第59話 天皇賞・秋とジャパンカップ


 ☆★☆★☆★



 『さあ! 最後の直線! アイアイサーが単騎先頭で入ってきた! リードはまだ10馬身ぐらいあります! 鞍上の井坂騎手の鞭が入る! このまま逃げ切るか!? 残り400を切って坂を登ってくる! 後続はどうか? ジェイソンキッドがここできた! 届くのか!? ネイチャークンも馬群を突っ切って上がってきたぞ! しかし逃げる逃げるアイアイサー! 残り200を切ってまだ先頭! このままG1初制覇なるか!? だが、ジェイソンキッドも凄い脚! 物凄い勢いでアイアイサーとの差を詰めてくる! アイアイサーか! ジェイソンキッドか! 2頭並んで……アイアイサーだ! アイアイサーが再加速! 最後は体半分抜け出てゴールイン!』


 「いよしっ!!」


 天皇賞・秋。

 大勢いるライバルを押し除けて逃げ切った。これでアイアイサーもG1馬だ。まさか、クラシックを獲れずに、3歳で天皇賞・秋を勝つ事になるとは思ってなかったけど。


 「やったな、アイアイ。これでエンマダイオウにリベンジ出来るぞ」


 「ブルルッ」


 首をポンポンと叩いてアイアイを労う。これで恐らく有馬の投票でも選ばれるはずだ。3歳のうちにリベンジする機会をもらえて良かった。


 オーナーさんや中田調教師には感謝だな。マイル路線に進む予定だったのに、ほぼ俺のわがままみたいな感じで方針を変更してくれた。


 今回の天皇賞・秋を勝った事で少しでもその恩返しになれればと思う。


 「絶対勝つぞ」


 「ブルルルッ」



 ☆★☆★☆★



 『3コーナーから4コーナーに入ったところで早くも女帝が動いた! 鞍上のアムーロ騎手の手が動いてるぞ!! それに追随するようにジェイソンキッド、ケミストリー、ヴェートーベンも動く! 最後の直線を前に一気に慌ただしくなってきた! 女帝アイリッシュが先頭で直線に入ってきた! 高低差2mの坂を力強く駆け上がっていく! 悲願のジャパンカップ制覇に向けて残り400m!! しかしジェイソンキッドも凄い脚で追い上げてくる! 天皇賞での雪辱をここで晴らす事が出来るか! そしてヴェートーベン! 菊花賞では惜しくも3着! 3歳後半で本格化した力をここで見せつけたい! 坂を登り切って残り200m! 先頭は依然アイリッシュ! 後続をじわじわと突き放しにかかる! 二番手争いは接戦! ヴェートーベン、ジェイソンキッド、ケミストリーが熾烈な争いを繰り広げる! 粘る粘るアイリッシュ! 後続が必死に追い縋るが、残り1馬身の差が縮まらない! アイリッシュだ! アイリッシュだ! 悲願のジャパンカップ制覇だ! 今1馬身差でゴールイン! 2着にはジェイソンキッド、3着にはヴェートーベン! ジェイソンキッドは天皇賞に続いて2着! またも後一歩届かなかったー!』



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 はい。って事で今章は終了です。

 今回のお話はお試しで実況の行間を空けてみたんですけど、どうでしょうか? 長過ぎると見にくいかなーと思いまして。これの方が見やすいなら、これからこうしていこうかなと思います。


 因みに今回の天皇賞・秋はパンサラッサが逃げ切れた世界線の2022年天皇賞をイメージしてます。実際作者は逃げ切れたと思ってガッツポーズしてました。くそったれ。あの時のイクイノックス強すぎんよ。


 次章はいよいよエンマ君の古馬との対決。アイアイサーとも再戦しますね。お楽しみに。


 ではではまた次章で〜。

 他の作品も良かったらお願いしまーす。

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