スキルツリーと往く異世界攻略記 〜俺だけ使える《スキルツリー》であらゆるスキルを獲得して異世界を生き抜く!〜

いふる〜と@毎日七時投稿!

幼年期編

第1話 転生したら農家だった件()笑えねぇよ!!


「いったいどうなってる?これ?」


そう呟くのは、珍しい黒髪黒目の3歳ほどの少年。自分の記憶の中にある限りだとカイラという名前の少年だ。そしてここは明らかに木と藁で出来たボロい家、身につけている衣服もぼろぼろだ。


「あれ?俺さっきまで寝てた気が、、、」


ちょっと状況を整理しよう、俺は現代日本で育ったゲーマー。さっきまで3徹の影響で爆睡してたはずなんだけど、これってもしかして異世界転生ってやつなのでは?


しかもご丁寧に記憶はある。俺はデルタ王国の最西端、辺境のマハト村に住むカランという父親と、アカリという母親から生まれた。そんな出生だ。


「いやにしても、こんなのラノベだけだと思ってたんだがなぁ。」


【称号獲得、《異世界転生者》を獲得しました。経験値の取得率が1.5倍に上昇します。】


「うわびっくりしたぁ!?」


メチャクチャボロくて今にも壊れそうなソファーに座っていると、いきなりそんな音声が脳内に鳴り響き、目の前には半透明のウインドウが出現する。ウインドウの中身はこうだ。


◆◆◆◆◆


カイラ レベル2 


筋力 E

俊敏 E

魔力 E

器用 E

耐久 E

幸運 E


《スキル》 (残りスキルポイント10)


各種魔法一覧

各種武器スキル一覧

ets………


◆◆◆◆◆◆


「これスキルツリーだぁ!!!!!!」


確信した、俺の中のゲーマースピリットがこれをスキルツリーだと確信した。しかもご丁寧にスキル一覧も乗せてられており、試しに各種魔法一覧をタップしてみるとそこには火魔法や風魔法、水魔法等の魔法が出てくる。そしてその隣には必要なポイントが乗っていた。


「取得ポイント、30だと、、、」


今の俺のスキルポイントは10、到底取得できるポイントは持っていなかった。それはもうあまりにショックでショックで、3歳ながら涙を隠せない。


「いやちょとまて、これはスキルツリー。てことはレベルを上げればスキルポイントが貰える、しかもさっきの謎アナウンスで経験値1.5倍とか言ってたしこれはチャンスじゃないか?」


そうだよレベル上げだよレベル上げ、ポイントが無いなら稼げば良い。なぁに安心してくれ、家は農家で農業以外は時間が有り余ってる。いくらでも修行できるってわけだな。それに農業って過酷だしそれだけでこのオールEの貧弱ステータスも上がるでしょ。


「やっべ考えたらテンション上がってきた、ちょっくら外出てみようかな。」


そんなこんなで、脳内にある記憶を頼りに外に出ようとすると玄関には俺の探し求めてはいないがメッチャテンション上がる物が置いてあった。


「木剣だと!?そんなの使うしか無いだろ!!」


そう木剣である、異世界転生醍醐味の木剣である。みんな修学旅行で買ったでしょ?それが現実で真面目に振れるのだからテンション上がらないわけ無い。


「うぃー想像以上に田舎だけどまぁいいや。よし、早速振ってみるか。」


これまたボロい玄関を出て、農地じゃない開けた場所に留まる。俺はニヤニヤを抑えきれないためクソキモい顔をしているがそんなのはどうでもいい。よし、行くぞ!


「うおっ!?」


木剣を上段に上げて一振り。だが俺は考えていなかった、俺の体は未だ3歳のために思い切り重たい木剣を振り下ろしたら体がメチャクチャ痛いという事を。


「ぐおおっ、、、肩が、、、」


今の一回の素振りだけで、3歳の未熟な肩は壊れてしまった。うんバチクソに痛い。


(うんうん、俺は学習した。まずは走り込みとか筋トレで肉体を鍛えてからにしよう。)


俺はこれでも前世では頭は良かったんだ、その頭の良さを使って投資をやって人生のすべてをゲームに捧げてたから意味無いけどな。


「ようし、頑張るぞ!!」


気合を入れるためにわざとらしく宣言してから、俺は木剣を放り投げて村中を走り回るのだった。



◆◆◆◆◆◆◆



「はぁ、、、疲れた、、、」


「もうカイラったら、いつも運動なんてしないのに今日はどうしたの?」


「目覚めたんだよ、色んな意味でね。」


「さすがは俺の息子だな!もう少し大きくなったら父さんと狩りに行こう!!」


「本当!?早く行きたいなぁ!」


「もう、まだ3歳なんだから辞めてよね。」


何回もボロいというのは失礼だが相変わらずボロい家で、家族全員が一同に会す。簡単に言えば食事だ。


ちなみに母親であるアカリは赤髪赤目のボブでメッチャ美しい。3歳だし親だから性欲はまったく感じないが、前世の俺ならば一目惚れしていたところだ。父さんであるカランは茶髪の蒼目、180はあろう身長にゴリラと言って差し支えない筋肉を兼ね備えた漢である。マハト村で唯一レベル10を突破している狩り番でもあるらしい。


(でも、レベル上がった〜!今日の走り込みと筋トレは本当にキツかったからなぁ。)


俺は食事を早々に食べ終えて、スキルツリーを展開する。どうやら他人には見えないらしいので大っぴらに確認できる。


◆◆◆◆


カイラ レベル5


筋力 D

俊敏 D

魔力 E

器用 E

耐久 D

幸運 E


《スキル》 残りスキルポイント0


【剣術】レベル1 (4/100)

【筋力強化】レベル1(6/100)

【俊敏強化】レベル1(6/100)


◆◆◆◆◆◆


今日だけでなんとレベルが3つも上がったのだ、それによりスキルポイントも30増えたことにより、3つのスキルを習得した。


まずは剣術、取得スキルポイントは20で効果は剣を使用時に威力向上、スキルレベルに応じて剣術の動きに補正が入り、熟練度が100に達してスキルレベルが上がると【戦技】という必殺技も習得できる。


次にパッシブスキルである【筋力強化】と【俊敏強化】、これは名の通り常時発動型でスキルを取得したら死ぬまで永遠に発動する。効果は至って単純、筋力と俊敏のステータスを強化する。文面だと凄まじく軽いが3歳の体で50メートル走8秒を出せるレベルにはすごいぞ?30キロの漬物石も持てたしな。


「今日だけでこれだけの成長、、、明日からはもっと頑張ろ!目標は【魔法】の習得!」


「カイラ〜!早く寝なさい〜!」


「分かってるよ母さん〜!」


どうやら、俺の肉体ももう限界のようで硬い布団に倒れ込むとすぐに睡魔が襲ってくる。さて、明日は村でどんな筋トレをしようかな?






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