彼の名は、津島紀之
『わあぁっ』
背後でジャリジャリと誰かが地面の砂を靴底でスクラッチする音。
人の気配? と振り向こうとした時だ、背中をドンッと押され、「わぁっ!」と叫ばれる。
突然のことに、「ウキョァァァッ!」と声にならない奇声をあげて跳び跳ねる。
よりにもよってタイミングが悪すぎる。 怪現象の事を考えていたせいで、想像以上のリアクション!
地面に着地した時には四つん這いになり、ちょっとチビったなんて言えない。
ドキドキと鼓動する胸の動揺、心臓が口から飛び出てきそうな状態で息と心臓を整えているのだが、
「あっははははは!」
人を脅かして大笑い。
よっぽどツボに入ったのだろう。
あたしは睨みつけながら顔を覚えてやる。
「やぁ……。ここまで誰かが来るなんて久しぶりだね、こんな山奥にどうしたの?」
黒髪で黒髪、凄く瞳が綺麗な男性。 どこか親近感の沸く日本人の顔立ちとこの世界の言語ではない日本語。
だけどみたことのない顔に聴いた事のない声。
初対面。
彼が話しかけてきてもムゥ! と唸り声で返すしかできなかった。けど、このやり取りで日本人だと言うのがわかる。
「えと、日本からきた日本人じゃなかったかな?」
聴き馴染みの良い日本語から
「日本語じゃ通じなかったかな? ……。ωωДσσДωこんな山奥にどうしたのかな?」
この世界の言語、これであってるとおもうけど……。
と付け足し、そこから彼は津島紀之と名乗
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます