金魚のフンに刺さる視線

「ここから上は狂暴な野生動物の出現が多いって聞くぞ? それなのにこんな金魚のフンみたいに何もできないのを連れてこの上に登るのか?」


「タイミング的に明日じやないと調整ができないから仕方ないんだよ! それに朝立に挑戦させてみたいんだよ!」


 

 「神殿までいけばなんとかなりますよね?」


 「ああ、ピアノは神殿にあるから全く問題ない」


「問題はここから先なんだよな! 朝立を連れていけるかどうかなんだよな?」


 どうやらモス大陸に一番くわしいプラグちゃんと津島、そしてバーニーとベニスおばさんの会議。


 あたしは完全に蚊帳の外、しかも金魚のフン扱い。


 何も活躍できる場面がなくてあたしは部屋の隅で聞き耳をたてているだけ。


 だけど風の流れはおもわぬ方向に……。


『せめてエーデル島のアリアだったなら……。』


  と、津島はアリアの事を知っているらしい。



「アリアと同等、できればそれ以上なら、あのピアノも復活できるかもしれないんだけどな」


 

 「それならカノン様が一番じゃないかねぇ? カノン様の実力はアタシらが一番知ってるからなぁ……。」


 とベニス。

「エーデル島の奏人だったって話しだよな?!」


 金魚のフン扱いされて一同の視線が集中。針のむしろという見えない針でチクチクしていたのが、その攻撃力が視線の集中という攻撃力にレベルアップ。


 イ……。 いたい、痛い! 


 そして、話しは進み明日は朝早くからあたしを守りながら人を選ぶという噂のピアノへ向かう事になってしまったというワケだ。


 

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