付けた相手の行方を捜している。その背後で微かな瘴気が霧散していくのをリシアは見た。それが群れていた黒獣の残滓の一部だと、結論に至るまでにそう時間はかからない。どうやらあの瞬きの間に周囲の通常個体も処理したらしい。

 そのあまりにも頼もしい登場に感服した彼女の横から、彼は戦場を一望した。救った人間が無事に逃げていくことを確認し、剣士は黒獣の前に立ちはだかる。



「よく耐えてくれた。残りは我々が請け負おう」



「――!?」



 荒れ狂う冷気が戦場を貫き、場の全てを凍らせるように――そこに、冬が訪れる。

 勇ましい雄叫びが聞こえた。振り返れば、増援の騎士たちが凍てつく空気をものともせず、既にケモノの群れに衝突している。揃いの制服が泥の跳ねる戦場で奮迅した。騎士の誇りと町への恩を掲げる彼らの導は固く、揺れることはない。



「アルストロメアは守り抜く。王国騎士団の名において」



 オリストティアの国章が、死の渦巻く大地で走り出す。その陣頭に彼を据えて。



「私も……逃げないよ」



「じゃあよろしく。無理はするなよ」



 話している間にも、アユハは接近してくるケモノを続けざまに切り伏せる。剣を振るう彼は、作業のようにコアを砕きながら素早く振り返った。どうやら剣を追うリシアの、探るような視線に気付いたらしい。



「――私たち、お互いに言葉足らずだね」



「……そうだな」



 アユハの目線がリシアの杖に止まった。しかしそれも一瞬、すぐに視線は前へと戻っていく。



「でも、その前に一仕事だ。いける?」



「もちろん」



 白銀の瞳に湛えられた光を見る。煌めく意志を知る。未だ折れない剣は、今は誰のためにあるのだろう。

 言葉の代わりにリシアが投げつけるのは、杖から放った魔力の弾丸。彼女の魔術は命を貫き、無数の刃となってケモノたちに降りしきる。彼は得体の知れない神秘を平然と眺めながら、近くにいた騎士に告げた。



「全団員を通常個体の掃討へ。あの大型はこちらで対処します」



「承知!」



 到着した騎士団の士気に引かれ、自警団の振るう剣に気迫が籠ったのは気のせいではない。



「行くぞ」



 アユハ・コールディルの立つ戦場、その事実が崩れかけていた戦線を支える。負に囚われた意志を覆す。

 黒獣の群れの中を駆ける戦士が一人。それは、確かにオリストティア王国の希望の姿をしていた。











 コアを破壊しながら冷たい壁を抜けていく。敵の数こそ多いものの、団員たちの援護の手を借りれば、群れの後列に退いた大型個体のもとにたどり着くまでそう時間はかからない。



「足落とすつもりだったんだけどな。浅かったか」



「なにあの大きさ。初めて見た……」



 周辺の環境は半壊状態にある。草をむしり取るように木々は抜かれ、雨の叩きつける地面は足が沈み込むほど緩んでいた。しかし、荒廃した大地の景色も、黒獣病に侵されるよりは遥かに真っ当なのである。

 大型種の前に立ちはだかる通常個体を殲滅していく。休むことなく敵の懐に飛び込み続けるのは、気を紛らわせるためでもあった。

 四方八方どこを向いても視界を埋める黒紫の霧。蠢くケモノに、止まない奇声と凍えるような土砂降りの雨――それはまるで“あの日”の再演だった。気を抜けば直ちにおぞましい記憶に飲み込まれそうな不安定な精神を、戦闘に没頭することで誤魔化している。



(大丈夫だ。あの日とは違う。……大丈夫)



 助けてくれと、泣き叫ぶを殺してきた。この手の届く範囲で、散っていく仲間を見てきた。今、ここに立っている事実は奇跡以外の何物でもないのだと、剣を振るう度に噛み締めている。

 だから、今度こそ守りたかった。掴みたかった。必死に王都を逃れ、細く、細く繋がった糸を手放すことがないように。壊れかけの騎士の誇りを、もう一度この腕に抱き留めるように。



「私は自由に動いていいの?」



「いいよ。適当に合わせる」



「分かった」



 リシアが大型種の直下を目指して一気に加速する。その姿を横目に捉えながら、アユハは自身の何倍もある体躯を仰いだ。

 丸々と肥えた体に、これまでいくつの命を取り込んできたのだろう。相手の足踏みで抉れた地面には、病に染まりかけた黒い花が潰れている。完成間近のコアを砕けば、花は燃え尽きるように跡形もなく散った。

 こんなモノをこれ以上町に近付かせるわけにはいかない。間に合って良かったと、アユハは心の底からそう思う。

 黒獣の絶叫が木々を、大地を、この身を震わせた。同時に、場にいる全ての敵の視線が二人に集中する。それはまるで、このケモノが標的を周知させたような――。



「いや、そんなはず……」



 病獣に知能はない。理性もない。ただ“命”という餌を渇望して歩くだけの虚ろな存在だと、物心ついた頃から知っている。生命の冒涜者に、生物と同じような意思を持たれてはたまったものではない。

 頭では理解していた。しかし、一度感じた違和感は簡単に拭い去れるものでもない。嘘だと告げられることを望んで味方を振り返れば、彼はまるで食事の内容を相談するかのような軽々しさで悪夢を語る。



「なあリシア。最近のケモノには知能があるかもしれないと言ったら信じる?」



「……信じない。いや……信じたくない、かな」



「そうだな。俺もだよ」



 大型黒獣の咆哮を合図にしたとでも言うのだろうか。無秩序に乱れていた周囲の通常個体が、一斉に二人のもとへと向かってきている。気のせいだと言いきるには整いすぎた行動に、今度こそ冷汗が伝った。

 ――この光景には覚えがある。



「……アルヴァレスと同じだ」



 王都の頑強な防壁と無数の監視の目を掻い潜り、突如街中に湧いて出た大量の罹患者たち。当時はケモノの観察などに割いている時間は微塵たりとも存在しなかった。

 しかし、この時アユハは――騎士たちは一斉に思い出す。王都を襲った黒獣の、ありえざる特徴を。得体の知れない不気味さを。



「あの日、王都を攻めてきたケモノはまるで……何かに統率されているように集団で行動していた。あれはただ群れているのとは違う、確かな知性によって作られた集団だ。知能のないケモノにそんな行動は不可能なはずだけど……それじゃあコレはどう説明するんだろうな」



「この大きいヤツが周りに指示を出してる……? ケモノの知性体だなんて、いよいよ世界も終わりかな」



 はオリストティア王国の黒獣だけに見られる変化なのだろうか。闘いに影響を与える変異が広範囲に見られるようになれば、彼女の言う通り世界の行き先は怪しい。



「……まあとにかく、まずはこのケモノをどうにかしないとね。考えるのは後回しで」



「そうだな。統率が本格化する前に終わらせる」



 議論したところで今すぐに問題が解決するわけでもない。気を取り直して見上げていた視線を敵の足元――自分の正面にまで戻す。会話を切り上げたリシアが左足に向かって進路を逸れた。ならば、アユハが向かうべきは右だ。

 雨脚が強まる。突風に草木は揺れ、黒獣の歩みに合わせて泥が跳ねる。

 しかし、その雫すらも避ける勢いで駆ける剣士が一人。月を纏った聖剣が一閃した。一回、二回と薙ぎ払われ、切り返された剣は丸太のような足を輪切りに落とす。切り口からは瘴気になる前の液体が滝のように溢れ出した。



「倒れろ!」



 バランスを失った巨体が傾く。少し遅れて発動したリシアの術が続けざまに左足を切断した。黒獣は手らしい物体を地面について沈黙する。



「!」



 仕留めるために走り出すと、周囲を埋める黒獣の爪が行く手を阻むように迫る。振り下ろされた腕を裂き、さらに別の個体から蹴り出された足を踏み台に跳躍。宙に浮かびながらそのまた隣にいたケモノの首を刎ね、黒獣の壁を越えた。着地と同時に目の前にいた敵のコアをついでに貫き、そのまま振り向きもせずに飛び越えた三体を一突きで串刺しにする。

 アユハを中心に、四つの影が崩れ去った。霧散した瘴気は瞬く間に浄化反応を起こし、毒々しい渦を巻く。しかし、オリストティアの冷たい戦場においてそれは常の光景である。



「あれが……オリストティアの冬の騎士……」



 同じ騎士団に所属していようと、王女の護衛官である人物の戦う姿を一般の隊士が目にする機会は少ない。噂ばかりが独り歩きし、もはや幻のようになっていたその存在はしかし、想像以上の迫力をもってここに実在していた。一騎当千の力を誇る、オリストティアの聖剣使い。仰々しい異名の数々は、紛れもない事実であるのだと隊士らは知ることになる。

 血生臭い雨の中、無風の海のように凪いだ剣士の瞳。瘴液に濡れて艶めく剣が、ひらひらと軽やかに踊っている。

 そこは彼の独壇場であった。優美に戦場を舞う騎士は、命無き敵を次から次へと屠り、剣の贄を築き上げていく。見惚れるような剣技は清廉で、あまりにも冷徹だ。

 その圧倒的な乱舞を前に魅了され、同時に恐怖した。とうに人の領分を外れたような動きは、紛うことなき軍神の姿そのものである。



(……まるで別人。これじゃあ兵器みたい)



 呆けたようにアユハを凝視する騎士らには想像すら至らないだろう。その内に抱えた葛藤を、悔恨を――渦巻く憎悪を。それは、神の敗北を人が想像できないことと同義だ。

だから、この変化はリシアにしか見抜けない。彼の内は今、きっと――。



(……嫌になるな。何もかもが同じに見えてくる)



 樽を逆さにしたような豪雨の中で、守るべき町が灰塵に帰していく。隣で他愛もない未来を語った友が、物言わぬ肉塊となって転がっていた。白亜の城には闇が満ち、何度も議論を交えた部屋にケモノの呻きが闊歩する。

 視界を奪う病霧の先で、が振り返った。



「……っ」



 雨を引き金に呼び戻された記憶は、目を逸らすことを許さない。生気を失った白い腕が縋るように手を伸ばす。その手を、今度こそ掴みたくて――。



「アユハ!」



「――!」



 リシアの声で我に返れば、黒々とした太い腕が首元に迫る。反射的に剣で弾くと、あの巨体から形にならない叫びが溢れた。冥姫で切りつけても傷が再生していくのは、攻撃が甘かった証拠だ。町の存亡が懸かる有事の時ですら、私情で揺れるような自分の弱さに嫌気が差す。

 足まで再構築される前に雌雄を決さなければ。連携を図るためにアユハは彼女を呼んだ。

 


「リシア! そこで待機!」



「は!?」



 思わず間の抜けた声を上げる彼女を置いてケモノとの距離を詰めた。冥姫が右手の中で唸る。数多の戦場を共に駆けてきた愛剣は主人と違って陰らない。

 大きく振りかぶった敵の一撃。ひらりとかわし、その腕の上に乗る。鼓膜が破れんばかりの雄叫びを真横に、アユハは腕を駆け上がった。ハエを叩くような平手打ちを冥姫で受け止め、指を足場に高く跳べば、黒獣のはすぐそこだ。



(――ああ。俺は、まだ……)



 この身はまだ、剣を振ることができてしまう。いっそのこと砕けてしまえば、堕ちることも赦されたのだろうか。

 石柱のような首を見る。天を駆ける勢いは殺さず、アユハは冥姫を握り直した。胸の前で掲げた剣は雨粒を反射して煌めき――刹那、その頭を滑らかに刈り取る。



「リシア!」



「うん!」



 大きく広がる胸元に、迸る魔術が肉薄する。研ぎ澄まされた一撃が、寸分の狂いもなくその核を貫いた。










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