第2話 吉田 ツヨシ

1章全19話 短いですが最後までお付き合いください。応援よろしくお願いします。m(_ _)m

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「ツヨシぐずぐずするな! 早くベーダー侵略者の魔石を拾えよ。」

 ドガッ


 「ぐっ、す、すみません。すぐに拾い集めます。」

 僕はハヤトさんに背中を蹴られて派手に地面に転がるも…すぐに起き上がって、魔石を拾い集めた。


 「見習いになって、もう半年だってのに、いつまで経っても使えねえなお前は」

 「……」


 今日一緒にダンジョンに潜っているメンバーのハヤトさんとコウジさんはいつにも増して僕に対して当たりがキツイ。昨日何か嫌な事があったのだろう。一番下っ端の僕をストレス発散の的なのはいつもの事だ。


 「おい、お前ら剛に当たるなよ。見習いとはいえ同じチームの仲間なんだぞ。そんな事をする暇があったらベーダー侵略者共が襲ってこないか見張ってろ。悪いなツヨシ、俺からもこいつらには後で言っておくからよ。」


 そんな中、アキラ先輩はいつも優しく声をかけてくれる。見かけは…チンピラのような風貌なのだが…素行も悪い。だけれども根は優しい頼れるアニキだ。


 「ありがとうございます。アキラ先輩」

 ペコリと頭を下げてお礼を言うと、ああと素っ気なく手を上げて返し、襲ってきたウサギ型のベーダー侵略者を一振りで屠った。死体は残らずに小さい魔石を残して消えていくので、僕がその魔石を素早く拾い上げて袋へとしまっていく。


 僕の名前は吉田 ツヨシ16歳 冒険者プレイヤーだ。


 冒険者プレイヤーとは、宇宙から降り注いだ謎の隕石が世界各地に落ちて出来た跡地から湧き出した謎の獣、通称ベーダー侵略者を押し返して閉じ込めた穴、ダンジョンを攻略する命知らずの者達のことなんだ。


 大厄災と呼ばれた当初は、有象無象の腕自慢達が見境なくダンジョンに挑戦していたみたいだけど、生還率が20%を切るような状況が続き、国が制度を設けた。


 ダンジョン教育を義務教育に組み込んで、早くても中学校を卒業するまではダンジョンに挑戦できないようになっている。


 僕も去年まで義務教育で国語や算数といった科目の1つとしてダンジョンについて学んでいたんだ。


 そして中学校を卒業と同時にダンジョンに挑んだ。もちろんダンジョンの危険性知ったうえでの決断だ。


「おい、 ツヨシ早く来いよ! ぐずぐずするな! ついてこれなくなっても置いていくからな!」

「は、はい! すぐに行きます。」

 僕は中身がに詰まったキャリーケースをズルズルと引きづりながら、アキラ先輩達に必死に汗だくになりながら追いかけた。


 大厄災当初よりはマシになったとはいえ、ダンジョン初心者の冒険者プレイヤーの1年以内の生存率は50%だ。50%…つまり2人に1人は1年以内に死んでしまう過酷な職業なのだ。


 僕はラッキーだった。「雷神会」という上位ランカーの1人である榊ジン率いる冒険者プレイヤーチームの支部に入れてもらえたのだ。というのも、小さい頃に近所に住んでて仲のいいお兄さんだったアキラ先輩が僕が冒険者プレイヤーになりたいのを聞いて、中学を卒業したと同時にチームに誘ってくれたのだ。


 もちろんチームの下っ端として、荷物持ちや雑用係としてこき使われて半年。何度も死にそうな危ない目にもあったのだが、なんとか生き残れている。


 「この辺で休憩しよーぜ。おい、ツヨシさっさと準備しろよな。グズが!」

 3階層の見晴らしのいい広場のようなところで、僕以外の3人が座り込んだ。ここよりももっと深い階層には魔物が寄り付かないセーフゾーンのような場所があると聞いた事があるが、浅い階層には無い。


 僕は荷物から折りたたみ式のカップを4つ出し、小さなキャンプ用ケトルを用意する。


 「ウォーター」

 そう唱えると指先から水が出て、ジョボジョボと音を立ててケトルを満たす。


 「ぷっ。」

 「ひゃーははは、相変わらず水をちょろちょろ出すだけの役立たずなスキルだなー。」

 僕は二人の嘲笑に構わず火を起こす。


 僕が授かったスキルは“水魔法”。正直スキルの中では微妙だ…。その他にも火・風・土の魔法スキルもあるが、攻撃魔法として戦いで使えるようになるには、高レベルにならないと使い物にならないのだ。


 だから冒険者プレイヤーとしては低レベル時に役に立たない魔法スキルを得るよりも、剣技や剛腕、俊足などの物理攻撃に威力が増すスキルの方が重宝されるのだ。


 グラグラと煮立つケトルの火を消しインスタントコーヒーに注いで一人づつ渡し、自分も少し休憩しようと腰を下ろかけた時にコウジさんに怒鳴られる。


「何休もうとしてるんだよ! お前は仕事があるだろうが! 先に済ませてこいよ。」

 そう怒鳴られて疲れた体を休ませる事も出来ずに下ろした腰をあげる。


 そんな僕にアキラ先輩が優しく声をかけてくれた。


「疲れているだろうに、すまないなツヨシ。だが、先に済ませて欲しいから頼む。」

 アキラ先輩にも促されて、僕はキャリーケースを掴みノロノロと歩き出した。


 ああ…そうだった。いつも3階層に来てする仕事…。いや本当は考えないようにしていただけで覚えてはいたのだけれども…気が重い。


 重いキャリーケースを引きづり10mぐらい歩いた時だろうか、右足の太もも裏に激痛が走った。


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いきなりなんですが…いじめの描写がうまく書けない…何か心が痛くて。本当ならもっと、ひどいいじめの描写を入れた方が ざまぁ した時のカタルシスが上がるって分かってはいるんですけど…でもこのぐらいソフトでもいいですよね!(開き直り)

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