第11話 新馬戦
『第5レースは2歳の新馬戦です。芝1800m外回りコースの9頭です。1番人気は9番エンマダイオウ。一永調教師が現時点での2歳馬では頭抜けていると太鼓判。鞍上は滝宇鷹騎手です。さて、続々とゲートインしていき、最後はエンマダイオウ。これが収まって9頭ゲートイン完了。係が離れて…スタートしました。おっと! 1番人気エンマダイオウ出遅れました!』
「エンマ!」
ごめーん! 考え事してましたー!
人間の記憶を搭載してる俺はゲートなんて余裕っしょとタカを括ってたんだけど。
ちょっと自分の人気やらが気になりすぎて。俺だけ後方に置いてけぼりになっちゃった。
「エンマ落ち着けよ。ちょっと早い段階でスパートを掛けるからな」
俺は焦ってスピードを上げようとしたけど、滝さんにグイグイと抑えられた。
ほんとに大丈夫? これ、取り返しがつかないとかない? ちびっ子が見てるから負けられないんだけど。
『3番人気のヒガシカラニシが好スタート。そのまま一気にハナを奪うか。2番人気クラフトジャングルは中団です。さあ、先行争い。ヒガシカラニシが先頭。そのすぐ後ろ、5番人気キノコタケノコ、4番人気チャンピオンロードが続きます。エンマダイオウは最後方からのレースになりました』
うーん。競馬の事は良く分かってないんだけど、こんなゆっくり走って大丈夫なんだろうか。エンマ君結構余裕があるよ?
俺がもう少し競馬について知識があったらな。このペースじゃダメだとか分かるんだけど、俺はズブの素人だから。馬券の買い方すら良く分かってないからね。
「ちょっと遅いな」
滝さんはなんか指でトントンしながら時間を計ってるみたいなんだよね。
あくまで体内時計でだけど、滝さんぐらいなら結構正確なんだろうなって思う。
その滝さんも遅いと感じてるらしい。やっぱり遅いよね。調教よりはしんどいけど、まだまだ余裕があるよ、エンマ君。
『3.4コーナー中間点。エンマダイオウがジリジリとポジションを上げてきた。そして今1000mを通過。1000m通過タイムは1:02.7。これはスローペースだ。先頭は変わらずヒガシカラニシ。最後方のエンマダイオウが一気に上がってきた。9頭固まっている! 9頭が固まって直線コースに入ってくる!』
「良し。動くぞ、エンマ!」
滝さんが俺の手綱を緩める。
待ってましたとばかりに俺はスピードを上げる。これってもうラストスパートな感じ?
出し切っちゃっていいのかな? いや、鞭でビシバシやられてないから、ちょっと余力を残しておいた方が?
分からないけど、とりあえず一番外からグイグイスピードを上げていく。
やばかったら滝さんが止めてくれるでしょと思いながら、1頭、また1頭と外から抜いていく。
「凄いな」
なんか滝さんがボソッと呟いたような?
ちょっと聞こえませんでした。もしかしてペースを上げ過ぎたかなと思ったけど、手綱を引っ張られてる訳でもないし大丈夫か。
ってか、他のお馬さんは鞭でビシバシやられてるけど俺には?
いや、それがなくても抜けてるから無理にしてくれなくても良いけどさ。
あれは人によっては痛いし。でも滝さんにしばかれると活が入るというか、やる気が出るというか。
『先頭はまだヒガシカラニシ! クラフトジャングル、チャンピオンロードもきたぞ! キノコタケノコはここで一杯か! しかし! しかし! 外からエンマダイオウ! 外からエンマダイオウ! 出遅れなんてなんのその! 馬なりで一気に上がってきた! エンマダイオウだ! 残り200を切ったところでエンマダイオウが先頭に立った! 一気に抜けた! エンマダイオウが一気に先頭へ! ヒガシカラニシが粘るがその差は広がっていく! エンマダイオウ! エンマダイオウだ! エンマダイオウが今ゴールイン! 最後は鞍上の滝騎手持ったまま! 完勝です!』
「良し。勝ったな」
滝さんにグイグイと引っ張られたから、スピードを緩める。
もう終わり? スピードを上げて気持ち良くなってきたなと思ったら終わった。
あの白いゴール板みたいなのを通ったらゴールなのかね? 通り過ぎる前から、ちょっと手綱をクイクイやられてたから分からないんだけど。テープとか用意しておいてくれないと分かりにくよ。
「全く。スタートでこけた時は焦ったぞ」
滝さんに首辺りをペシペシされた。
普通に気持ちいいけど。怒ってるのかな?
ごめんね。ついつい考え事しちゃって。
次から俺の人気とか教えておいてもらえます? どうしても気になっちゃうから。
でも今回一等賞だし、次はそれなりに人気するんじゃないかなと思ってるんだけど。
次は9番って事はないよね。
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実況って書くの難しいですね。
何回も実際の競馬を動画で見ながら書いたんですけどどうでしょうか。
あれを実際にやってるアナウンサーはすげぇなって思いました。
後、馬の名前。
いっぱい考えなきゃ。
そのうち募集しますので協力して下さいw
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