荻野 和(おぎの のどか)

第1話 朝

少し肌寒い空気が体を包み込んでいる。身体の芯が暖かく、ひんやりとした空気はあまり嫌な気はしない。それどころか、布団でだらけた身体の表面をキュッと引き締めてくれているみたいで、好きだ。徐に窓を開けると、輝かしい光が目に飛び込んでくる。部屋の電気とは違う、気持ちよくて、暖かくて、眩しい…こうして特徴を挙げると要素としては部屋の電気とはあまり変わらない。ただ、何かが違う。毎日考えれば、その違いが言葉で言い表せるのだろうか…。こうやって漫然と考える内に、身体の内と外が溶け込んでゆく。ゆっくり、じわじわと。


1日が始まった。

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