推しに会いに行こう

今日もテレビの大画面でINIを鑑賞中。歌も踊りはもちろん最高のパフォーマンスの上にトークまで面白いのがINIの魅力である。

推しの本物の後藤威尊くん愛称たけちーは今日もかっこいい。面白いことも言えるのに周りに気をつかっているのが言動で分かる。「本物のたけちーに会ってみたいな〜」とテレビを見ながら言う私に母は今度また行こうとノリノリで誘ってきた。母もINIのファンで推しはINIのリーダー木村柾哉くんだ。例のお店に居るか分からないけどご飯を食べるついでに見に行こうと決めた。


そして当日。エコバッグを持った私たちは身近に会えるたけちーのお店に向かった。店内に入るのは流石に申し訳ないので、数秒だけの短い時間で探した。そしたらたけちーは出勤しておらず、別の若い男性がお客さんに接客していた。

初めからあまり期待していなかったはずなのに、会えなかったことで全てのことがどうでもよく思えた。いっそのこともう鼻くそほじくってやろうかという気分になった。誰が見てても構わない。だって身近に楽に会える推しに会えなかったのだから。自分がこんなにも期待していたことにも驚いたが、とうとう公共の場で鼻をほじくっていいほどどうでもよくなるとは。

隣の母も肩を落としてあの日はたまたま他の店舗から来たのかなとか、学生であまり出勤してないのかなとか割と落ち込んでいた。

初めて会った日の胸の高鳴りは私を生き生きとさせてくれた。もう会えないんだなとか思うと推しは尊くて推せるときに推せとはこのことなんだと身をもって体験した。

いつかINIのラジオにたけちーに似た人がいて胸がドキドキしました!なんて送ってみたいが、会えなくなった途端、鼻をほじくろうとした人と印象づいてしまうのが怖くてここだけの話にしておく…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

推しがアパレル店員?! まる。 @tototo23

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ