AREAキタキュー:03
CHILDROCK2
第〇九嘘 疾風のカイジ
「アルベルトさんの資料は旅の指針だね」
「うんうん、でも、KissとREVERSIは
使役頻度が低いんだね」
「そういう運命のUNLOCKも中には。
イエクくんにとってKissは
どんな存在なのかの?」
「ううん、秘蔵っ子っていうほど隠し種って
訳でもないし、放流するほど
疎遠って訳でもないような……」
「アタシのMICAWISHの攻撃手段は
どうすれば機能するかしらん?」
「資料のように熱湯鉄砲持たせてみたら?」
キユスが気安く発言。
「ほう、正に鉄砲魚じゃの」
愉快そうにアルベルトが笑う。
「マハラジャンテは新天地で上手くやってるかしらん?」
心配するマゲス。
「属性的には【光】ですからね。
【闇】反発に遭わない限り、劣勢にはならないかと……」
風間長夢がデータを基に発言する。
そんな時だった。GPS設定していた黄色い点滅が
突如として万能水晶上から消えた……。
明らかにマハラジャンテの容体が危険だ。
GPSを頼りに、生命反応が消えた地点に向かう一行。
使い古された雑巾のようにボロボロのマハラジャンテ。
「何が? 一体、何があったのじゃ?」
「危険な……属性……舞う、転じて……」
それだけ言葉をこぼすと息絶えるマハラジャンテ。
【光属性】マハラジャンテ、再起不能……。
「嘘だろ? こんなのあんまりだよ!」
戸惑いを隠せないキユス。
「ううん、全く予想してなかった……」
SLIMY☆ADAMASをして
敵わない相手が居るというのか……?
「さいわい、かろうじて心音は聴こえまする。
じゃが、LOCKERとしての再起は
難しいかも知れんの……」
非情のようだが、これ以上戦わせる訳には
いかない状態だ。
「舞う、転じて風と成す……じゃないですか?」
風間長夢が発言する。
「同朋をやりやがったのは『風属性』かっ!」
怒りに震える鷽月雷夜。
「くだんの『風属性』能力者は、
火・地・光属性を支配すると、資料に……」
「AREAキタキューで検索すると
疾風のカイジがHIT! しますな」
「疾風のカイジ、別名:HAWKEYES」
「勝てるのか? 奴は三属性持ちだぞ?」
三属性に精通することは確かに恐ろしいことだ。
特に【光属性】のスペシャリストの
マハラジャンテと競り合って制したという事実。
真の実力者を思い起こさせる。
「万能水晶で赤・緑・黄の点滅を追いましょう!
短期決戦ならこちらにも分があるかも知れませぬ」
アルベルトの見立てで合っているだろうか?
マハラジャンテの倒れた位置からGPSを起動。
しかし、それらしい三点点滅は起きなかった。
「ねえ、立ち止まってどうすんの?
マハラジャンテちゃんを無駄死にさせんの?」
「ううん、そんなつもりじゃ……」
否定癖が出始めるイエク。
「とにかく、マハラジャンテを病院に。
疾風のカイジの情報はその後、聴取しましょうぞ」
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