全てが終わった

前回から数分後。


「・・・殿下、 貴方の思った通りです

廃屋の中に居るのはオリじゃないですね、 女と一緒に来た奴です」

「やはりすり替えられた・・・ッ!! じゃあさっきの女と紳士は誘拐犯の一味とオリか!!」


立ち上がるメイズ


「何方に?」

「後を追う!!」

「後を追えば旗信号での通信は不可能になります」

「しかし!! ここで待っている訳には!!」

「個人的な意見を言わせてもらえば上の者は待機するべきです

現場に出張るべきでは無い」

「しかし!!」

「いざという時に指示が出せなくなるのは不味い

私は待機しなければならないですし、 私抜きで行動するのはお控え願いたい」

「何故だ!?」

「何故って・・・マーズ王国は我々を疑っていますが

我々もマーズ王国を疑っています」

「何だと!?」

「無くはないでしょう? 今日は居ませんが兵を連れて歩いている訳ですし」

「・・・・・」


メイズは怒りを覚えたが抑えた、 分からなくはない話だ。

ここで怒りに任せてまざっ返す訳にもいかない。

何よりここで通信で情報を知る事も重要だ。


「・・・・・」




1時間後。

全てが終わった。


「・・・シー子爵令嬢を鉄工所で確保したとの事です」

「鉄工所?」

「王都から離れた場所にあります」

「オリは?」

「錯乱している様です」

「錯乱? 一体何が・・・」

「落ち着いてから情報を聞き出す必要が有りますね」

「誘拐犯は? さっきの女は?」

「女は確保済みです、 そちらから事情聴取をしましょう」

「・・・子爵令嬢は?」

「無事です」

「子爵令嬢にも話を聞いた方が良いでしょう」

「でしょうね」




画して事情聴取が始まった。


聴取を取る相手は

公園でオリに声をかけた辻馬車の御者ハンス

廃屋にやって来た二人組の男の方、 娼館の従業員のフレッド

同じく廃屋にやって来た二人組の女の方、 娼婦のアンナ

そして人質になっていたシー子爵令嬢。 


この四人に対して事情聴取が行われたのだった。

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