4

「ッチ、ここも駄目か……根腐れしてやがる」

 降りしきる雨に濡れながら、ダリオは激しく舌打ちをした。小降りと言うには激しく、土砂降りと言うには緩い、そんな程度の雨だがもう一週間も続いている。

 適度な雨は農作物にとっては恵みだが、行き過ぎると根腐れ病の原因となってしまう。川近くにあるダリオの畑は広く、この辺りでも随一の土地持ちである。しかしそれも、川沿いの不作の地域のことであるので、土地の価値は酷く低い。親から継いだ土地だが、いい加減手放して他の土地へ移りたい。だが、不作であるが故買い手もおらず、ダリオはこの不毛の地でどうにか家族を養っていかねばならない。

「雨に強いなどとぬかしやがって、あの詐欺商人め……」

 ここ数年、川の氾濫により地域一帯の農家は著しく被害を被っていた。それもこれも、領主が私腹を肥やす為、碌な堤防工事をしてこなかったからである。陳情は悉く無視された。

 いっそ暴動でも起こしてやろうかという思いは、今年生まれる子を宿した妻を思えば、掻き消さざるを得なかった。隣国からやってきたという商人から、ここより雨季の長い地域でも収穫の出来るという種芋を、藁にも縋る思いで購入したが、それも無に帰した。

 ダリオの両手から力が抜けた。引き抜いた芋の苗が濡れた畑に落ちる。頭上から降り注ぐ雨が目に入り痛い程だ。拭うだけの気力はダリオには残されていなかった。

――ドドドドドド

 川から不穏な音が聞こえる。畑を見に行くと言った時、家族は執拗にダリオを止めた。それもそうだろう、ここ数日で川の水位はかなり上がっている。決壊するのも、時間の問題に思われた。

――ドドドドドド

「全く、あんな土嚢でどうにかしようなんざ……やっぱり貴族のぼんぼんの領主なんざ、当てになんねぇな……」

 濡れそぼったダリオは畑の中心から川の方を見やる。先日、領主の命だと土手の上に大量の砂袋が積まれた。そんなものより、堤をきっちり築いて欲しいとの訴えは簡単に退けられ、残されたのは頼りない土嚢ばかりである。

 積まれた土嚢は川から押し寄せる水流で不安定に揺れる。こんなもので何が防げるというのか、村人たちと嘲笑していたものだが、多少なりとも抑止力にはなり得ているようだ。しかしそれももう持たないだろう。

――ドドドドドドド

 迫る川の音が危機感を煽る。しかし体は動かない。氾濫により畑がやられれば、ダリオの一家に再起の目はない。腹の膨らんだ妻の姿が脳裏に浮かぶ。

――ドドドドドドド

 激しい川音が迫る。だから、ダリオは近付く馬の足音に気付かなかった。

 

「……っ何をしている?!」

 怒号は上から飛んできた。ぎょっとするダリオが降り仰ぐと、フード付きのマントを頭から被っている馬上の男が、ダリオを怒鳴りつけていた。

 鳶色の瞳が雨越しにダリオを見据える。

「この辺りの村には避難勧告を出している! 直ぐに領主の館へ! 皆そこに避難している筈だ!!」

 村では見かけない男だった。まだ若く、マントの隙間から騎士然としたかっちりした制服が見られる。領主の館、と言ったか。ではこの男も領主の配下か何かなのか。

 反発する気持ちは雨と共に流れた。たじろぎながらダリオは男を見返す。焦れたように足踏みをする馬を宥めながら、男は険しい目をダリオに向けた。

「お前、何処の村の者だ?」

「ラ、ラナダ村だが……」

「そうか、ラナダなら既に全員避難している! 家族もいるだろう! 早く、こちらへ……」

 馬上の男が手を伸ばした時だった。ドッ、と背後で嫌な音がした。男がチッ、と激しく舌打ちをする。

「……っ来い!!」

 有無を言わさぬ口調で伸ばされた手を、反射的に掴む。男は有無を言わさずダリオを馬上に引き上げた。

 強い馬だった。雨の中、すがりつくように首を持つダリオと、御する男。二人を乗せて馬は足下の悪い畑を必死に走った。川から離れるように、必死に。

 不安定な体勢の中、ダリオは思わず振り返る。土嚢の脇から抑えきれなかった濁流が、畑に勢い良く押し寄せていた。

「……っ畑が……っ」

 どうにも出来ないと分かりつつ、思わず伸ばしかけた手を男が押さえる。

「気持ちは分かるが、命あっての物種だ」

 高台を目指し走る馬に揺られながら、ダリオはギリと歯噛みする。何が分かるものか。お気楽な貴族である領主の手下なぞに、度重なる氾濫で生活が立ち行かなくなってしまったダリオ一家の、一体何が。


「――あなた! 無事だったのね!」

 馬に引きずられるようにして訪れた領主の屋敷、ホールに放り込まれるように連れて来られたダリオを迎えたのは、身重の妻だった。ダリオを連れて来た男は、再び馬で雨の中を取って返す。ダリオのように避難の遅れた者を探しに行くのだと言う。

 ダリオの妻、サーヤは、清潔そうな毛布に身を包み涙ながらに再会を喜んでいる。その周りに親兄弟が、さして広くはない屋敷のホールに、他のラナダ村の住人たちが皆不安げな顔で集っているのだった。

 住人たちの間を、仏頂面をした執事服とメイド服が動き回っている。良く見ればその顔は瓜二つで、少なからずダリオは混乱した。不機嫌そうなメイド服がやって来て、乾いた毛布と皿に入ったスープを渡してくれる。どうやら避難民に対する備えを事前に行っていたようだった。

「……あなた、本当にもう……こんな雨の中外に出るだなんて! どれだけ心配したか!」

「ああ、悪かったよ……どうしても畑の様子が気になってな」

「川は? 持つのか?」

 横合いから隣家の者が問うて来る。ダリオは苦い顔で首を振った。

「決壊した」

「っ何てこった! だから堤を強くしてくれと、あれ程言ったのに!!」

 隣人は大声で嘆いた。ホールに響く声を受け、避難してきた村の人々はざわざわと落ち着かない様子で顔を寄せ合う。

 腹を抱えるサーヤを支え、ダリオは座れる場所を探す。村の者は皆、着の身着のままで避難して来たのだろう。家財や手荷物の類もなく、毛布にくるまり身を寄せ合う様は酷く頼りない。

「こんなの、只のポーズなんだよ、誠意がない」

 隅に集まった男たちがひそひそと話し合うのが聞こえる。酷く不穏だ。

「だってそうだろ、堤防を設けろとあんだけ訴えたのにそれは叶えられず、あんな子供騙しの土嚢ばっか積みやがって」

「すると何か、わざと工事をしないで……」

「ああ、こんな避難所なんか作って恩を売る気なんだろ……狡い手使いやがって」

 段々と加熱する男たちの不満はホールに響き渡る。気付けば村人たちはそちらを注目し、ちらほら同意する声が上がり始めた。嫌な傾向だ。

「あなた」

「……ああ、」

 不安そうなサーヤの呼びかけに、ダリオはそっと人目につかないホールの端へ寄ろうとする。しかしその腕を、強引に捕まれた。

「なあ、お前もそう思うだろ? 全部領主の仕業だってよ!?」

 隣家の住人だった。全ては領主の策謀なのだという思惑にすっかり染まって、ダリオに同意を求めているのだ。

 そんな訳はないだろう。何処か冷静にダリオは思う。幾ら悪名高い領主と言えど、人望を上げる為だけにこのような愚作に及ぶとは思えない。だが、目を血走らせる村の男たちに、例え僅かたりとも反論が出来る空気ではなかった。

 身重のサーヤを後ろに庇う。皆不安で、疲れているのだ。おまけに相手は天災である。何を責める訳にも誰を責めることも出来ず、なればこそ、誰かに責任を押しつけたいのだ。

「なあ、そう思うだろ!?」

 鼻息荒く隣人が詰め寄る。妻を後ろに庇いながらダリオは、

「ああ、……そうかもな」

 苦く、同意を口走る。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 アベイル・エルニは執務室で書類に埋もれている。アベイルが領主の任に就いてから二ヶ月、もう随分と見慣れた光景に、カインは顔を顰めながら部屋に入った。

 出したら片づける、新しい書類は分類で分ける、それをすれば良いだけなのに、まあ場所が分かればいいからと、アベイルは乱雑に机の上に書類を積み上げていく。執務室は常に散らかっていた。身近なところが片付いていないと落ち着かないカインには、理解が出来ない。

「アベイル様、こちらフラウから預かった資料ですが……」

「今日は執事の方がフレアだね」

「……フレアから、預かった資料です」

 何が楽しいやら、相変わらず双子は時折入れ替わっている。完全に執事を装ったフレアを見抜くのはカインには難しく、二回に一回はこうして騙されている。不思議とアベイルには通用しないので、フレアはいつも悔しそうだ。

 双子の片割れ、フラウの方はと言うと、執事服を着ようがメイド服を纏おうがその態度は変わらない。やる気のない仏頂面で、淡々と言われたことだけをする。先にフラウに出会いさえすれば、入れ替わりに気付けるという訳だ。


 手渡した資料に、アベイルは目を落とした。事務仕事をする時だけかける縁なし眼鏡をくいと持ち上げ、真剣な表情で書面に目を通していく。業務の邪魔になるのだと、伸びた銀の髪も首の後ろで括っている。それならばいっそ切ってしまえば良いとカインなどは思うのだが、薄々勘づいてはいたことだが、この上司かなりズボラだ。

 気付けばカインは護衛の仕事ばかりでなく、こうしたアベイルの事務作業を手伝っている。そもそも護衛といっても執務室に篭もることの多いアベイルの後ろに、四六時中突っ立っているのも能がないので、カインにしても問題はない。護衛の仕事の給金は王都の騎士団から支払われる。それとは別に業務を手伝う分の給与がアベイルから支払われているので、カインにしてみれば懐が温まるだけ損はない。

「……被害はこのくらいか。まあ、想定の範囲内だけど……もう少し上手い手段はあったかも知れないな」

 アベイルは頁を繰りながら渋い顔をする。アベイルが着任してより一月を待たずして訪れた雨季。例年よりも続く長雨により川が決壊し、田畑や家屋に甚大な被害が出ていた。


 アベイルの施策は、悪くないものだったように思う。カムセト領を通過する川岸には、ほぼほぼまともな堤防は築かれていなかった。どうにかして欲しい、という陳情はアベイルが領主になってからも上がっていた。しかしアベイルは、人里付近の河川に簡素な土嚢を積み上げることを最優先した。堤を作り上げるのに一月は短すぎる。必ず人的被害の出る村が出て来るだろう、との判断だった。死傷者を極力出さないように、との方策だったが、実際昨年度に比べ氾濫による死傷者はかなり減っている。

 また、家屋の浸水により一時的な避難をする者たちに、場所と食料の提供も行った。足りない分の資金は私財を投げ打って工面した。元々屋敷にあった調度品や華美な家財や、一切合切。お陰で屋敷がすっきりしたと、革張りのソファを売り払い、使用人が使うような硬い椅子に腰掛けながら、アベイルは満足げに笑っていた。

「……被害は少なかったようですが……矢張り、損害の出た村からの批判の声が出ていますね…」

 客観的に見ればアベイルは良くやっていたと思う。少なくとも人的被害は減った。だが、現実問題として住む場所や畑に被害が出なかった訳ではない。民衆の、特に領主の館に程近いラナダ村の住人たちの反感は酷かった。

 とはいえアベイルも何もしなかった訳ではない。使用できなくなった田畑を買い取り、一時的な住処を用意し、少なくとも当面の生活は立ち行くように支援した。その甲斐もあってか、民衆の不満も暴動にまでは至らなかった。

 公費を湯水のように使うので、アベイルとついでにカインも、この一ヶ月始末書や事後処理に追われている。

 確認した書類の最後にサインを認めながら、アベイルは苦笑する。

「まあ、想定の範囲内だ。これ以上悪評がついて回ったところで、どうということはない」

「そうは言いますが……」

「何、どうせ三年ばかりの任期だ。精々嫌われるだけ嫌われてお暇しよう」

 アベイルは軽い口調で言うが、民の信望はそのまま領地経営の難易に関わるだろう。苦い顔をするカインに気付いているだろうに、アベイルは何処吹く風で机に向かっている。


 補佐官がいるべきだろう、とカインは常々思っている。フレアやフラウは屋敷の管理が主な仕事であるし、カインなどは到底領地経営などはさっぱりだ。業務を理解し進言する、そんな相手が必要だろうとカインは思うのだ。

 尤もアベイルに提案した時には、それは即座に却下された。王都から寄越される補佐官など、どうせ父の息のかかった者である、そんな者に終始命を狙われて業務など出来たものではない。というのがアベイルの主張であった。

 つまりこの土地で条件に合った者を探さねばならない。領地の経営について堪能で、アベイルに対し敵意を抱いていない者を。それは余りにも難問だった。


「さて、嫌われついでにもう少し嫌われることをしなければね」

「……本当にやるんですか」

「やらなければならないだろうね。恐らく原因は、それしか考えられないから」

 書類の山の中からぴらりと一枚を取り出して、アベイルは薄く笑う。右下に印された猛る獅子の紋章、先日アベイルの立てた仮説を元に申請した事業が王に承認された証である。王家としても第一王女の元婚約者である立場に思うところはあろうが、流石一国の女王陛下ともなれば、その辺りは公平なのだろう。

「……貴方のその性分は、いつか身を滅ぼしかねませんよ」

 思わずカインは、立場も忘れて忠言する。アベイルを見ていると不安になる。こうも保身に走ることなく、己の不利益ばかりを敢えて被ろうとしている様は、自棄にも自傷にも見える。それがカインには、不安でならない。

「……もう疾うに落ちぶれているよ」

 ふ、と失笑する、薄いレンズの向こうの菫色の瞳は、何処までも昏い。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 執務室を後にし、廊下を歩きながらカインは腕を組み考える。

 アベイルの自らを省みない性分について。そんなアベイルをどうにも気にしてしまう自分について。

 いつしかカインは、アベイルを名で読んでいた。それが許された。許されてしまった。エルニ様、そう呼びかけた先で、僕はもう公爵家から追いやられた立場だよ、そう自嘲気味に言われてしまえばもうその家名で呼ぶのは難しい。名前で構わない、そう告げられ気付けばアベイル様と呼びかけることに抵抗はなくなっていた。

 当初抱いていた嫌悪感はいつしか消えていた。代わりに心を占めるのは、果てしない罪悪感である。

――貴方を、軽蔑します

 かつて告げた言葉がキリキリと胸を痛めつける。良く知りもしない相手に、どうしてそんなことが言えたのか。

 だが幾度あの場面を繰り返したところで、カインは己が吐く暴言を止めることはないだろうと分かっていた。あの時点でのカインにとってのアベイルは、王女に婚約破棄された悪役令息、それだけでしかなかったのだから。

 渋面で廊下を歩く。その先に、はたきで壁面に飾られた額縁を掃除するメイド服がいた。今日はフラウだったか。何が楽しくて女装をしているか知れない青年に近寄ると、向こうもこちらに気付いたのか妖艶な貌で振り返った。

「あらぁ、暇そうね色男。良かったらあたしと遊ばない?」

「……暇ではない。お前も仕事中だろう、フレア」

 フラウかと思えばフレアだった。艶めいた笑みを浮かべ振り返る短い金髪の上で、白いカチューシャが揺れる。面倒臭いので一日で何度も入れ替わらないで欲しい、紛らわしいので。

「相変わらず、堅物ねぇ……それより、例の件は頼んでくれたのぉ?」

 長い睫毛に縁取られた濃紺の瞳を眇めながら、フレアが小首を傾げる。例の件。思い当たる節がなく顎に手を当て考え込むカインに、フレアは焦れたようにふっくらした唇を尖らせた。

「ちょっと、忘れないでよぉ……料理人、雇ってくれないか、領主様に聞いてくれたのぉ?」

「ああ、あれか……」

 先日の打診を思い出し、カインは溜息を吐いた。

 この屋敷の使用人は現在、執事のフラウとメイド長のフレア、二頭の馬の世話をする馬丁が一人――この三人は住み込みで働いている。それから通いのメイドが二人、週一で雇っている庭師が一人。基本的にはその六人で回している。かつては調理人もいたのだが、前領主が罷免されると共に使用人も減り、解雇されたらしい。そしてアベイルは新たな料理人を雇わないので、現在厨房に入るのはメイドたちが順番で担っている。

 料理の水準が安定しないので、双子から陳情が何故かカインの元に寄せられたのである。

「いい加減、美味しい料理が食べたいって、領主様に早く伝えてよぉ」

「……自分で言えば良い」

「やーよ、極力領主様とはお喋りしたくないもの」

 不気味で近寄りたくない、というのが双子の領主に対する見解だった。初対面で入れ替わりを看破し、それなのに咎めるでもなく淡々と仕事を言いつけるアベイルに、言いようのない不気味さを感じるのだと。そもそも何故所見で双子の見分けがついたのか、その不可解さが不審となり、必要以上に会話を交わしたくないようだ。

 色香を蒔き散らしながら近寄ってくるフレアに後退りながら、カインは渋面を作る。

「人事管理も執事の仕事だろうが」

「そうよぉ、だって奥方様がいないんだもの。だからってあたしたちに七面倒臭い仕事が回ってくるのはごめんだわぁ」

 明け透けに言うフレアは、怠惰であるが裏表はないだけまだ分かりやすい。

 屋敷を取り仕切るのは本来ならば貴族の妻の仕事であろうが、アベイルの立場を考えれば伴侶の存在はこの先も期待出来ない。何せ王女の婚約者だった身の上であり、あまつ破談となっているのだ。訳あり過ぎて嫁いで来る者もそうそういないだろう。

「兎に角、お願いするわよぉ?」

 長い睫毛を揺らしバチンと音が出そうなウィンクをして、フレアはまたパタパタとはたきで無造作にそこらをはたきまくる。

 勝手なお願いをされ、しかしそれを無碍にも出来ないカインは、より渋い顔になりながらその場を後にする。

 閑散とした廊下を歩きながら、思う。確かにこの屋敷には人が足りなさ過ぎる。というより、アベイルの手勢が少な過ぎる。信頼を置き、自らの命を忠実にこなす配下が。

 先日の雨季の際にも、資金面は何とかなったが、如何せん手の回らないことが多過ぎた。

「先ずは……人員の確保が必要だろうな」

 呟きながらカインは苦く考える。少なくともこれは、護衛騎士の仕事ではないな、と。

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