佃小橋の向こう側

安室 作

プロローグ



プロローグ


 立ち並ぶいくつもの超高層ビルを背景に下町の雰囲気を残す「東京都 中央区 佃」の風景。

 どこを見ても様々な時代を感じさせ、またあるところでは町並みが調和し、混じり、一言で言い表せない魅力のある場所……みたいな紹介を耳にしたと思う。


 TVか、スマホか。どこで見たり聞いたりしたのかは忘れてしまった。でもあの真っ赤な「佃小橋」を見た時、久しぶりに行ってみたいと思った。

 ちょうどお爺ちゃんの家に旅行するタイミングだったし……変わってないといいな。自分がもっと子供だったときに遊んだ、懐かしいあの場所。

 行ってみよう。その想いは急激に膨らんでいった。


 気付けば夏のお盆近く。

 久しぶりに帰った足で「佃小橋」へ向かう事を自分は決めた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る