異世界に転生した俺は、神から授かった外れスキル『七無双』で文字どうり学園を無双する

たかみそくん

第1話 外れスキル


「はっ!!!!!」


 気がつくと俺は、豪華な装飾のされている部屋のベットの上にいた。


「はぁ、はぁ、ここはどこなんだ?」


 おかしい……、俺はさっきまでトラックに轢かれて死にそうになってたのに……。

 もし、寝ているとしても病院とかのはずなんだけどな……。こんな装飾されてるところにいる覚えはないぞ。

 というか、それ以外のことが何も思い出せない。思い出そうとすると頭の中に霧がかかったような気分になる。

 うーん、どういうことかな?

 

 そんな考えても分からなそうなことを考えていると、部屋の外から足音が聞こえてきた。そして、この部屋の扉を開けた。


「レイ、今日は『スキルの儀』の日だ。遅れないようにさっさと準備しておけ」


 レイ、その名を聞いた瞬間俺の頭に激痛が走り、さまざまな記憶が舞い込んできた。


 あぁ……そうだ、思い出した。

 俺の名前はレイ•ヴァイオレット。

 この世界では次期ヴァイオレット家当主として生活をしている。

 ヴァイオレット家とは、代々帝国の皇帝近衛騎士インペリアルガーディアンとして、帝国に貢献している伝統ある伯爵家である。

 ちなみに皇帝近衛騎士というのは、皇帝騎士団の中で選ばれた5人しかなることのできない騎士のことだ。

 

 そして、もう一つの記憶。

 日本で社畜として生活してきた記憶もハッキリと思い出した。

 さっきまではモヤモヤとしていてトラックに轢かれたところぐらいしか思い出せなかったけど、今は前世の記憶もしっかりと戻っている。

 意識は前世のままだけど、喋り方とかはこっちの世界の俺になっているみたい。

 前世でこんな子供っぽい喋り方してなかったはずだし……、たぶん。


「うん、分かったよ父さん」


 そして、この部屋に入ってきた人は俺の父、サイロス•ヴァイオレット。

 代々続くヴァイオレット家の中でも上位に入るとされる実力者だ。


「お前は次期伯爵家当主だからな。うちの家は代々上位の戦闘系スキルを獲得して王家に貢献している。お前もそうなることを願っているぞ」

「うん、分かってるよ」

「後1時間もしたらこの家を出発して教会に向かう。それまでに準備をしておけ」

「分かったよ」


 そう言うと、父さんは扉を閉めて去っていった。


 さっき父さんも言っていたけど、今日は『スキルの儀』がある。

 『スキルの儀』とは、この世界の人間は皆10歳になると神からスキルを授かる。

 そのスキルを授かるために教会で行う儀式のことだ。

 授かるスキルは様々で、うちの場合だと『剣聖』や『賢者』など、各戦闘スキルの上位版しか授かったことがないそうだ。


 だから、今日のスキルの儀でこの先の未来が決まると言っても過言ではない。


 はぁ、そう考えると緊張してきたな。

もし役立たずのスキルを授かったらどうしよう。

 他にも、どうして俺がこの体に転生?憑依?したのかも気になる。

 はぁ、考えることが多すぎる。この短時間でため息が2回出るくらいには。

 まぁでも、転生うんぬんのことは今考えても仕方ないし、スキルの儀のあとで考えればいっか。

 そう結論付けた俺は一旦これらのことを忘れ、教会に行くための服装に着替えるのだった。



  ——————————————————



「レイ、行ってこい」

「うん、行ってくるね」


 教会に着いた俺は、父さんと短い会話をして神父さんの元に向かった。


「よろしくお願いします」

「おぉ、ヴァイオレット家の方のスキルの儀を担当できるなんて光栄です」

「ありがとうございます」

「それでは、早速始めましょう。レイ様、そこに立膝になって神に祈りを捧げてください」

「はい」


 俺は言われるがままに立膝になり、神に祈りを捧げた。


「神よ、この子供に祝福を与えよ」


 神父さんがそう言うと、体の中に何かが宿った気がした。


「……神は言いました。レイ•ヴァイオレット、あなたのスキルは『七無双』?です」

「え?」


 七無双?なんだそのスキルは。明らかに名前がおかしいじゃないか。


「お、おいレイ、そのスキルはどう言うものか分かるか?」

「ちょっと待って」


 スキルとは、授かった瞬間にある程度効果がわかるらしい。

 俺も必死になってどんな効果かなのかを探すが……


「分から、ない……」

「分からないだと?」

「うん……」

「本当にか?少しも分からないのか?」

「うん、全く。なんの系統のスキルかも……」

「…………」

「えっと、父さん?」

「もう父さんと呼ぶな」

「え?だっ、だって俺は父さんの子供だよ?」

「もう呼ぶなと言っているだろう!!!一応16歳までは面倒を見てやる。だが16歳になれば、お前はもうヴァイオレット家の人間ではなくなる」

「なっ、なんでよ!?そんなのおかしいよ!!!」

「スキルを使えないような奴は、我が家には相応しくない」

「え……?」

「さっさと馬車に乗れ。我が家はお前ではなく弟に継がせる」

「そんな………」


 俺は、その場に崩れ落ちる。

 この体になって1日もたっていないけど、俺の頭にはしっかりと以前のこの体の持ち主の記憶がある。

 その記憶は、レイが必死に努力しているものばかりだった。

 ヴァイオレット家の名に恥じないように、強くなろうとしている記憶が。


「こんなの、あんまりだよ………」


 俺は、その場で嘆いたのだった。



  —————————————————


「レイ、お前は今日からここで生活してもらう」


 そう言って連れてこられた場所は、ヴァイオレット家の地下にある牢屋だった。


「え?じょっ、冗談だよね?」

「冗談ではない、お前は我が家の恥だ。この家においてやるだけでも感謝しろ。分かったな?」

「うっ、うん。分かったよ」

「ならいい。朝と晩には使用人が飯を届けにくる。ちゃんと食べろよ?子供を死なせては私の悪評に繋がるからな」

「はい……」

「それではな」


 そう言い残し、父は去っていった。


 はぁ、まさか牢屋に入れられるとは。部屋に閉じ込められるくらいだと思ってたのに……。

 まぁ、うちの父ならそのくらいするよね。

自分の決めたことは徹底して貫くかな、あの人。


 けどまぁ、牢屋にいたんじゃすることがない。

 読む本もなければ、勉強もできない。

できることと言えば、自分のスキルを極めることと筋トレくらいである。

 自分のスキルの効果くらいは知っておかないとだしね。


 他にもやれることなどを考えてから、俺の牢屋生活は始まった。


……………

……………

……………

……………

 

 そして、俺は16歳になった。



  ————————————————


新作です!!

評判が良かったら続けるので、⭐︎評価よろしくお願いします!!!





 

 

 

 

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