第25話 ベルリスと行方不明・後編
前回のあらすじ
ベルリスと行方不明になったジェシカたちを探していたらUFOが現れ、まさかの宇宙人が出てきちゃった。
「皆をカプセルから出してよ!」
「コトワル。ワレワレハモクヒョウガアルノダ」
そう簡単に出してくれる訳にはいかないか。
モクヒョウとは一体なんだろうか?
「どういうこと?」
「カプセルノナカヲミロ」
カプセルの中を見てみる。
カプセルの中から何やらエネルギーみたいなのが出ているのが見える。
「これは?」
「ソレハ…ユリエネルギー」
「ユリエネルギー?」
ユリエネルギーとは?知らない単語が出てきた。
「ユリエネルギーハ、ユリゾクセイヲモツニンゲンカラデテクルサイキィウノエネルギーダ。ソノエネルギーヲニンゲンカラウバイ、ワレワレハサイキョウニナルノダ」
なんか知らないけど、宇宙人は人間からユリエネルギーを奪いたいらしい。
「奪われた人間は…?」
「ゲンキガナクナル。ワレワレガゲンキニナルカラダ。ヤガテヒカラビルダロウ」
ヒカラビルと聞くと恐らく干からびるのことだろう。
このままじゃここにいる皆が大変だ。
「させないよっ!」
私は杖を出す。
「私も行こう」
ベルリスは剣を抜く。
「ハッハッハッハノハ。カカッテコイ」
私は杖から宇宙人に向けて土魔法を放つ。
だが。
「キカナイ」
宇宙人には無効だった。
「そんなっ…」
火魔法も使ってみるが、無効だった。
「私も!」
ベルリスも宇宙人に剣で攻撃するけれど。
「何!?」
全く効果がない。
「ワカッタダロウ?ワレワレニハムカウノデハナイ。ワレワレコソガサイキョウダ」
宇宙人から最強っぽいオーラが出ている。
どうすればいい?
「エリム…私は…私は…」
「大丈夫だから…一緒に頑張ろう…」
ベルリスはオーラに怯えてしまったからか私に寄り添って甘えてきた。
ここでまさかの。
「オォ…」
宇宙人が何やら反応を見せた。
「え?」
「スバラシイ…スバラシイユリダ…モットミセロ…」
「どうしよう…」
モットミセロと言われても私はどうすれば良いかが分からなかった。
ここでベルリスがこっちを見てくる。
「良いだろう。これでどうだ?」
ベルリスは私に抱きついてくる。
「ソレダ…ソレダ!モットダ!」
宇宙人は何やら喜んでいる。
「では…」
ベルリスは私を押し倒してくる。
「ちょ!?ちょ!?」
ベルリスは顔を近づけてくるので焦る。
「アトチョットダ!」
宇宙人はかなりはしゃいで見ている。
「こうなってしまっては仕方がない…皆を守る為だ」
「何するのさ!?」
「私のファーストキス…受け取ってくれ…」
そしてここでベルリスが私にキスしてきた。
ベルリス、自分がキスしたいだけなんじゃないか?と疑いたくなるが状況が状況なのでツッコミ入れないでおこう。
「サイコウダ…ワレワレハコレデサイキョウニナッタ…カイホウシヨウ…」
カプセルのドアが次々と開いていく。
「あ、空いた」
「これで一件落着だな。もうそろそろ起きる頃合いだろう」
UFOが地上に降りていくのが景色を見て分かる。
「さて…皆が起きる前に…」
「うん?」
ベルリスが私の手を引いていく。
「えっと…何?」
誰もいない部屋にまで連れてきた。
「何ここ?」
「分からない。だが、これがある」
ベルリスが部屋に設置してあったベッドを見つける。
そして。
「いくぞ!」
「何さ!?」
ベルリスは私をベッドに押し倒してきた。
「ちょっとちょっと!?何する気さ!?」
「私とエリムにとって大事なことだ!」
大体予想はついた。
けれど、普通UFOで大事なことする!?
「行くぞ!」
「ここで!?待って待っ…」
私が何かを言おうとした瞬間、ベルリスは私にキスしてきた。
「ちょっとぉ…話ぐらい聞いてぇ…」
「話聞いてたら皆が起き、そして地上に着いてしまうだろ!それならさっさと進めるしかない!」
ダメだこの人。
全く話を聞いてくれない。
「エリム!うおおお!」
「ベルリスー!」
そして次の日の朝
「エリム、おはよう」
「うん…おはよう」
ベルリスの声と共に私は起きる。
昨日の夜、何があったのか記憶が全くない。
「あれ?皆は…カプセルから出た」
「安心しろ。全員、既にUFOから出ている」
「良かった…」
私とベルリスもその後、UFOから出て地上に降りてきた。
「それで…エリム、話がある」
ベルリスが私の方を真剣に見つめてくる。
「どうしたの?」
気にはなるので聞いてみる。
「誰かと付き合いたいとか…考えたことはあるか?」
昨日、ベルリスとキスしてしまったが私自身は誰が好きってのが明確的に分かっていない。
「…まだないかな」
ここでの返事はこの先に大きく関わってきそうなので慎重に回答する。
「そうか…」
ベルリスは横を向いた。
「でもさ?これは聞いて」
「なんだ?」
すぐにベルリスはこちらを向いた。
「いつか…ちゃんと分かったら言うよ。私が誰を好きなのか…ってね。だから…」
「それ以上は言わなくて良い。分かった。もし、答えが出たら私にも言ってくれ」
「そうするね」
ベルリスは笑顔でそう答えた。
私は将来誰と付き合うのだろう?
そう将来を予想しながら家に帰るのだった。
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