短編「片道ノ寄合」(完)

不可世

一話完結

人生という

片道の命を持ち

誰もが生きている


練習もなくて

常に本番

そんな線の上に皆立たされて居る


だから間違えも

痛みも

涙も

どうしようもなく並行している


生きて死ぬまでに

どれだけの惨状に合うだろうか

理不尽や圧迫感

制約に責任

全て一度以上経験する


そんな世界に

抵抗感を覚えるだろう

でもそれが共存するということで

多くに触れることができる事でもある


違う価値観

異なる美学

それは単に捨て置いては勿体ない

生きる事は身につけること

生きる事は分かり合うこと


だから多くに興じて

多くを見るといい

この一度限りの

命の希少価値は


ひとりでに終わらせるのは

いささか勿体ない

どうせ生きるなら

傷も悲しみも


全て迎え入れて

心に解き放つといい


きっといつか

理解して

新境地に辿り着くかもしれない


だから無下に

避けるよりは

背負って重厚な考えを抱えて

悩みつつ生きればいい


それこそ生を受けた

恩恵だと

私は思う


例えどれだけ

無謀な事を目にしても

それを取り込めれば


あなた多面性を用いれる

多くの場面で力になれる


だから悩みを捨てず

全てに意欲的になればいい


きっとそのほうが

楽しいはずだから


じゃ、こんな私の教えも

この場限りにしないで

どうか心中にとどめてほしい


もうあなたと私は

言葉を交わした仲だ


お互い搾り取れるところはまだあるはずだ

だからこれからも付き合ってほしい


いつか二人の心が一つになるまで

いろんな景色を見せ合って

感情を染めあって


多くの瞬間を何度も

刻みあおう


じゃ、これが、私の今日の言い分。

あなたは何を思って気づいたかな


いつか聞かせてね

私はあなたの回答を楽しみに待ってるから


ちょっと照れくさいけど


いつしかあなたと言葉以上に繋がりたいんだ

だからまた色々話すね


また寄っていってね

じゃ、ここまで。


また会える日をずっと待っているよ。

さよなら。

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短編「片道ノ寄合」(完) 不可世 @BEST-R-

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