第4話 回復魔法能力者、夕凪 美月
「.......」
「.....社高校の皆にも話してないことなんだけど...」
少しの沈黙の後、政近が口を開く。
「俺の両親、魔族に殺されたんです。」
「っ!」
美月が絶句する。
「そ、そう、だったの...知らなかった...」
「うん...それで俺は『世直し』をすることを決めたんです。」
「『世直し』....って何?」
「神が起こせるとされている現象のことなんです。」
「その神が今魔族どものせいで窮地に陥っているらしい。」
それまで黙っていた冴優が説明する。
「ええと、その神様に『世直し』してもらうために、魔族達と戦うってこと?」
「はい。」
「じゃあ政近君が大ケガしたのも魔族のせい?」
「いや、これは違うんだ。」
冴優が申し訳なさそうに答える。
「え!じゃあなんで...」
「さっきも政近君が説明した通り、魔族や悪魔との戦闘が発生する。だから戦力が必要で仲間集めをしていたんだ。」
「余計なんでボロボロなんですか⁉」
「その仲間にしたい奴に癖の強いのがいてな、そいつとの戦闘でこうなった訳だ。」
「ええ~納得いかないです...」
「納得のいく相手じゃなかったんだよ、美月君。」
どこか遠い目で語る冴優。
「そうなんですか.....ていうか仲間にしたい人とかいたんですか?危ない人なら無理に入れなくてもいいと思うんですけど...」
「政近君のに聞いたほうが早いんじゃないか?発案者だし。」
「あ、そうですね。」
政近の方に向きを変える美月。
「おおうぇ⁉」
いきなり目線が集まりきょどる政近。
「えっと...まず交渉術の能力者で次に炎、最後に回復能力者...といった計画だったんですけど...」
「ど?」
「炎の能力者がその癖の強い奴でこんな有様に...」
「あいつは交渉もなにも通用しなさそうだな...」
冴優が苦笑いをする。
「.....政近君、私の能力必要?」
「え....正直言うと必要です...でも美月さん自身がだめそうだったし...」
「.....分かった。一日待ってくれない?」
「え!無理に決めなくても―」
「分かった。じゃあ明日もこの時間に来れるか。」
政近の言葉を冴優が遮る。
「はい、大丈夫です。ではまた明日。政近君、お大事にね。」
「え、あ、はい。」
バタンッ
「あの...別に相手が悩むなら他の人でもいいと思うんですけど...?」
政近が不思議に思いながら言う。
「はあ...君は本当に乙女心が分からないなぁ。」
え...今のどこに乙女心が...?
「まあ、そのうち君も分かるだろう。今は美月君の返事を待つのみさ。」
「そうですね....あ、そういえば!」
「ん?なんだいいきなり。」
「中山先生とあれっきり連絡とってないないじゃないですか!」
「あーそうだったな、でも何か協力してもらうってことは今はないよな?」
「先生と言ってるくらいですから
「確かに、それもそうだな。連絡はとれるのか?」
「はい。今確認します。」
「ああ、頼む。」
そう会話する二人は中山が怪しいということをすっかり忘れていたのだった...
prrr....
ピッ
「はい、中山です。....ああ、政近君?ついに僕の出番?...相談?...生徒の相談に乗らない先生がいるか、もちろん協力するよ。時間と場所を教えてくれる?....OK.じゃあ
またね。」
ピッ
「なるほど、回復魔法能力者が
順番的に既に炎は加わっているか....よしっ...そろそろ....
潰すか。
そういう中山の目は狂気に満ちていた。
_____________________________________
~作者から~
今度は3話の反省を生かして短くしました。これでプラマイゼロですね!
.....あれ?なんか一章入ってから作者から書きすぎ....?まいいや。以上インフォメーションでした。
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