第10話 PV1億? マジやばいって

 十分後、気絶していた二人は意識を回復した。

 スマホを3メートル離して置き、二人で見る。

 近くでまともに見る度胸は無い。


陽翔はると~ なんかやっぱりケタが半端無いよ」

「壊れたんじゃないか? そうであって欲しい」

「どうするの~」


「どうするったって……逃げる? 海外逃亡」

「はあ? バカ? 逃げてどうするのよ」


「もうこりゃ手に負えないよ」

「やっぱり警察に行く?」

「ああ、今度は何とか動いてくれるだろ」


 二人は近くの交番に出かけた。

 しかし、もう国中の人気者になっている二人を見た警官は、慌てて奥に引っ込み、顔だけ出してシッシッと手を振る。


「何あれ?」

「来るなって言っているみたい」

「出たよ。今度はトラブルメーカー扱いだよ」

「まあ、あながち間違ってはいないけど」


 その後なんだかんだあって、二人は警察やら行政やら大学の先生やらと相談することができた。


 この現象の正確さはすでに東京地震の件で実証済みであるため、今回は本格的な対策が検討されることになった。すったもんだの議論の上、アクションが決まった。


 政府による緊急の記者会見が始まった。


「国民の皆様、緊急の報告があります。東京地震の件で判明した不破さんのスマートホンの写真の数字なのですが、かなり桁の大きな数字が確認されております。結果、約2か月後の6月20日に日本で未曾有の大災害が起きると思われます」


 官房長官の説明は続く。


「そこで、国民の皆様におきましては沖縄方面、又は海外への一時避難をお願いすることになります。どのような災害か今の所わかっておりませんが、慌てず計画的に移動する準備をお願いいたします」


***


 ヒナはつぶやいた。

「来るところまで来ちゃったよ。まさかね、超大災害が起きるなんてね」


 でも、今回はみんなが信じてくれてるから楽だよ。早く逃げてくれるもんね。


 <ピンポーン>


 誰か来た。うわスーツの人達だ。怖っ。

不破ふわさん、政府からの要請で来ました」

 なになによ?


「えーと、今回の予測災害の件ですが、中心はどの辺でしたでしょうか?」

「はい、東京の西の方ですが……」

「何をお願いしにきたか分かりますね?」


 スマホの写真をちらりと見た。


- 102,121,000 -

 一億突破してるじゃん。日本全滅ですか?


「わかったよ、わかりましたよ……」

「たいへん申し訳ありませんが、災害中心にとは言いません。6月20日まで都内に滞在していただけますよね?」


「はい……」


 やっぱりそう来ましたか。わかっていましたよ。人助けだからね。でも今度はさすがに私は助からないだろうな。

 何が起きるのか知らんけど……


 🟢<<第1話に続く>>🟢

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