第2話 残されたガラン達。
訳が分からずにギルド建物内に残されたガランとリオン。
「じゃあ、何だ?ルカはアイツは…俺の…」
ブツブツと言い乍、小さくくるまったガランとその様子を見守るリオン。
「ガラン殿下…リオンが傍におりますわ」
「あぁ…そうだな。聖女が居る…未だやれる事は有る」
ガランとリオンは建物を追い出され少し路頭に迷っていた。
_迷える二人よ、このペンダントを授けましょう。貴方方に力を貸す栄光有るこの力を。
何処からともなく聞こえた其の声と突然現れた魔法陣が描かれたペンダントはガランの首元に付けられた。
「このペンダントは…其れに今の声は」
_我が名はシュンベル。お前たちの守護精霊である。お前らの望み、一つは其のペンダントが力を貸すであろう_
「シュンベル?あの、シュンベル様?」
「知っているのか?リオン嬢」
「えぇ…聖女で有る私や聖女見習いの子たちの間でも人の前に良く現れ平等に良くも悪くも力を貸す妖精で有名ですわ」
「そうか…ならガーベラ領へ向くぞ」
「ガーベラ領…ですか?」ガーベラ領はルカが領主を務める、王都からもルカの出身領からも程よい距離に位置する自然と花と薬草に溢れた豊かな場所である。
「分かりましたわ…最後まで付き添うのも聖女のお役目。このリオン、ガラン殿下の赴くままに」
綺麗なカーテシーをガランの前でして見せたリオン。この国で女性が男性へカーテシーを行うのは少し本来の意味とはズレているのである。家臣として、忠誠を誓う意味をこの物語内では持つ。「リオン…夜が明けてからガーベラ領へ行くぞ」聖女で有り自らのした事へのケジメ同然と言わんばかりの強い決意を目に宿らせ乍、ガランの前でカーテシーを行ったのである。その何かしらの強い決意をガランも又受け入れたのであった。家臣として傍に居させる事で自身の持つ恋心に蓋をして…。「承知しました。ガラン殿下」
近くにある王室御用達の宿では無く平民らが使う宿を使うのは個人的な問題である為王家へ連絡が行くのを避けるためである。
二階にある二部屋をガランとリオン、一人ずつで借りる事になった。
次回_
ガランとリオン、ガーベラ領へ。
ギルドパーティーを追放されてから始まる人生と言う名のスローライフ さえば湊 @Karasuma3536
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