ヤンデルキミガ一番可愛い

たけねこ

ヤンデルキミガ一番可愛い

 私の名前は林道茜、高校二年生だ。            


「ねぇ茜ちゃん話聞いてる?」                「うん美玲ちゃんの話はいつでも、どこでも聞こうとしなくても耳に届くよ?」                   


 そしてこっちの可愛い女の子は雨宮美玲、私の愛してやまない愛しい幼馴染み。そして彼女でもある。少し病んでて危ないところもあるけど、そんなところも愛してやまない可愛い彼女だよ。


「調子良いこといっちゃって、茜ちゃんと言えど怒るよ。ほんとに聞こえてるなら私がいったことちゃんといえる?」                       


 基本私が何かやらかさないかぎり、彼女はあんまり怒ったり、機嫌を損ねたりはしない。いつもは笑顔で誰にも接するが、たまに私に告白してくる子などがいると怒る、は少し違うが豹変する。ようは私に近づくのは許さないという嫉妬によるものだ。そういうところも可愛い。              


「ああいえるよ、私が最近美玲ちゃん以外の女の子とよくいるって話でしょ?」                     


 美玲ちゃんは基本は友人関係にはとやかくいわない。でも友人から好意を持たれたりなどしたら、もう関わらないでと迫ってきたりする。女子高の都合上そういう気がある子は、まあまあ居たりする。                                                                          


「少し違うよ。だだの友達なら私も茜ちゃんに嫌われたくないから、あんまりうるさく言わないけど。加奈子ちゃん絶対茜ちゃんのこと好きだよ、だからあんまりかかわらないでほしいの」                基本は私も美玲ちゃんには甘いのだが、今は違う。       


「違うよ加奈子ちゃんとは中学の頃からの付き合いだよ?もう気心の知れた友達だよ。それ以上の何者でもないから」                                                         「ほんとに友達以外の何者でもない?」        「ああ、そうだよ」                             


 さっきからでている加奈子ちゃんとは、中学の時からの大親友だ。でも最近好意を持たれ始めたのは、なんとなく勘づいている。

 それが検討違いだろうとそうじゃなかろうと、色々と都合が良いから放置しているのだ。都合が良いとはどういうことかというと、事の発端は半年ほど前。                      


 私は思ったのだ。美玲ちゃんをもっと病ませたらどうなるんだろうって。それが、いけないことだということはわかってはいるものの、もっと病んで私にすがってくる美玲ちゃんを、見たいと思ってしまったのだ。             

 私は昔からそういう癖がある。病んでたり、少し歪んでいる女の子が好きだった。だから美玲ちゃんに脅された告白された時はほんとに嬉しかったし、ドキドキして止まらなかった。        


 だから見たいと思ったのだあのとき以上に病んだ美玲ちゃんは、どんな行動に出るのかなと。それがどんなにおろかな事だと知っていてもだ。そうと決めたら話は早いと私は色んな行動に出た。

 時には連絡を返すのを送らせたり少しそっけなくしたりなど、怒りはしないが少し不安にさせるようなことをした。すると少しずつ効果が出てきて、たまに私に対して不安が爆発したかのように泣いて私にすがってくるのだ。私を絶対に離さない、あなたは私のものと、マーキングをするように。その歪んでいる顔をみると、もっと、もっと、もっと、と尽きない欲望に飲まれて私の行為は、エスカレートしていった。           


 そんなある日の事

「茜ちゃん放課後時間ある?あるなら、屋上で話がしたくて」            


 そう加奈子ちゃんに聞かれた、ちなみに美玲ちゃんは別のクラスなので。おそらく、告白と思われるこの誘いは聞いていない。もし美玲ちゃんが聞いていたりしたらどんな顔をしたのかなと、思いながら。


「屋上ね、良いよ」   

                  

 と今日は美玲ちゃんにはなにも言わず、不安にさせようかなと思う。それに運が良ければ不安にさせる以上のことができそうだ。

 そして約束の時間を迎えて、屋上に行くと勿論、加奈子ちゃんがいる。                


「茜ちゃん今日はその、来てくれてありがとう。そしてその……」                        


 出てくる言葉は分かっているが少し待って欲しい。もう少ししたら美玲ちゃんがこの場を覗きに来るかもしれないから。

 以前私が告白されて美玲ちゃんを待たせたときに、遅かった私に、不安を持ったらしく。たまに屋上で告白されているからと見に来たときに、ちょうど告白されたいるところを、見られたのだ。あのときと今は似ている、もしかしたら来るかもしれない。         


「落ち着くまで待つからさ、大事なことならゆっくりで良いよ」               


 そう話していると少し音がした屋上に入る扉が少し開かれている、多分美玲ちゃんが来たなと思っていると。                           


「茜ちゃん好きです付き合ってください」    


 消え入るように、でもちゃんと聞こえるような、声量で加奈子ちゃんがいうと突然近づいてきたのだ。そう、ゼロ距離といえる距離まで、なんと、私と加奈子ちゃんはキスをした。いや、してしまった、美玲ちゃんの前で。

  


                                 

 私雨宮美玲は見た、いつもは授業が終わったらいつもはすぐ下駄箱に来るはずなのに。一向に来ない美玲ちゃんの教室に、一度行って見たがやっぱりいなかった。そしてまたいつものかと思いながら急ぎ足で屋上に向かった、茜ちゃんはモテる、女子高なのによく告白されている。


 茜ちゃんはカッコいいんだ、私と違って身長は高いし、顔も中性的で、たまに見せる笑顔は可愛いくて、そりゃ女子高にいたらモテるだろうなという感じだ。でも私は、茜ちゃんの彼女だし私だけを見て欲しいと思ってしまういけない子だ。

 そして最近茜ちゃんがそっけなかったり、前は遅くても十秒位で返してくれていた連絡も、1時間ぐらい変えすのが遅れたりなどしてくる。そんな行動は、私を不安にさせるには十分、いや足りすぎているような態度を茜ちゃんはしているの。でもそれと同じくらい茜ちゃんは優しいの、私が色々と耐えれなくなって爆発したときでも、笑顔でなだめるように話を聞いてくれる。でも私と別に愛する人ができてるんじゃないかって、私がめんどくさくて別れたくても、別れ話を切り出せてないだけなんじゃないかって。どうしてもそう思ってしまう。そんなこともあって、そういった不安は拭われる訳じゃないわけで。

 そんなときだったの私が、屋上で茜ちゃんとがキスしてるところを見てしまったのは。吐きそうになったし、そのまま突撃して話を聞きたかったけど、もう見たくなくてその時はすぐ帰ってしまった。





 あーやらかした、絶対に美玲ちゃん勘違いしてる。あの後すぐ断った。そして加奈子ちゃんは私が断ると、とても悲しそうに泣きながら謝っていた。

 その話は一旦置いておくとして、問題は美玲ちゃんなんだよな。

 キスした後に扉を見たが閉じられていた。多分勘違いして私と加奈子ちゃんが逢い引きしていたとでも思ったのだろう。


 帰ろうと思い下駄箱に来てもいないし、先に帰っているのかと思ったら、「家に来て」とだけ連絡が来ていた。私は美玲ちゃんの家に行きながら。多分、烈火のごとく怒っているなとか、そんな美玲ちゃんを観たいな、などと思っていると。すぐ美玲ちゃんの家についた。ちなみに、美玲ちゃんは一人暮らしをしている。私は合鍵を持っているので入ろうと思えば、はいれたのだが。ここはあえて呼び鈴をならすことにする、押すとすぐ開いて美玲ちゃんが出てきた。                                       


「入って」                        とだけ言われたので入ると、すぐ扉を閉められた。               


「ねえ、今日の放課後茜ちゃんは何をしてたの?」   そう聞かれて私は、、                                                  「友達と約束して少し遅くなったんだ、ごめんね」  とほんとだけど、本当だけど、嘘に聞こえるような内容を伝えた。                                                 


「何で嘘つくの、茜ちゃんキスしてたよね。今日の朝友達以外の何者でもないって言ってた、泥棒猫と」   「見てたの?」

 分かりきってるけど、私は質問する。少しずつそんな私に不信感を抱いているのか、不安そうになる美玲ちゃんを見ていると、もっと意地悪がしたくなる。

                       「うん、見てたよすぐ耐えれなくなって帰ったけど」

                              

 ああ、その愛と不安に歪んだ顔をもっとみたい。でもこれ以上、嘘も言いたくないしな。そろそろやめにしようか。            


「私は美玲ちゃんを愛しているよ。誰よりも、だから不安にならなくて良いんだよ」 


 そう私はいった、その後に美玲ちゃんは少し離れて、なにかを取り出した。                 


「いくら愛しているとか、甘い言葉を言われても私不安で不安でたまらないの。最近の茜ちゃんを観てると、どうしても悪い方に考えちゃうの。」

 

 そういいながら、美玲ちゃんは包丁を取り出した。この空気に、何か既視感を感じた。あ、そうだ美玲ちゃんに告白された時と似てるな。今の美玲ちゃんは、あの時と目が比較にならないほど、今は本気マジだ。

 多分選択を間違えたら、取り返しのつかないことになると思う。そんな思考がループして、頭がぐちゃぐちゃになって、どうすれば良いのか悩んでいると。美玲ちゃんが動き出した。あ、これヤバイやつだ。胸にドスッと異物が押し込まれる感覚がする。                          


「茜ちゃん愛してる」 

               

 そう言いながら美玲ちゃんは、泣きながら私を刺した。体が痛い、だけど不思議と悲しくない。私は死ぬ、なのにどうしてだろう。考えると、その答えは近くにあった。 

 ああ、私が求めていた物は、この顔だったのかも知れない。涙と愛憎で歪んでいる顔、そして後悔もしている顔、ああ君は可愛いなあ。私はバカだから、何度死んでも、幾度となく殺されようとも君を愛すだろう。だから美玲ちゃんも、私を忘れないでね?                        

    



     「

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヤンデルキミガ一番可愛い たけねこ @310take

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ