第4話 第4の災い

 2023年12月に入って、事件は起きた。

 例の3枚の写真の件があってから、1年前以降の写真は時々チェックするようにしていたんだ。

 そしたら1枚の写真に数字が浮かんできた。

 

 - 1 -


 びっくり。予言の数字が出た。

 写真は羽田空港。撮影したのは去年の1月。

 旅行で出発した日だ。

 さらに驚いたのは、数字が増えていくこと。

 

 - 4 -

 - 13 -


 この数字って変化するんだ!

 しかも私がスマホを手にした時だけ。

 陽翔に渡すと、数字が止まっちゃうんだ。


 私、時々小説を投稿しているんだけど、そこのPVみたい。だからこれをPVって呼び始めたんだ。怖いPVだよね。犠牲者数だから。


 前の3枚の写真の数字は変化したことが無かった。おそらくイベントが起きちゃった後は値が固定するんでしょ。


 イベントが起きる前は変化するのか…… 

 増えていくのは恐ろしいよ。

 

 どうするか陽翔と1週間悩んだんだけど、その内にあることに気が付いた。スマホ持って羽田に近づくと今度は数字が減るの。減るのはうれしいけれど何で?


 もう一度警察に持って行って数字が変化するのを見せたら、今度は笑われた。

「面白いね。手品?」だって。バカにして。


 - 303 -


 数字は一時300を超えたんだけど、数字を減らすために年末から羽田のホテルに泊まるようにしたら30くらいまで減ったんだ。


 - 31 -


 ちなみに1月1日に別の場所で大きな地震があったけど、残念ながらそこには行っていなかったから写真は無かった。


 羽田の写真は1年前の1月2日、17時47分だったから、2日はスマホを持って数字が減るように空港中を陽翔と歩き回ったわ。

 そうしたら数字が5まで減った! やった!


 - 5 -


 数字の変化から、どうも滑走路で起きそう。


 空港の警備の人に訴えた。17時47分に地震か何かが起きます、5人が亡くなりますよって。警備の人は怪訝な顔をして、私達は連行されそうになった。爆破テロかもって思われたみたい。


 仕方なく固唾を飲んでその時間を迎えたわ。

 そしたら案の定あの事故が起きた……

 ものすごい炎が飛行機を包んだ。

 あんなの見たことが無い。


 私は号泣したの。

 だって私達だけがこの事を知っていたから。

 この事故を防ぐようなチャンスがあったのは私達だけだったんだから。


 私は陽翔に言った。誓った。

「今度は何が何でも絶対に犠牲者を出さないようにしよう」って。

 

 それから2か月。

 3月になって、運命的な騒動が起きたんです。


----------------- 謎の数字の解説 ----------------

・写真の1年後の災害の被害者数を表わす

・災害の日が近づくと現れ、徐々に増える

・ヒナが災害の場所に近づくとなぜか減る

 =彼女は現場に行かないといけません(泣)

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