ンコヒーは成金の娘。 成金に売られたケンカ
「アリアさまぁ~来てくれたんですねぇ!」
出迎えてくれたのはンコヒーだ。
あたしの顔をチラチラと見る程度で、ほとんどの視線はアリアに持っていかれている。
どうやら、あたしはンコヒーに嫌われてしまったかのようだ。
同性だからわかる複雑な、心境。
というよりもあからさまに避けられてるのがわかる一方で、ンコヒーはアリアとあたしの、実力の差を推し量られたようだ。
自分が尊敬する人が誰かの格下になってしまえば格上の誰かにいい感情は抱くことは不可能だろう。
場所はつい先程訪れたンコヒーの屋敷。
財力にモノを言わせた屋敷はこの島で一番大きいのかもしれない。
だからこそこの屋敷に周辺の人達が寄り合う事ができる広さを持つ別館まである余裕ッぷり。
しかも金持ちオーラは健在で独特の匂いにあたしの鼻は曲がりそうになる。
彼女が成金で裕福な階級だからといってこの島の富裕層ばかりを集めるということはできない。
むしろ、この島の富裕層はンコヒーの家族だけ。
別館に多くの人が集められ、この周辺の住民は全員いるような感じだ。
その中で一際お腹がぽっこりした伯父さん。
光り物を身につけているのはもちろん顔つきがどことなくンコヒーに似ているから間違いないはずだ。
「ようこそようこそ、アリア様と新しい奏人のカノン様、今日はアリア様の
演奏だけではなく、カノン様の演奏も聴かせて頂けるのでしたらワタクシどもも勉強にもなります。 どうか一曲お願いできますでしょうか?」
と、ンコヒーだけでなくその父親もあたしを見定めるような目付き。
いいじゃない、その挑戦のってあげるわ。
あたしとアリアは館内中央に用意されたピアノへと足を運ぶ。
「アリア……、ピアノに関して売られたケンカはあたしは買ってあげるつもりなの。みてなさい! ンコヒーもそのおやじも鼻っ柱へし折ってあげるから!」
それだけいうとアリアは全て察したかのようにニッコリ笑ってあたしを取り囲む観衆の中に座る。
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