ロリコンおじさん看病される
やっべ今何時だ、ってかここどこだ。知ってる天井だが帰宅した覚えは無い。一体俺の身に何が起こったんだ
「目覚めたか、リコ」
「はい、ってオーナー!!」
なんでここにいるんだこの人、店じゃないのに。
「グッゴッホっ」
「大人しく寝てろ」
そういえば頭クラクラするし、咳止まんないしもしかして風邪か!?
「お前この様子じゃ覚えてないようだなぁ、ホント迷惑かけやがって。」
うわっこりゃ相当なやらかしをしてるな、後で謝っとかないと。
「あのっ、具体的に何やったんですか俺…」
恐る恐る聞いてみた
「はぁ…倒れたんだよお前。テルミに散々帰れコールしまくってたにも関わらず自分が一番理解出来てねぇじゃねぇか!バカモノ!」
ごもっとも過ぎて言葉が出ない、けどそんな予兆は無かったんだけどな。
「お前何年体調崩してない」
「軽い風邪ならありますけど、熱出したのはホント15年ぶりぐらいですかねぇ。」
「今回は店で倒れたから、俺たちがここまで運んだからいいものの、外だったらお前どうなってたか分かってんのか!?最悪のケースもあったんだぞ!呑気にしやがって。」
「それは本当にごめんなさい、営業はどうなりましたか?」
それだけが気になってた、ただでさえ人手不足だったんだその上俺が倒れて現場は大混乱だったに違いない。申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「病人が店のことなんか考えんくていい、弱ってるヤツに心配される程うちの店はヤワじゃない。」
亜紀ちゃんパパの言葉はキツイが確実に愛があり、いつも通りの調子なのがむしろありがたい。病人は気を使われる事が多いが、俺は苦手だ。
「そうなんですね。良かった」
「何も言ってないのに、分かったような口を聞くな」
「病人は大人しく寝ておきます、おやすみなさい」
相変わらず圧は凄いけど、オーナーの気持ちは俺に伝わった。
「じゃぁ俺は帰るが、何かあった連絡しろ。ここを事故物件にされちゃ困るからなぁ。」
これもきっと照れ隠しだろう、俺ずっと勘違いしてたかもしれない。ただのイカつい人とか圧が凄い人とばかり思ってたけど、従業員や店そして家族思いのいい人だって、テルミさんやマミさんが言ってた、人を見た目で判断するのを辞めたのはあの人がいたからだって、店のほとんどの人たちがあの人に恩があるってそう言うことだったのか。
「お粥だ、作ってくれたのかな。メモもある」
中身は出汁と卵としょうが
はよなおせ。
ご丁寧に具の内容も書いてくれる人が悪い人なわけない
「いただきます」
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