よもすがら
藤泉都理
小樂
「文太に、だまされたあああ!!!」
鬼のクローンであり、祓い役である
話が違う、これは慰労の旅ではない、結局、仕事で送り込まれたのだ。
鬼が島に。
呪いを祓うための戦力として、クローンが現場に投入されるようになった世界。
鬼のクローンとしてこの世に生を受けた
さてどうしたものかクローンの処分は禁止されているし。
祓い役として役立てそうになかった
式神使いであった文太は祓い役としては有能であったが、私生活となると、とんと面倒くさがってほとんど丸投げ。世話係に何人も送り込まれたが、みな、深々と頭を下げて文太の元から立ち去って行ったという。
汚部屋が好きではない、ただ家事をするのが面倒な文太は考えた。
送り込まれた世話係だからいけない。
自分の直感を信じて選んだ生物を世話係にすればいいのだ。
そうして、
文太は自分を褒めた。
自分は動かないくせに、あれやこれやと文太の細かい要求に応えてくれるのだ。
式神と全然違う。
呪いを祓う仕事以外に、誰がおまえの世話を焼くものかと背を向ける式神とはぜんっぜん違う。
ほろりと涙を浮かべた文太は、
相棒の式神犬、
頑張っているからと、文太は
「ふふ。
文太は縁側に座って、熱い緑茶を飲んだのであった。
(2024.2.3)
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