第3話
「っふっ、ぁっ、ねえっ、あとなんぷん!?」
「まだ2分も経ってないよ」
「もぉむりっ、ぁあっ、でそう、ああ、」
廊下のど真ん中で両手でソコを鷲掴みにしてぎゅむぎゅむと握りしめている同居人。大人の象徴であるスーツが霞むくらい、忙しなく動く太もも。そして、クシャクシャになった股間。道端でおしっこを訴えている子供同然の姿だ。
「な、なぁ、今日だけ、ゆるしてぇ、」
「だめ。今日許したら絶対お前反省しないじゃん。あといつまでそうしてるつもり?服着替えて手洗いなよ」
「は、はぁ!?そんなんっ、無理に決まって、」
「自分がどれだけ恥ずかしいこと言ってるか分かる?おちんちんから手離したらおしっこ噴き出しちゃう~って言ってるんだよ?」
「っ、んっ、っぃっ、」
急にカッと赤くなる顔。ああ、こいつにも羞恥心はあるんだ。でもプライドもあるようでよたよたと狭い歩幅で歩き、洗面所に向かっていく。
「っ~っ、」
片手でソコをつまみながら、片手で水を出す。冷たさと、水の質感は十分に今溜まっているものを想起させてしまう。ブルリと体が震え、足を組み替えることすら辛いのか、組んだまま動かなくなってしまう。
「っふぁっ、ぁあっ、あらった、洗った!!」
うわ言のように呟きながら、申し訳程度に濡らした手でソコを慌てて握りしめる姿。
「濡らしただけじゃん。だーめ。やり直し」
「っひぃ、」
「はいはい、あらいましょーねー」
なんだか本格的にいじめてるみたいだ。無理やり握りしめている手を引き剥がし、再び流れる水に持っていく。
「あ゛っ、ぁ、やぁっ、でる、」
柔く添えるようにして手の指を絡めてなぞるように擦っていく。俺より4cm高いはずなのに、膝が曲がりつむじが見える。
「石鹸使わないと菌はとれないからね」
「ひゃんっ、それ、だめっ、ちから、ぬけぅ、」
泡立てるように新の手を揉む刺激で面白いぐらいにビクンビクンと震えた。突き出しすぎた尻を支える足は硬直している。
「ちびった?」
「っひぃ、ちがっ、がま、できてる、」
もともと赤かった耳が一段と赤くなり、右膝を忙しなく交差し始める。
「ふーん。まあいいや。流すよー?」
新の手を掴むのをやめた瞬間、強い力で手をはたかれた。
「っぁっ、っはっ、ぁあっ」
もどかしい声を上げながらものすごい勢いで手を擦り合わせ、びちゃびちゃの手のまま、スーツにベルトを外し、ズボンの中に両手を突っ込み始める。
「せっかく洗ったのに意味ないじゃん」
「うるせ…っぃ、っんんっ、」
「そんな中途半端に着るんだったら脱がすよ。シワシワなっちゃうし」
もうなってるけど、と呟きながらずるりとそれを下ろす。もう抵抗する余裕もないのか、一点を見つめたまま性器をただただもみくちゃにしている。
「パンツびしょびしょじゃん。やっぱりちびったでしょ」
「ちげえっ、みずっ、みずだし!!、なあっあとっ、何分!?」
息も絶え絶えに今にも泣きそうな顔で訴えてくるが、ここで許したらこいつは絶対忘れる。漏らすくらいしないと記憶に刻み込まれないのだ。
「13分。」
「そっ、そんなっ、」
「てかお腹パンパンすぎ。こんなになるまでおしっこためてたらそりゃ漏らすよ」
「っひぁっ、さ、わんな!!」
シャツのめくれた先に出てきた白い肌。下の方がぷっくりと膨れており、手の先で押すと腹筋かと思うほど固かった。
じゅぅ、
定期的なジョギングの賜物である引き締まった太ももを一本の水流が流れるが、気づかないふりをして話しかける。
「今日最後におトイレいったのは?」
「っはっぁ、ひるやすみっ、かいぎ、はじまるまえっ」
「へー…今は何時かな?」
「6じ、よんじゅっぷん、だけど、」
「うんうん、だよね。いつでもトイレに行けて?駅にもあって?」
「う゛…」
「それで通勤時間がたった30分。どこにギリギリになる要素があるのかな?」
「ないっ、」
「幼稚園で習わなかった?おしっこは早めに行きましょうって。」
「っはいっ、」
「新の周りにいる?おちんちんつまみながらトイレに走る人」
「いえだけだもんっ、」
「家族にいるの?」
「…いないっです…」
「だよね。すっごく今恥ずかしいことをしてるの。自覚しな?」
「っは、い…」
ぶるぶると震えた足で目に涙が浮かび始める新。羞恥に染まった顔。やりすぎたかもしれない。
「まあいいや。もう時間もったいないし。今から1分半手ぇ離して我慢したら行って良いよ」
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