第8話 ステータスを確認する 二回目

「ステータスオープン」


 別に口に出して言う必要はないんだけどね。

 気分だよ、気分。

 疲れたあなたにステータス。 どんな時にもステータス。

 ファイトいっぱーつ。



クドウ カズト

レベル2

HP :15/15→18/18

MP :1/1→2/2

力  :13→15

耐久 :12→13

敏捷 :19→22

器用 :19→22

魔力 :0

対魔力:0

SP :2→22

JP :0→10


職業 

密偵LV4


固有スキル 

早熟


スキル

忍び足LV2、観察LV2、聞き耳LV2、隠密行動LV2

肉体強化LV2、ストレス耐性LV1、恐怖耐性LV1、敵意感知LV1、危機感知LV1、アイテムボックスLV1



 全体的に数値が上がってるな。

 レベルが上がった恩恵だろう。

 職業の影響か、敏捷と器用がちょっとだけ伸びがいい。

 んで、一回のレベルアップで、SPが20、JPが10獲得か。

 結構入るんだな。


 どうするか?

 今すぐこの場では危険だよな。

 『敵意感知』には反応はない。

 でもこのゴブリンが死んだのに気付いて、他のゴブリンが集まってくるかもしれない。

 先ずは移動しよう。

 洗濯機を収納し、落ちていた青い小石を拾う。


「やっぱ、魔物を倒すと死体が消えて、小石を落とすのな」


 最初の犬は紫色の小石。

 ゴブリンは青色の小石の様だ。

 心なしかゴブリンの小石の方が小さい。


「収納」


 とりあえず拾った小石はアイテムボックスに入れておく。

 さあ、移動しよう。




 とりあえず自分の部屋に戻ってきた。

 大丈夫だ。ここにモンスターは居ない。

 途中で何度も後を付けたり隠れてるモンスターはいないか確認したから、多分大丈夫。


「しっかし怖かったなー」


 ゴブリン一匹であれだ。

 道路を闊歩していたオークになんて遭った日にゃ、どれだけ怖い思いをするんだか。


 先程の戦闘。

 ぶっちゃけ、洗濯機で押し潰した後に、はみ出てる部分を包丁で刺せばそれで良かったんだけどなー。

 いざ、刺すってなったら、中々厳しかった。

 うん。生き物を刺すって、想像以上にプレッシャーだわ。

 こんな世界になっておいて、何を言うんだと思うかもしれないが、これ本当。

 ゴブリンと言えど、刺すのってすげー勇気がいる。

 ビビりだのゆとりだの笑いたきゃ笑え。

 マジできついし、怖いんだってこれ。

 まあ、洗濯機での撲殺も大概だけど。でもそれはそれなのだ。


 でも次からはあんなうまく行くとも限らないしなー。

 今度は何とか『覚悟』を決めなければ。


「にしても、アイテムボックスの有用性は凄いな……」


 問答無用の物理攻撃。

 出せるのは俺の前方だけだけど。

 それにしたってその破壊力は凄い。


 先程の洗濯機を取り出してみる。


「うぇ……底の方にべっちょりゴブリンの血が付いてる……」


 ゴブリンの血は青いらしい。キモッ。


「あれ?そう言えば、ゴブリンの体は消えたのになんで洗濯機についた血は残ってるんだ?」


 モンスターは死ねば、体は消滅して小石が残る。

 多分これは間違いない。

 だが、体の一部である血糊は消えずに残ったままだ。

 どういう仕組みなんだろう?


「ま、考えても仕方ないか」


 それよりも現状だ。


「とりあえず、ステータスを整えたら今度は二階だな」


 その次に一階。

 んで、次に近くのコンビニだな。

 多分、もう荒らされてるだろうけど、ある程度の食料は確保しておきたい。

 それにもしかしたら他の人に会えるかもしれないし。

 


 でも、とりあえずはステータスを整えよう。

 先ずはゲットしたジョブポイント10。

 これを密偵に費やす。


≪JPを5消費して密偵のLVを上げますか?≫


 勿論、イエス。


≪JPを消費しました。密偵がLV5に上がりました≫


≪LVが一定に達しました≫

≪スキル『敵意感知LV1』を獲得しました≫

≪スキルが重複している為、既存の『敵意感知LV1』に統合されます≫

≪敵意感知LV1がLV2に上がりました≫


 あれ?

 また敵意感知を獲得した?

 もしかしてジョブのレベルが上がれば、新しいスキルが手に入る事もあるのか。

 それで、既存のスキルのそれがあった場合は、統合されると。


 へぇー……最初に言えや!

 そう心の中で突っ込んだが、当然返事はなかった。


 次にSPだな。

 残りのポイントは22。

 これをどう割り振るか……。


 先程のゴブリンの襲撃を思い出す。

 『隠密行動』をしていたにも拘らず、俺はゴブリンに気づかれた。

 『敵意感知』は発動していたにも拘らず、ギリギリまで俺は反応できなかった。


 この事から察するに、スキルは万能じゃない。

 そしてレベルによって、効果に差があると考えるべきだろう。

 

「『隠密行動』で相手にばれたのは、多分直前に俺が声を出してたからだろうな……」


 ノックもしてたし。

 相手に悟られるような行動をとれば、『隠密行動』は途端に効果が薄くなるって事か。

 でも、LVが上がればどうだろうか?


≪SPを3消費して、隠密行動のLVを上げますか?≫


 イエス。

 同じようにSPを消費して、『隠密行動』のLVを4まで上げる。

 これで残りは15。

 あとは『危機感知』を3に、『肉体強化』を3へ。

 そしてアイテムボックスのLVも3まで上げる。

 便利だからね、アイテムボックス。

 一家に一台、アイテムボックス。



「ステータスオープン」


クドウ カズト

レベル2

HP :18/18

MP :2/2

力  :15→20

耐久 :13→18

敏捷 :22→30

器用 :22→30

魔力 :0

対魔力:0

SP :2

JP :5


職業 

密偵LV5


固有スキル 

早熟


スキル

忍び足LV2、観察LV2、聞き耳LV2、隠密行動LV4

肉体強化LV3、ストレス耐性LV1、恐怖耐性LV1、敵意感知LV2、危機感知LV3、アイテムボックスLV3



 これで良し、と。

 いや、良いかどうかは分かんないけどね。

 でも一番最初のころに比べればかなり上がったよな。

 さて、もう一度外に出よう。


 あ、そうだ。

 探索するついでに、食えそうなものがあれば、片っ端からアイテムボックスにぶち込んでいこう。

 え?窃盗?犯罪じゃないかって?

 こんな世紀末な世界になっておいて、何を今更。

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