短編「数多ノ覚悟」(完)

不可世

一話完結

ただ青い空に

心を預け

遠い夢を揺蕩う


この生きた今日までは

決して楽なものではなく


それでも生きてこれたのは

きっと世界が苦しみだけではなかったから


そうして重なる数々の盤面と時を超え

人は眠りにつく


それはきっと壮大で

とても儚い

でもそれこそ

生きているということだろう


だから一度は

道に迷うことがある

世界に対して異質な隔たりを感じることがある

それでも

そんな時こそ

正念場だ

踏ん張りどころだ

生きなければ超えることは出来ない

掴むためには、進まなければならない

だから諦めは死と同じ

何もしなければ、何も生まれない

何も見いだせない、時間だけを浪費してしまう


だから生きてるなら

声を出し、心を通わせ

常に凛々しく、高らかに生きればいい

簡単に極端に作業的になってはいけない

生きるとは、覚悟を持つことだから

全てに対して、重役を担ってこそ

真に生命は輝く


だから難しい道を選べ

簡単な道など、逃げに過ぎない

故に自身を最難関に置き続けろ

それぞ、この命の最大の飛躍を促す


さぁ行くがいい

生きて死する最後まで

全てを平らげる覚悟で

何もかもに食らいつけ

それぞ、最も面白き物語を運ぶ

だから行け、行くがいい。


もうこの世の主人公はあなただ。

負けるな、下がるな、挑み続けろ。

そうあれば、自ずと、生を実感できるはずだ。

はてさて、どうする


乗るか反るか、拒むか、受け入れるか。

その解を打ち出せるのは私ではない

君自身だ、


人は誰しも、自身の決断によって導かれる

故に、私もここまでだ。


あとは全て君にかかってる。

君は自分をどうしたい。

その答えは君しだい、君が握ってる。


もうこれ以上は私は立ち入れない

だから、ここまで、ここまでだ。


あとは君に委ねた。

がんばれ、生きて生きて、生きて。

より明るい未来へと繋がれることを切に願っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短編「数多ノ覚悟」(完) 不可世 @BEST-R-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ